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INTERVIEW

UNITED

2012.05.17UPDATE

2012年04月号掲載

UNITED

Member:KEN-SHIN (Vo) 大谷 慎吾 (Gt) 横山 明裕 (Ba)

Interviewer:ムラオカ

-ベスト・アルバムとしてはBURRN!の前田さんがセレクトした『Best Rare Tracks From Underground』以来ですね。メンバー自身でベスト・アルバムの曲をセレクトするのは初めての経験だったわけですが全9枚から選ぶのは大変だったのではないでしょうか?

横山:ベスト・アルバムの方向性として2つあると思うんですよ。まず、マニアックな曲を入れてそういうファンの人たちに喜んでもらうものと、ライヴのカタログとしてのアルバムの2つの考え方があると思うんですね。マニアックな曲も入れた方がいいかなと悩みながら選曲を考えていたら結局30曲以上になっちゃって、2枚組みで出そうかと言う話もしたんですが、さすがにそれは無理だろうということになって、現時点でライヴでレパートリーになってる曲、プラス全部のアルバムを網羅しているというところがポイントになりました。あとは今のメンバーでやったらどうだろうという曲を少し入れましたね。

大谷:CD1枚に入るギリギリの長さです。

-最後に決めた曲はこの曲だと入らないからもっと短い曲を入れようとかそういうことはなかったのでしょうか(笑)?

横山:いや、なかったですね(笑)。

-19曲合計するとCDの限界値(80分)ギリギリの79分以上あるんですよね。

横山:実は昔の曲を全部並べて計算してみたんですよ。この曲は今は速くやってるからテンポ上げれば短くなるだろみたいな感じはあったかな(笑)。

-セレクトした基準を教えてもらえますでしょうか?

横山:最初に俺がセレクトして他のメンバーに意見を聞いて決めていった感じですね。メンバーそれぞれの好き嫌いもあるけど、UNITEDの昔のアルバムを持ってない人がこのベスト・アルバムを1枚買って、どういうことをやってきたバンドなのかってことがすぐに分かるようなもの、最終的にはこのアルバムを持っていることでUNITEDのライヴを楽しむことができるものにしたいと考えてセレクトしましたね。

-曲順はシャッフルなどせず1stから歴史順に並べていますね。

横山:最初は色々考えたんですけど、なにかしらの色気を出すよりも、カタログ的にやった方が非常に分かりやすいかなって思ってそうしました。面白いことに年代ごとに並べるとどんどんエクストリームになっていくんですよね。

-全てのアルバムから曲をセレクトされていますが、アルバムによって4曲収録であったり、1曲収録であったりしますが、思い入れの部分があったりしたのでしょうか?

大谷:1stの時代からの曲が多いのは、昔から長いことライヴでやっている曲が多いからかな。どうしてもライヴでやらなくなる曲も出てきちゃうので、入れたいなって思ってもそれを全部入れるっていうのは無理ですし。

横山:例えば『Nine』の曲とかはすでに今風の音で作られてるから、それをここで録り直す必要性をあまり感じられなかったんですよね。『Nine』は今でも買えるので、それを買ってもらった方がいいかなって。それだったら廃盤になってしまってる昔の曲を今風に録り直すことへのこだわりの方が大きかったですね。ベスト・アルバムって2通りの作り方があると思うんですね。例えばTESTAMENTやDESTRUCTIONのリ・レコーディングのベスト・アルバムってちゃんと作り込まれていて今の音に仕上がってるんですよね。もう1つ、ANTHRAXみたいにラフでライヴ感を出している作品にするかどっちにしようかって話になったんだけど、ちゃんと作り込まれたものにしようという話になったんです。

大谷:自分が EXODUSのリ・レコーディング・アルバムを買ったときに、音は良いんだけどキーが全部下がってて、当時のキーじゃないなって思ったんだけど、TESTAMENTを聴いたときは今の音で作り込まれてて、カッコいいなって思ったんですよね。UNITEDはメンバーも変わってるのでリ・レコーディング・アルバムを出したいなとは前任のヴォーカルの時から話をしてたんですけどなかなか実現しなかったんですね。 本当は30周年のタイミングでたたみ掛けてリリースすることになっていたんですけど、1年があっという間で……(笑)。

横山:歳を取ると時間が経つのが早いんで(笑)。

大谷:年は越しちゃったけど、このタイミングでこのアルバムを出せたのは良かったですね。

-ジャケットですが、初期の作品である『BEST DOMINATE』を髣髴とさせるものですね。

横山:これは『BEST DOMINATE』と同じ人が描いてます。原正樹っていうんですが、実はUNITEDの昔のギタリストでバンドの創始者なんですよ。今彼は渋谷でプラン9というデザイン事務所の代表をやっていて、実は『Nine』も彼が手掛けてます。最初デザインを依頼したらすごくドロドロしたものが上がって来たんですけど、そうじゃなくて『BEST DOMINATE』を髣髴させる、CRUMBSUCKERSやAGNOSTIC FRONTなど、昔のニューヨークのクロスオーバー系のバンドが良く使っていたようなデザインでお願いって伝えたらこのデザインが上がってきましたね。分かるヤツには分かるニヤッとするようなデザインですね。

大谷:このアルバムを作るという話になった時に、アートワークはまーちゃんに絶対お願いしようねって話になっていたんです。

横山:ただそれも簡単に口頭では伝えていたんだけど、ちゃんと依頼するのを忘れていて直前になって締め切りを伝えたんだけど、快く引き受けてくれましたね(笑)。