MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

ATLANTIS CHRONICLES

2013.04.23UPDATE

2013年04月号掲載

ATLANTIS CHRONICLES

Member:Sydney Taieb (Dr)

Interviewer:米沢 彰

-初めまして!激ロックです。あなた方のインタビューは初めてなので、簡単にバンドとメンバーの紹介をお願いできますか?

激ロックの皆さん、読者の皆さん、こんにちは!俺たちATLANTIS CHRONICLESはフランス・パリ出身のデス/プログレッシヴ・バンドなんだ。構成はリード・シンガーのAntoine、ギターとバック・ヴォーカルのAlex、ギターのJerome、ベースのMike、それから俺、ドラムのSydney。結構長い間このラインナップなんだよ。

-『Ten Miles Underwater』のリリースおめでとうございます。日本でリリースされることが決まった時のお気持ちを教えて下さい。

俺たちは自分たちのアルバムを日本のメタル・ファンに聴いてもらう機会ができて本当に嬉しく思っているんだ。日本のメタル・ファンはクレイジーだって聞いているから、そんな皆に是非このアルバムを聴いてもらいたいと思ってる。日本盤が発売されることで、より皆の目に触れるようになるだろうから、気に入ってもらって俺たちがツアーで行けるくらい盛り上がってくれることを祈ってるよ。日本で演奏したくて仕方ないよ!

-既に本国などではリリースされていますが、反応などはいかがですか?

自分たちの想像以上に素晴らしいリアクションだね。これは俺たちにとって最初のフル・アルバムだったんだけど、フランス国内だけじゃなくて、ヨーロッパの各国やアメリカ、カナダでもどんどんファンが増えていってるんだ。俺たちはこのアルバムに関しては、曲を作って、William Beebeと彼の深海潜水艇、深海の生き物と神話のストーリーを考えて、詞を書いて、レコーディングをして、ネット含めたプロモーションをして、ミュージック・ビデオを撮って、全部自分たちでやったんだ。ストーリーに関してはあらゆるジャンルの資料をリサーチして作り上げたからかなり手間がかかってるよ。だから、この全てが無駄でなかったことが分かって嬉しい。"メタル・シーンにおいて新鮮で珍しい"って言ってもらえてるから、それが特に嬉しいね。俺たちが正に目指しているところだからね。凄いのはフランスのテレビ局まで俺たちのミュージック・ビデオを流す予定になってるんだ。数週間後にオン・エアーになるんじゃないかな。メンバー皆家に電話して"俺がテレビに出るよ"って言わなきゃね(笑)。ファンの反応も凄くイイよ。毎日のようにメールが届くようになったし、ライヴに来てくれる人の数もドンドン増えてる。

-本国やヨーロッパでのリリースはあのCoroner Recordsからということですが、どのような経緯でリリースが決まったのですか?

俺たちは60部くらい俺たちのデモを色んなレーベル宛に送ったんだ。そして数件興味があるっていう返事をもらった。Coroner Recordsからのリアクションは他のレーベルと凄く違っていて、なんていうか人間味があったんだ。それと同時にプロフェッショナルで、誠実で、真剣で、良い人たちが運営してる。それにいつでも対応してくれるんだ。そして俺たちの間で"メジャーに行ってよそ者扱いされるより、インディーで親身になってくれるところと一緒に仕事をしたほうがいいね"っていう意見になった。良い仲間に恵まれることが成功に必要な要素だと思う。彼らには本当に感謝しているよ。

-あなた方のサウンドはオーソドックスなデス・メタルに、プログレッシヴ性を大幅に追加した独特な音楽性ですが、このサウンドはどのようにして生まれたのでしょうか?

