INTERVIEW
THE MAINE
2013.06.11UPDATE
2013年06月号掲載
Member:John O'callaghan (Vo)
Interviewer:山口 智男
-ただ、その分、レコーディングは苦労もあったんじゃないかと思うのですが、実際はどうでしたか?
新しい技術は欠点もない完璧な音を望むのであれば良い選択だと思うよ。でも、アナログ・プロセスによるレコーディングは、不完全ではありながらも美しくて、何か有機的な感情を与えてくれるんだよ。人間の持つ鼓動がメトロノームとしてはたらくんだ。だから僕らは後者を選んだ。すべてが明快で磨かれた作品を作りたいとは思わなかったよ。
-シンプルなアレンジが曲の良さを際立たせていますね。曲作りやアレンジのポイントは?
アレンジで手を加えたり、曲を作り直したりするような作業はなかったよ。僕らが感じるありのままを書いてからナッシュビルに向かい、自然に作業に取り掛かった。そして、Brendanが欠けていた部分やギター・サウンドを味付けしてくれたんだ。
-新作を聴いていると、普段聴いている音楽やインスピレーションを受ける音楽も以前と変わってきたんじゃないでしょうか?どんなふうに変わりましたか?
それは正しい意見だと思うな。でも、何かを聴こうという気持ちは意図して起きたのではなく、本当に自然に起こったんだ。確かに好みは変わってしまったんだけど、僕を音楽の世界へと導いてくれた音楽には今でも愛着を持っているよ。
-最近、お気に入りのバンドとか作品とかはありますか?
そうだな、過去25年以内のモダンなものであればPAVEMENT、WHEAT、WEATHERBOXにON AN ONだろうね。それからもっと古いものであれば、Tom Waits、BUZZCOCKS、FLEETWOOD MAC、STEELY DANかな。
-以前、THE MAINEと言えば、エモ・シーン出身のバンドというイメージでしたが、新作を聴くと、そんなイメージは完全に払拭されたと思います。エモというレッテルはみなさんにとって窮屈なものだったのでは?
『Black Dynamite』(黒人ヒーローが活躍するコミカルなアクション映画)のセリフを引用するなら"ムカつかせるぜ(It makes me no never mind)"といったところかな。僕は思うんだけど、最初にできたロック・バンドたちもそうやってジャンル分けされたのかな?僕自身は何かにそういうラベルを付けたりしないし、することは好きじゃないな。
-Johnの歌声もとてもユニークですね。歌声を聴いただけでJohnだとわかります。そのJohnが理想と考えているシンガーと言うと?
良い質問だね。THE GUESS WHOのBurton Cummingsの持っている作曲能力と彼の声を通して感情を表現する方法は素晴らしい。それからTom Waitsの持つ声の多彩さと演出法も頭の中に鮮明に残っているよ。
-アルバム・リリース後の活動予定と今後の抱負を聞かせてください。
ツアーをして、新作を聴きたい人たちのために演奏を続けるんだ。新作について僕らは誇りに思っているし、たくさんの人たちに聴いてもらいたいね。
-最後に日本のファンにメッセージをお願いします!
君たちの住む美しい国へ行くということは考えるだけで興奮してしまうよ。僕はできるだけ早く日本のみんなのために演奏できることを望んでいるよ!みんなのサポートに本当に感謝しています。すぐに会えるといいね!