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INTERVIEW

THIS CENTURY

2013.05.15UPDATE

2013年05月号掲載

THIS CENTURY

Member:Joel Kanitz (Vo)

Interviewer:山口 智男

-他に仲のいいバンドはいますか?

長年のツアーを通してたくさんの友達ができたよ。ツアーってどれも夏のキャンプみたいで、2週間も一緒に過ごせばいつの間にか一生ものの友達になっているものだよ。

-ちなみにTHE MAINEの『Pioneer』のアートワークについてはどう思いますか? 日本では賛否両論なんです。

僕らは『Pioneer』の大ファンだよ。新しいことに勇気をもってチャレンジしたと思うし、それはかっこいいと思う。それはアートワークに関しても同じだよ。

-『Biography Of Heartbreak』のプロデューサーはTHE MAINEを手がけたColby Wedgeworthですが、THE MAINEのメンバーからの推薦だったんですか? 彼は『Biography Of Heartbreak』のレコーディングでバンドをどんなふうに導いてくれたんでしょうか?

Colbyと初めて会ったのは彼が自身のバンドでまだパフォーマンスをしてる頃だよ。THE MAINEがColbyはポップ・ミュージックのプロデュースにすごく長けているし、必ず僕らの力になってくれるって言ってくれたんだ。彼は人間的にも本当に素晴らしい人だし、それに、彼は僕らのアルバムのヴィジョンを心から理解してくれた。これはプロデューサーとしてとても大事なことだよね。彼はさらに、今作に新しいサウンドを取り入れるべく、僕らにたくさんのことを指南してくれたんだ。

-『Biography Of Heartbreak』を作るにあたってはどんな作品にしたいと考えましたか?

明確に言えることは、前作『Sound Of Fire』とは違ったアルバムを作りたかったってこと。自分たち自身への挑戦だね。制作時は、何曲か出来上がるまでアルバムの方向性は定かじゃなかったんだ。納得のいく曲もあればそう思えない曲もあったし。制作はスロー・ペースでのスタートだったよ。スタート時点で僕らは目指す方向を決めれてなかったから。

-前作からどんなふうに変化しましたか?

今作は今までで1番ダンサブルでアップ・ビートだよ。今までの自分たちを打破する意気込みでこのアルバムを作ったし、ボリュームを最大まで上げて、みんなに楽しんでもらえたらって思うよ。

-今回、レコーディングに新たに試したことはありましたか?

初めてエレクトロを導入したよ。Alexのキーボード・パートがすごくノッてたから、これを生かそうってことになって。あと、既存の考えや枠組みに囚われずに想像力を駆使しようって自分たちを奮い立たせた。ドラムとキーボードの明るいサウンドを引き立たせることにけっこう時間を費やしたかな。

-『Biography Of Heartbreak』の主なテーマは失恋? 曲を作るとき、どんなことを題材にすることが多いですか?

主なテーマは……失恋っていうのは一言で表せるものじゃなくて、悲しみ、絶望、その他いろんな感情が含まれるでしょ。そして、恋を失えば、新しい恋に出会い、その恋を育み、このサークルが続いていく。まるで僕らが失望の極地でこのアルバムを書いているって思われるようなエモ・アルバムにはしたくなかったんだ。このアルバムは僕らにとっても背中を押してくれる存在だし、リスナーにとってもそういった存在になるアルバムを作りたいって思っているよ。

-「Bleach Blonde」はこれからの季節にぴったりですね? この曲はどんなふうにできたんでしょうか?

この曲はシンプルなアコースティックのギター・リフから出来たんだ。みんなで何気ない感じでリフのアイディアを出し合ってね。タイトルは曲作りの合間にふと思い浮かんだんだ。この曲は失恋や新しい恋について綴ったもので、夏にこの曲を聴いて、キミのこじれた気持ちを晴れやかにしてもらえたらいいな。歌詞は曲の方向性が見えた途端にスラスラと書けたよ。歌詞がスラスラと出てきたら、それはたいてい僕らにとっていい兆候の表れなんだ。

-他にオススメの曲と言うと?

僕のオススメは「Love Killer」かな。この曲はかなり早い時期に出来たんだけど、大のお気に入りなんだ。誰しも経験があると思うけど、恋愛関係においてふたりのどちらかが一方を傷つけてしまうことってあるでしょ? それを綴った曲だよ。

-「Run & Hide」はいわゆるサーフ・ミュージックっぽいヴァイブも感じられますね?

 

そうなんだ。この曲はサーフ・ミュージックの影響を受けているんだよ。ところどころにレゲエやサーフ・ミュージックを初めて取り入れたんだ。一見、相殺しそうだけど、ヘヴィな歌詞にアップ・ビートなサウンドを重ねることが僕らの得意技なんだ。背景にどんな重たいストーリーが隠されていようとも、リスナーの気持ちを落ち着かせ、そして、元気になるような曲を僕らは作りたいんだ。これが僕らが曲を作るうえで大切にしていることだよ。