INTERVIEW
AXEWOUND
2012.09.11UPDATE
2012年09月号掲載
Member:Liam Cormier(Vo)
Interviewer:KAORU
-アルバム『Vultures』を聴かせていただきました。豪華なメンバーが集まっているだけに1曲1曲の完成度が高いのはもちろん、メタルとハードコアに機軸を置きながら、今までに聴いたことのない斬新さや実験性も感じました。メンバーそれぞれがやっているバンドのエッセンスはありつつも、AXEWOUNDでしか出来ない”独自性”の高いサウンドを構築していますよね。その辺についてはやはり強く意識していたところでしょうか。
確かにそうだね、ただのCANCER BATSやBFMVのサイド・プロジェクトではなく、本当にいろんな要素があって、みんなの良いところをフルに活用しているんだ。Jasonなんて本当に数多くのバンドでドラムを叩いてきて、ドラム・モンスターだってことが分かる。それに「Cold」という曲はMattが作った、BFMVらしい楽曲だったり、CANCER BATSらしいサウンドもあったり、それがすごく気に入っているところなんだ。
-AXEWOUNDの曲作りのプロセスはどんな感じですか?CANCER BATSのやり方と決定的に違うところはありますか?
全く違うんだ。まず第1に、Mattと2人でヴォーカルを考えたからね。5日間で作り終えた。アイディアがあると、すぐにスタジオでジャムして作って行く。何がうまく行くか話し合って、それを形にするのは楽しいし、CANCER BATSではすべて自分で作らないといけないから、こうしたチームワークもいいものだよ。楽だし。あまりシリアスにならないで、内容も、欲望に満ちた世界について書こうとか、話題を適当に考えて作ったりする。
-フリー・ダウンロードで最初に発表した「Post Apocaryptic Party」はアルバムの中でもオーセンティックなハードコアの要素がかなり強い曲ですが、中盤で予想の付かない静かな部分があったり、最後はひたすら激重のブレイクダウンで終わるという展開の仕方にびっくりさせられました。Liamの”This Is Final Countdown”というシャウトが中心になっていますが、このフレーズはすぐに頭に浮かんできましたか?
この曲は事前にMattが送ってきた楽曲ではなく、スタジオで一緒に作ったものだったんだけど、最後のブレイクダウンの所が世紀末的な、原子炉の爆発のように聴こえるって話して、あまりにもヘヴィだから笑ってたんだ。そのシャウトよりはブレイクダウンがこの曲の軸っていうか、土台になったんだ。
-「Vulture」では、AVENGED SEVENFOLDのSynyster Gates がゲストで参加していますが、彼らしいソロを披露してくれていますね。Synysterに対して、こんな感じのギターにして欲しいというリクエストはしていたのですか?
MattとSynysterは友達だから連絡したらすぐに引き受けてくれたらしいよ。Mattが俺に“Synystetrのソロを入れようと思っているんだ”って最初に言った時、俺は“あ、そうなんだ…えええええええっ!?”ってくらいピンと来なかったけど、あとで納得した。Synysterに楽曲を送って“ここからここまで好きなことをしていいよ”って伝えたらしい。彼がそれを聴いて、自分なりの解釈でソロを考えて入れてくれたんだけど、すごくセンスがいいし、かっこいいソロだと思うよ。
-それではいつかはSynysterもライヴでゲスト出演することもあるのでしょうか?
ハハハ(笑)。フェスで一緒に出るようなことがあったら、可能かもしれないけど、今の所はMikeがライヴですごくカッコ良く弾いているからね(笑)。
-ピアノから始まってシンフォニックなメタルの曲もあったりと全体的に実験性に富んでいますが、Liamが歌を付けるのに特に苦労した曲はありますか?
あまり考える時間がなかったから苦労したって感じではなかった(笑)。Mattがいて、励ましてくれたから歌を付けるのもリラックスしてたし、本当にいい経験をさせてもらったよ。
-練りに練られている曲に対して、1曲1曲のタイトルは全てシンプルですよね。シンプルながらに想像力を掻き立てられる言葉を選んでいるという印象なのですが、その辺についてはいかがでしょうか?
俺はシンプルで簡単なタイトルが好きだよ、コーラスで出て来るようなものがね。その方が聴いている人がすぐに理解してくれると思う。この曲のタイトルは「Blood,Money and Live」でコーラスも「blood, money and live」…(笑)。シンプルがいいと思うよ、それと比べてCANCER BATSの曲のタイトルって、曲と全く関連性がないものが多かったりするから、混乱する人が多いみたいなんだ。
-AXEWOUNDはまだアルバムをリリースする前にもかかわらず、DOWNLOAD FESTIVALやROCK am RINGなど、大きな会場でのライヴも行っていますね。オーディエンスの反応はいかがでしたか?
最初の方のライヴは確かにみんなどんな反応をしていいか分からなかったみたいなんだ。まだネットで曲も1曲しかアップされてなかったし。でもサウンド・エンジニアが気づいたらしいんだけど、俺たちが演奏している時に観客が1人1人気づいていって、友達にメールして、“BFMVのMattとCANCER BATSのLiamがやってるバンドだ!”って情報が伝わっていったみたいで、どんどんオーディエンスが増えて行ったんだ。