多分、やり方は他のどのバンドとも大して変わらないと思う。メンバー全体が好きな要素を入れて、そこに自分たち独特の要素を加えて音楽を作ってる。俺たちの場合はもしかしたらフランス人であることから生まれるものがあるかもしれないね。俺たちは、自分たちが作る音楽を"リッチ"にしたいとは思ってるけど、あまり複雑にしたくないっていう気持ちがあるんだ。だからリフについてはキャッチーなものを作って、そこにトリッキーなパートを付け加えるくらいだね。実際は、このバンドを結成した時には、こういうテイストの音楽をやるって決めていたわけじゃないんだ。その時書きたいものを書いて、演奏してっていう流れでこれが出来上がったんだよ。

-マイナー・コードを多用した少し暗い雰囲気のメロディと、アグレッシヴな展開のアンバランスさがとても印象的ですが、これは作曲時に意識して構成を考えているのでしょうか?

そうだね。それが俺たちの目的でもあったからね。俺たちの音楽はヴァイオレントだけどオドロオドロしくないデス・メタルにしたいんだ。海に潜ったときに誰もが感じるような感覚と同じような音楽を作りたいと思っているからね。壮大で、美しく、且つ過酷で暗く、神秘的な音楽。海は地球の宝物だ。いろんな素晴らしい生物が住んでいて、まるで俺たちがいる地上とは別世界みたいなのに同じ地球に存在しているんだ。地球は人間が操っているわけじゃなくて、海に許されて人間は生きている。それを忘れた瞬間、自分たちの平和は消え去る。そんなコンセプトをバンドで表現したかった。

-これまでに影響を受けたミュージシャンやバンドを教えて下さい。

俺たちが大好きなのはTHE BLACK DAHLIA MURDER、THE FACELESS、THE HUMAN ABSTRACT、TONY DANZA、VEIL OF MAYA、THE DILLINGER ESCAPE PLAN、BETWEEN THE BURIED AND ME、PERIPHERYとかだね!でももっと遡ると、聴いていたのはそんなに重いものではなくて、PANTERA、METALLICA、THE HAUNTED、ARCH ENEMYみたいなタイプのメタルとか、BLINK 182やTHE OFFSPRINGみたいなパンク・ロックも好きだった。バンドじゃなくてミュージシャンで言うとKiko Loureiro、Marty Friedman、Richard Christy、Chuck Schuldiner、Derek Roddy、Devin Townsend、Dimebag Darell、Steve DiGiorgioかな。俺たちが知るものの全ては彼らに教わったと言えるだろうね。彼らは教えた覚えがないと思うけど(笑)。

-『Ten Miles Underwater』は深海をテーマとした現実とフィクションが融合したコンセプト・アルバムということですが、このアイディアは誰がどのように考えたものなのでしょうか?

『Ten Miles Underwater』を書いてる時、俺はAlexの誕生日プレゼントを探していたんだ。それで俺は 環境問題研究家で海洋開発に反対しているClaire Nouvianが書いた『Abysses』っていう本を見つけた。彼女の本は本当に凄いんだ。たくさんのカラフルな深海の生き物の写真が載っていてとても興味深い。そしてそこに"潜水球"って呼ばれる小さな潜水艦で最初に深海に潜った話が載っていて、それを読んで"これは素晴らしいストーリーになるんじゃないか"っていうアイディアが浮かんだんだ。それから潜水球に関する資料を色々調べ始めて、そこでWilliam BeebeとOtis Barton、その潜水球のエンジニアとデザイナーについて知った。そこにはBeebeの最初の深海への潜水について書かれてあって"これだ!"と思ったね。この潜水をアルバムで再現するんだって。このアイディアについてメンバーと話をしたら皆賛成してくれた。彼がそのマシンの中、独り暗い海の底でどういう思いだっただろうか、どんな生物に出会っただろうか、どんなことを発見したか、人類へのメッセージは何だったか、と色々思いをめぐらせた。そこから幻想的なストーリーを思いついた。潜水の話は本当だけど、アルバムの中で語られていることは完全なフィクションだからね!でもその複合的な物語がエキサイティングだと思ったんだ。