FEATURE
AXEWOUND
2012.08.13UPDATE
2012年08月号掲載
Writer KAORU
AXEWOUNDの全容については、リード・シングル「Post Apocalyptic Party」を引っ提げて、2012年5月1日にBBC RADIO 1 ROCK SHOWにて公式に明らかになった。まずは、AXEWOUNDのメンバーをご紹介しよう。
若者から圧倒的な支持を得るUKメタルの星、エクストリーム・メタル・バンド、BULLET FOR MY VALENTINEのMatt Tuck(Gt / Vo)、激ロック・マガジンにも何度も登場している、カナダのハードコア、ポスト・ハードコア・バンドCANCER BATSのLiam Cormier(Vo)、BFMV同様、UK出身のポスト・ハードコア、スクリーモ・メタル・バンドGLAMOUR OF THE KILLのMike Kingswood(Gt)、IRON MAIDENのBruce Dickinsonの息子、 AustinDickinson率いるオーセンティック・メタルコア・バンド、 RISE TO REMAINのJoe Copcutt(Ba)、そして伝説のインダストリアル・バンドPITCHSHIFTERに在籍していたJason Bowld(Dr)の5人である。
この、サイド・プロジェクトと言うにはあまりに豪華な顔ぶれにびっくりしたファンも多いのではないだろうか。更に、新世代メタル・バンドの代表格AVENGED SEVENFOLDのSynyster Gates(Gt)もアルバムに1曲参加すると発表されたのだ!
彼らは既に今年の6月8日に行われたDOWNLOAD FESTIVAL 2012においてライヴを披露しており、いよいよアルバム『Vultures』がリリースされる段階に来ている。そのアルバム内容について恐らく国内初となるロング・レビューをさせていただこう。
アルバム『Vulture』のオープニングを飾るのは、リード・トラック「Post Apocalyptic Party」である。スラッシュ・メタルを機軸としながらも、LiamのハードコアなスクリームとMattの歌が絶妙に絡み合い、曲のアグレッションを何倍も増幅させている。Track.2の「Cold」では、Mattのメロディアスな歌から始まるが、
サウンドにはメタルコアのエッセンスが散りばめられ、今までに聴いたことのないモダンなエクストリーム・サウンドに仕上がっている。その後もザクザクとした重いリフに“This is final Countdown!”というLiamのシャウトが巧妙なフックになっており、ラストには激重なブレイクダウンが入っている。そしてSynyster Gatesが参加しているTrack.3の「Vultures」は、スラッシュ・メタルを機軸としたメタルコア・サウンドが全開となっており、そこにSynyster独自のギター・ソロが入るという斬新なトラックである。JoeとJasonによるリズム隊の息がぴったり合っていて非常に気持ちいい。長いドラム、ベースからギターが重なってきて、3拍子のリズムとブレイクダウンをこれでもか!と畳み掛けてくる曲や、ピアノから始まり、シンフォニックでメロディアスなメタル・サウンドを堪能させくれる曲など、この5人の豪華な顔ぶれでしか出来得ない実験的で斬新なサウンドが目白押しとなっている。彼らのルーツとするオーセンティックなメタル、ハードコアを、より現代に鳴らされるべきサウンドへと昇華する独自性の高いサウンドは、今後大きな話題を呼ぶだろう。
来月の激ロック・マガジンではMattのインタビューを掲載予定である。なぜAXEWOUNDを始動させたのか、またアルバム『Vultures』の本質に迫っていければと思うのでぜひ期待して待っていただければと思う。
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