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INTERVIEW

THE 69 EYES

2012.10.14UPDATE

2012年10月号掲載

THE 69 EYES

Member:Jyrki69 (Vo)

Interviewer:櫻井 カオリ Translator:Yuga

-はじめまして、本誌初登場となります。まずは形式的な質問になってしまうのですが、バンドの紹介をお願いします。

俺たちはフィンランドのヘルシンキ出身。ロックンロールを23年演奏し続けているんだ。メンバーはヴォーカルのJyrki 69、リード・ギターのBazie、リズム・ギターのTimo-timo、ベースのArchzie、ドラムのJussiだよ。

-“ヘルシンキ・ヴァンパイア”と呼ばれていることから分かるように楽曲も歌詞もゴシックの世界観に満ちていますが、結成当時はグラム・パンクなバンドだったそうですね。どのようにしてバンドの世界観が変わっていったんでしょうか。

俺たちがバンドを始めたときはもっと下品なグラム・ロックをやっていたんだけど、テーマや題材はその頃から常に変わらずヴァンパイアやブゥードゥー教、ロックンロールにホットな女の子たちのことさ。サウンドはゆっくりとよりダークな方向性に変わって行ったけれど、それは僕のヴォーカルが低くなっていったから。そしてどんどんメロディックな音楽になったりして、ここ最近の10年で知られているようなサウンドを見つけるまで十数年かかったんだ。

-そういえば、今年6月にJussi (Dr) がイベントに出演するためにDJとして来日しましたよね。それについて彼は何か話していましたか?

すごく気に入っていたよ! 彼は日本が本当に“大・好・き”なんだ。それに、日本も彼のことを好きだと思うよ、ハハハ。

-新作制作まではどのような活動をしていましたか?

『X』のレコーディングを始めるまでずっとツアーをしていたよ。ある時、どのくらいショウをしたか数えたんだ。なんと1年半の間に、37カ国で125公演もやっていたよ!

-10作目となる新作『X』の完成おめでとうございます。アルバムの完成には満足していますか?

ありがとう。実は最初に完成したアルバムを聴いた時、俺は秘密で泣いていたんだ。この音楽はとても美しくて、それに20年間も5人でロックンロールを演奏し続けて来たという事実がとても心にしみたから。それは純粋に俺たちがTHE 69 EYESを信じていて、ロックが大好きだからという理由だけでさ。この作品は、俺たちが作り出した音楽の中で最高の1枚だよ。色あせない曲と素晴らしいコーラス。それに俺のヴォーカルは最高の状態だし、他のバンドの音もそうだ。他の誰にも、俺たちの真似はできない。

-アルバムのアートワークについてすでにオフィシャル・コメントでも語っている通り、呪術的な魔方陣に動物の骨でタイトルの『X』を描いたとてもミステリアスなものに仕上がっています。このアイディアはどのように決まったのですか?

これは動物の骨と石のサイケデリックなミラー・イメージだよ。アルバムを聴いている間、これを覗き込んで瞑想できるんだ。この象徴性と使っている色が大好きなんだ。アルバムに特別なムードを造り出してくれる。

-ところでタイトルがアラビア数字の『X』という表記ですが、単に“10作目”という理由だけで選んだわけではないですよね?

基本的には、10作品を作ったことを祝う方法のひとつになるかなとは思った。このアルバムの収録曲を意図的に10曲にしたのもそのためだよ。あとは、メッセージの最後につけるように、Xは“キス”の意味も持っているだろ。

-10枚目という節目の作品になるわけですから、これまでのアルバムとは違った思いが込められているのではないでしょうか。今作の制作にあたって、バンド全体で特別な目標を立てたりしましたか?

ライヴで全曲を演奏したいって思っているよ。

-楽曲を聴かせていただきました。ゴシック感の強いダークな楽曲と言う印象を持っているのですが、今までにないほどメロディックな楽曲ばかりで驚きました。作曲についてメンバーとどのような話をされたのですか?

ありがとう、君はとても正しいよ!前作の『Back in Blood』はハードロックな、ハリウッドでレコーディングとプロデュースが行われたアルバムだった。その時はアメリカのアグレッシヴな雰囲気を取り込むことが目的で、ドラムやギター・サウンドが中心だったんだ。でも『X』でフォーカスされているのは、メロディと俺のヴォーカルなんだ。もっとミュージカルで魂に溢れ、センチメンタルで温かい、実生活についてのアルバムなんだ。俺たちが書いたものの中で最高の素材ばかりつまっているよ!

-収録されているいくつかの曲についてテーマや世界観、気に入ってる点などについて解説をしていただけますか?

まず「Tonight」は、アルバムの中で1番暗くて冷たい曲。イメージするのは夜景の見える屋上で雨の中のキス。それから冷戦の墜落とJOY DIVISIONのTシャツ。Boy LondonとDr. Martens。日没後のRay-Banといったモチーフを思い起こすんだ。「If You Love Me The Morning After」は1番美しいコーラスが入っているよ。Zeffirelli(※イタリア人テレビ・映画プロデューサー)の『ロミオとジュリエット』にインスパイアされたんだ。あぁ、最高に美しい映画だよね、”Remember those times….”。そして「Borderline」は、THE 69 EYESが書いた1番美しい曲だよ。君だけのためにそこで歌った。永遠に君だけのものっていう思いさ……。