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INTERVIEW

SHAI HULUD

2013.02.10UPDATE

2013年02月号掲載

SHAI HULUD

Member:Matt Fox (Gt)

Interviewer:ムラオカ (Assistant : TxOxMxOx)

-あなた方のサウンドはプログレッシブな演奏の中にも、強い叙情感を感じさせるギター・ワークやヴォーカルのシャウトが特徴だと思いますが、楽曲はどうやって作られていくのですか?

作曲の方法としては、みんながギター持って集まってそれぞれが考えたフレーズを出し合ってっていうありきたりなものだけど、確かにSHAI HULUD的なサウンドっていうのは、あると思う。まず根底に俺たちの基本はメロディック・ハードコアだっていうのがある。俺が影響を受けた音楽っていうのはたくさんあってメタル、パンク、ハードコア、いろんなジャンルから影響を受けたけど、SHAI HULUDを始めたきっかけは……これは俺に限ったことで他のメンバーは分からないけど(笑)、自分の心を動かす最強の曲は、キレイな音楽に絶叫ヴォーカルを乗せたもので、その歌詞がちゃんと意味を成しているものだって気づいて、それを自分でやりたいと思ったからなんだ。この歌詞の部分が結構重要で、心に響くテーマで、良いことも悪いことも含めて人間の本質に絡んだリアリティーのあるメッセージを曲に乗せることが大事だと思ってる。自分でもそういうバンドが大好きだからね。だからどうやって曲を作るかよりもどういう曲を作ろうとして作っているか、ということが俺たちにとって意味があることだと思うんだ。作り方で言うと、俺はコードからかな。曲のコードとコード進行を作って、それが自分が思うようなコンセプトにはまっていくかどうか考えるんだ。最近のハードコア・バンドがやろうとしているのはいかにエモーショナルにするかってことだと思う。よりヘヴィに、ハードに、タフに、アングリーに、曲を作ろうとみんな努力してる。もちろん俺たちにもそういう時期があった。でも今はエモーショナルにするってことが、必ずしもそういう方向に曲を持っていくことじゃないって思うようになっているんだ。キレイでエモーショナルなメロディに更にその感情を強めるためのヴォーカルと、更にその内容を具体的に伝える歌詞、これが組み合わさって最高にエモーショナルな曲が生まれると思う。……俺、かなり喋り過ぎてるね(笑)。

-いやいや、そんなことないです。大歓迎です(笑)。今作では第2期ヴォーカリストのChad Gilberdが戻ってきてプロデュースとヴォーカルを担当していますが、彼が復帰した経緯を教えてください。

NEW FOUND GLORYが一緒にツアーをやろうってSHAI HULUDに声を掛けてくれたことがあって。2008年だったかな。そんなデカいツアーの話、もちろん即答でOKしたよ。ChadがSHAI HULUDにいたのは彼がまだ15歳の時で、それから脱退してNEW FOUND GLORYを始めたから彼とは本当に長い付き合いなんだよ。彼はNEW FOUND GLORYで大成功を収めたけど、俺たちはずっと連絡は取っていたし、特に仲が悪くなるってこともなかったんだ。だから彼がツアーに誘ってくれたときは純粋に嬉しかったよ。それでツアー中、俺たちがサウンドチェックをしてるときだったんだけど、俺がChadに“ちょっとこれ聴いてみて”って言ったのか、Chadが“何か聴かせてよ”って言ったのかは覚えてないんだけど、俺たちは彼のために新しい曲、つまりこのアルバムに入ってる曲の一部を演奏したんだ。演奏したのは「Reach Beyond The Sun」と「Monumental Graves」と「A Human Failing」の3曲からだったんだけど、Chadは1曲目を聴いた時に“凄くカッコイイね!これ新曲?他にも聴かせてよ!”って言ったんだよね。で3曲とも聴いてから“俺、SHAI HULUDの新曲凄い好きだな!早くアルバムが聴きたいね!”って言ってくれたんだよ。それで、これもどっちが言い出したか覚えてないんだけど、じゃあ次回作はChadがプロデュースしたら素敵だねって話になって。昔のヴォーカルが戻ってきて一緒に仕事をするっていうのも良い話だろ?その時はSHAI HULUDのヴォーカルはいたから、彼に歌ってもらう話は出なかったんだけど、プロデュースに関しては彼も俺たちも、ぜひそうしようってことになっていたんだ。それから2年くらい経って、曲が完成してからChadに連絡して“どう?まだやる気ある?”って聴いたら“一応音源を送ってくれ”ってことになって、送ったんだよね。そうしたら“何曲か演奏してもらったの覚えてるよ。どの曲も素晴らしい曲に仕上がってるね。それぞれの曲に関してアイディアもあるし、ぜひ一緒にやりたい”って返事が来て、直ぐに決まったんだ。それから少し経ってヴォーカルが抜けたもんだから、またChadに連絡して“実はヴォーカルが抜けてしまったんだけど、歌ってくれるか?”って聞いたんだ。そうしたら最初のリアクションは“うーん、それはどうだろう”みたいな、明らかに興味がない感じで(笑)。俺は“あーもー終わった。アルバムは出せない!”ってガッカリして落ち込んだよ。もうあと数年はアルバム出せないと思ったからね。そしたら翌日の朝にChadから電話があって“よし!やろうぜ”って言ったんだ。俺は一転して最高の気分になったね。まず何よりも彼の声は良いんだ。彼がSHAI HULUDにいた頃のことを知ってる人たちが彼の声を気に入ってくれてたように、純粋にヴォーカルとして素晴らしいんだよね。それから彼が歌ってくれることでアルバムが直ぐ出せるっていうのも嬉しかった。それからまたヴォーカルを探そうと思ったらまたエラく時間が掛かるからね。それに周りからいつも言われてた“Chadとは仲が悪くなったの?”っていう質問にまとめて“No!”って答えられるのもいいね(笑)。みんなから“ChadはNEW FOUND GLORYで大きい会場で演奏してるのにSHAI HULUDはまだに小さいクラブで演奏してるから、やっぱり嫉妬や遺恨があるんでしょ?”みたいなことを言われるんだ。そういうのないんだよね。今回一緒にやったことで普通にお互い上手くやってるっていうのが分かってもらえると思う。Chadの参加は今回限りで、彼がバンドに戻ってくることは永遠にないんだけど、とにかく今回一緒にやれたことはいろんな意味で素晴らしいし、嬉しいことだったんだ。