－初登場になるので、バンドの成り立ちから教えてもらえますか？

Shu：もともと僕と亡くなったTAIJIがCloud Nineというバンドをやってまして。そっちはそれほど活動してなかったので、じゃあ、何か新しいことをやろうと。当初TAIJIから“2人でスタジオに入ろう”と言われたんですけど、それだと何もできないので、ドラムを1人連れて行こうと思って、CRAZY QUARTER MILEで一緒のHINAと3人でセッションしたんですよ。彼女（HINA）はTAIJIに憧れていたので、いい勉強になるかなと思って。

－最初のセッションはどんな感じでした？

HINA：（TAIJI在籍時の）LOUDNESSのコピーを一緒にやりました。
Shu：だけど、すぐにオリジナルを作り始めたんですよ（笑）。
HINA：いきなり知らない曲をやるというか、曲作りに入りましたね。
Shu：もとも何を言い出すかわからない人なので（笑）。

－TAIJIさんが？

Shu：はい、僕は付き合いが長いので、そんなものだろうなと思ってました。

－現在のTSPの音楽的な原形は、その頃からでき上がっていたんですか？

Shu：「BLACK VAMPIRE」（今作に収録）は僕がリフを弾き初めて、“こんなのどう？”という感じで作ったんですよ。2度目にスタジオに入った時は他の曲をやっていたんですけど、もはや原形がないので、よく分らないんですよね。それでTAIJIがもう1つやっていたTAIJI with HEAVEN’SのヴォーカルであるDAIと一緒にTSPが始まったんですよ。でもいろいろとやっていく内にそのヴォーカルはメロディアスな歌が得意だったので、ちょっと違うなと思って、ヴォーカルを替えたんですよ。それからTAZZ.というヴォーカルが入り、その編成で１年ぐらいやっていたのかな。で、TAIJIが亡くなってしまい、どうしようかと思って……このメンバーになりました。

－いきなり飛びましたね。まずはTAIJIさんが亡くなった直後のShuさんの気持ちというのは、どうだったんですか？

Shu：もうバンドはできないだろうなと思いました。TAIJIが去年の7月17日に亡くなって、8月5日にライヴが入ってたんですよ。それはTAZZ.がもう1つやってるC.O.R.E.というバンドと、CRAZY QUARTER MILEが合体してセッションをやるライヴだったんですけど。今はやるべき時期ではないんじゃないかと思ったけど……そこでTSPの曲をほとんどやるライヴに切り替えたんですよ。で、やってみたら、ファンの方から“そのまま続けてください！”と言われて。確かにTAIJIとレコーディングした曲が一杯あったので、これはやらなきゃいけないなと。それでベースを探そうと思い、you+が入ることになったんですよ。

－ヴォーカルのKさんはどういう経緯で？

Shu：TAZZ.はいろいろと健康上の問題があって、ツアーは無理だろうという話になって。DELHEZIというバンドがあるんですけど、それを観に行った時に彼（K）を気に入って、ウチで歌わないかなぁと思って声をかけました。ただ、TAIJIが亡くなった当時は実際やりたいと言っても、やれるかどうかはわからない状態でしたね。幸いやれるメンバーが集まったので、“よし！”と思って。

－現在のメンバーになって、音楽的に変化はありました？

Shu：この4人になってからちょっと変わりましたね。それまでは既存曲をやっていたんですけど、既存曲をこの4人でアレンジしていくと、だいぶ変わりました。当初はメロディアスな音楽性は違うだろうと思ったんですけど、どんどんメロディアスなものもやろう、という話になって（笑）。いろいろと模索しましたね。ただ、簡潔に言えば、ラウドでヘヴィな音が基準にあれば、ほかはどういう風になってもいいかなと。それがこのアルバムで聴ける音に繋がっていると思います。

－Kさんはメンバー内でも1番若そうですが？

K：あっ、はい。そうですね（笑）。いままで2、3つぐらいしかバンドを組んだことがなかったので、最初はめちゃくちゃ緊張したんですけど。加入してみて、このメンバーと一緒に曲を作るのがすごく楽しくなりました。

－you+さんはどうですか？

you+：僕は良くも悪くも、自由にやらせてもらっているんですよ。やりながらいろいろ発見もあるし、楽しいですね。

－you+さんは、TAIJIさんの楽曲をほとんど弾けるそうですね。

you+：そうですね。もともとベースを始めたきっかけがTAIJIさんだったんですよ。だから、X、D.T.R、ほとんどやったんじゃないですかな。全部覚えているかどうかは別にして。僕、北海道の室蘭出身なんですけど、高校生の頃に勝手に“室蘭のTAIJI”と言っていたくらいなので（笑）。当時はYouTubeもなかったので、ビデオとかで勉強してましたね。