MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

SHAI HULUD

2013.02.10UPDATE

2013年02月号掲載

SHAI HULUD

メンバー:Matt Fox (Gt)

インタビュアー:ムラオカ (Assistant : TxOxMxOx)

-新作『Reach Beyond The Sun』完成おめでとうございます。完成しての今の気持ちをお聞かせください。

ありがとう。毎回アルバムが出るのが数年毎、今回は5年の間を空けてのリリースになるから、本当に“めでたい”感じだよ。まあ、しょっちゅうアルバムを出さないことで、アルバムを出す特別感みたいなのは増すからいいのかもしれないけど(笑)。本当に今の気持ちは言葉で言い表せないくらいだね。このアルバムの曲を書いている時もレコーディングしてる時も、もう永遠にアルバムが出せないんじゃないかって感覚を持っていたからね。ミキシングの作業もなかなか終わらなかったし、アートワークやレイアウトもね。まあ俺たちに限らずアルバムを出す時っていうのは、いろんな人が関係してきていろんな作業が発生して時間がかかるもんなんだろうけどさ。実はレコーディングが終わったのは去年の夏だったんだ。それからもう何ヶ月も完成した曲を繰り返し聴いて来たんだけど、この曲でいいんだろうか、みんなはどんな反応をするだろうかって、心配で心配で。それでネット上で何曲か公表して、そしたらみんな気に入ってくれたみたいで本当にホッとしたし、元気付けられたよ!そのお蔭でそれまでの苦労やフラストレーションが吹き飛んだね。これ以上の素晴らしい感覚はないよ。

-前作から5年ぶりと久方ぶりのリリースになりますが、いつごろから制作に入ったのでしょうか?

基本的には常に作曲活動はしてるから、このアルバムに入ってる曲には、大元になるフレーズとかが10年位前にできていたものもあるよ。「Monumental Graves」って曲の大部分は2003年の『That Within Blood Ill-Tempered』リリース後にできたものだしね。「A Human Failing」とかも5年前からある曲だ。そんな感じで、ある時期から作曲をまとめてスタートしたっていうことじゃないんだよね。でも“よし、新しいアルバム用に曲を纏め上げていくぞ”って作業を始めたのは2010年夏くらいだったかな。

-前作リリース以降の5年間、バンドとしてコンスタントに活動は続けていたのでしょうか?

コンスタントではなかったかもしれないけど、結構たくさんライヴはやっていたよ。常に年間を通して少なくとも2~3つのツアーを回ってるからね。ずっと忙しくしてたんだ。みんなが“何で5年も掛かるの?”って聞いてくるんだけどさ(笑)、俺たちは……まあ、今となっては少しいろいろ手伝ってもらえる立場になったけど、バンドってなにもかも全部自分たちでやらなきゃいけないんだ。曲を書くのも、レコーディングするのも、ツアーのセットアップ、ツアーの実行、バンドのマーチ、とにかく全部だ。自分たちのビジネスに関わる全ての業務をやってると、なかなかアルバム用に曲を纏め上げていく時間ができない。俺たちそれぞれバンド以外のことに使う時間も必要だしね。それに俺は曲を書くとしたら、自分の精神状態が良い時にしたいんだ。心身共にへとへとに疲れてる時には良い曲なんか書けないからね。俺は今凄く良い状態にあるから、次のアルバムに関しては5年後とかじゃなくて2~3年の内には出したいと思ってるよ。

-今作のコンセプトを教えてください。またアルバム・タイトル『Reach Beyond The Sun』にはどういった意味が込められているのでしょうか?

もしかしたら日本にも同じような諺みたいなのがあるかもしれないけど、英語で“There is nothing new under the sun(太陽の下に新しきものなし[旧約聖書])”っていう諺があるんだ。全ては今までにあったことの繰り返しで、新しいものなどないっていう意味なんだ。俺がこのアルバムのために曲を纏め始めたときに“この曲は良い曲だろうか”“この曲は今までと違う新しいものだろうか”って悩んでて、その時にこの諺が頭に浮かんでね。“そうだよな。この世に新しいものなんてないんだよな”って一瞬思ったんだけど、その後に“待てよ、じゃあ太陽の下じゃなくて太陽の向こう(beyond the sun)まで行ったらどうなるんだ?”って思ったんだ。じゃあ太陽の向こうに行こうじゃないかっていう。このアルバムのタイトルがついたのはそれがきっかけなんだ。アルバムの歌詞の中で、この『Reach Beyond The Sun』っていうフレーズに関係している曲は「I, Saturnine」とその次の曲「Reach Beyond The Sun」なんだ。「I, Saturnine」の主人公は物凄く落ち込んでいて疎外感を持っているんだ。彼が見るもの全てが怒りと惨めさと暴力に満ちていて、彼自身はそれが自分に与えられた現状だってことに気づいて絶望するんだけど、「Reach Beyond The Sun」で彼は最終的に自分の生き方を改めようとするんだ。現状の向こうに見えるもの感じられるもの体験できるもの手に入れられるもの、それを求めて動き始める。SHAI HULUDは悲観的であると同時に楽観的なバンドなんだけど、何よりも大事にしてるのは“現実的”であることなんだ。自分にとってもリスナーにとっても現実的なテーマを意識してるんだ。この“Reach Beyond The Sun”っていうコンセプトも、誰もが目指して欲しい“何かを得るために現状のその向こうに行く”っていうことがテーマなんだよね。