INTERVIEW
GRAND MAGUS
2012.07.17UPDATE
2012年07月号掲載
Member:JB (Gt&Vo)
Interviewer:櫻井 カオリ Translator : Yuga
-激ロック初登場となります。まずはバンド結成経緯を含めた、簡単な自己紹介をお願いいたします。
99年に俺とベースのFox、当時のドラマー、Fredrikと一緒にこのバンドを始めたんだ。それから06年には新しいドラマーのSebastianが加入して、11年にはLudwig Wittが加入している。作品で言えば、俺たちはこれまでに6枚のアルバムをリリースしているよ。
-今作『The Hunt』はすでに欧米で発表されていますが、周囲からの反応はいかがですか?
今のところとても良いかな。ファンはすごく気に入ってくれているよ。
-ところで、リリース前に公式HP上でドラマーの脱退を発表されましたよね。脱退理由はプライヴェートなことだそうですので深くお聞きするのは控えますが、そのタイミングで彼がバンドを去ることに不安は感じませんでしたか?
もちろん感じたさ。でも、彼のその意思を変えるために俺たちができることは何もなかったんだ。彼は家族や子供ともっと一緒に時間を過ごしたいと思っていた。それは誰かが説得して辞めさせられることじゃないだろ?
-もちろんです。そして新ドラマーとして迎えたのは、あなたも在籍していたSPIRITUAL BEGGARSのドラマーで、旧知の仲と言っても良いLudwig Wittです。彼の加入までの経緯を教えてもらえますか?どのような話をされたんでしょうか。
俺とLudwigは何年も連絡を取り合っていてね。それで“もし前任のSebastianが脱退するようなことがあれば、彼が最初の選択肢になるな”と考えていたんだ。実はかなり早い時期からその話をしていたけれど、彼はSHININGとのコミットメントがあったからね。でもまぁ、結局は物事が上手い具合に収まったのさ!
-Ludwigと言うとSPIRITUAL BEGGARSはもちろんFIREBIRDといったハード・ロック・バンドのドラマーという印象も強いのですが、彼はすぐにバンドになじみましたか?
とても早くね!彼は俺たちの音楽を昔から聴いていたから、俺たちの曲はだいたい知っていたんだ。彼はSHININGというブラック・メタル・バンドで長いことプレイしていて、ダブル・キック・ドラムを使っていた。さらに彼はオールドスクールなロック・ドラマーでメタルのスキルも持っているという素晴らしい存在だ!それに、Ludwigは他のメンバーと同じくMANOWARやJUDAS PRIEST等のメタルが大好きなんだ。
-時間軸がとても微妙だとは思うのですが、『The Hunt』の制作には前任と現在のドラマーがそれぞれ関わっているんでしょうか?
まず、Ludwigはアルバムで全ての曲を演奏している。でもSebastianはそのうち3曲を共同制作して、デモで演奏したんだ。それは限定バージョンのボーナス・トラックとして収録されているよ。
-なるほど、そういう流れだったんですね。ではアルバムについての話を聞かせてください。今作で迎えたプロデューサーは70年代のオーセンティックなヘヴィ・メタルにかなり精通した方ですよね。アルバム制作もスムーズだったのではないですか?
前のアルバムでもNico Elgstrandと一緒にやっていたんだ。彼はそこまで70年代にこだわっていたとは言えないけど、俺たちは今作においてとても自然な音を作り出したかった。だから、トリガーを使ったドラムやサウンドのリプレースメントは一切行ってない。その甲斐あってか、限られた時間の中で曲の制作は驚く程上手く行ったよ。
-作品ごとに北欧的な要素や伝説、伝承と言ったテーマを毎回織り交ぜているという話を誌面で拝見したことがあります。今作には、どのようなコンセプトがあるんでしょうか?
これまでよりも更に強い北欧伝承の基礎を持っているよ。このアルバムの全体的なテーマは、“人類と自然の関係性”だ。特に、オオカミと人類の関係さ。
-それからアルバムのアートワークは今までのものと比べて、かなり印象が違うなと感じました。中央に描かれた武装した怪しげな人物は、バンドの象徴でもある狼を擬人化しているのではないかというか……。“孤高の1匹狼”を表現されているのかなと思ったのですが、実際のところはどういったメッセージが込められているのでしょうか?
とても良い観察力だね!ただそうしたエピソードを話すことは悪くはないが、俺が何かを提案するのではなくてファンが自分自身のために作品のヒントを発見してもらいたいんだ。君が今まさにやったようにね。そうすることで俺が全て語るよりも、ファンに強い印象を残すことができるからさ。
-では収録曲についていくつか教えてください。「Sword Of The Ocean」はとてもメロディックでキャッチーな楽曲ですよね。聴いていると絶好調なJUDAS PRISTを思い起こさせました。特に途中のギターソロは魅力的です。
ありがとう!もちろんJUDAS PRIESTからは大きな影響を受けているよ。俺は基本的に、メロディックなものが好きなんだ。あんまり甘ったるくない限りでね。つまり、俺の言いたいこと……分かるだろ?