INTERVIEW
MNEMIC
2012.05.10UPDATE
2012年05月号掲載
Member:Mircea Gabriel Eftemie (Gt&Key)
Interviewer:ムラオカ Translator:Yuga
-まず始めにメンバーが3人も入れ替わるという大きなメンバー・チェンジがありましたが、Thomas 'Obeast' Koefod(Ba)、Rune Stigart(Gt)、Brian "Brylle" Rasmussen(Dr)の辞めた経緯を詳しく教えていただけますか?
もちろん喜んで教えるよ。それぞれのメンバーにはそれぞれきちんとした理由あったんだ。どのメンバーもそれぞれ異なる時に脱退したり脱退させられたりしたよ。まず最初はTomasから始まった。バンドよりも大切なものができて、ヘルプを使うことがとても多くなったんだ。俺たちはバンド活動のみで食っていけたことは今まで一度もなかったのは明らかだし、だから経済的な理由で他のことをしなければいけないことも多かった。その件については、MNEMICというバンドが続く限り、同じ想いを持つメンバーとライヴをやり続ける機会がある限りこれは問題ではないと同意していたんだ。Tomas以外の全員がね。彼はある時、こんなにヘルプばかり使っているのは限界だと言い出したんだ。もうひとつの問題は、俺たちに月給を払ってくれるマネジメントがいないことが彼には理解できなかったんだ。俺にとってそれは実現しないユートピアで、このご時世で随分非現実的な要求だと思ったんだ。そして彼はバンドを辞める決断をした。彼に辞めないでくれと懇願したけど、興味がなかったみたいだ。2人目のメンバーはBrian。俺は昔住んでいたAalborgという街に去年の夏に行ったんだ。彼とギターのRuneに会って新しいアルバムのコンセプトについて話し合おうと思ってね。Brianは新しい曲のためのリハーサルに行きたがらなかった。そして新作はドラムマシンだけでできないか聞いてきたんだ。彼は単に新しい作品に取り組むことに興味がなかったんだ。ただバンドと好きなライヴに出たいだけだった。熱意がもうなかったんだ。だから俺たちは優しく、もう辞めたらいいんじゃないかと勧めたんだよ。その時俺はちょうどオールボーから電車で4、5時間のコペンハーゲンに引っ越したばかりで、俺の愛した女性と別れて酷い精神状態だったんだ。彼女も精神的に病んでいて、それも俺にとても影響を与えていたんだ。ちょうど新しいドラマーのBrian Larsenが加入して、俺は彼とジャムを始めたんだ。Runeがコペンハーゲンに来て一緒にいて欲しいと強く思っていたんだけど、それは不可能だった。そして俺はとても自分勝手なことに、そのときの心境からか、彼にいなくなるよう言ったんだ。その後、彼に戻ってくるよう頼んだけれど、断られてしまった。もちろんその決断は尊重する。それが起こった出来事全ての経緯の詳細だよ。
-また新メンバーであるSimone Bertozzi(Ba)、Victor Ray Salomonsen(Gt)、Brian Larsen(Dr)の3人が正式に加入することになった経緯を教えてください。
VictorとBrianは一緒にバンドをやっていたんだ。Victorは俺たちのヘルプをしてくれたこともあったし。だから彼はいつでもウェルカムだったんだよ。そして彼はBrianを連れて来たんだ。Victorは音楽一家の出なんだ。彼のママは全国でよく知られていて有名で、彼のパパも同じだよ。彼はまだ23歳で僕たちのバンドのファンだったからパーフェクトだったんだ。Brian LarsenとVictorはVIRAというバンドから来たんだ。とてもテクニカルで、MNEMICのファンだよ。新メンバーになるにはとても適していたんだ。そしてSimone Bertozziというイタリア人ベース・プレイヤーだが、俺たちは2011年4月に言ったツアーで彼らがサポートしてくれて友達になり、そこから歴史が始まった。他に誰も思いつかなかったんだ。彼はすごいイイやつで、俺たちと同じビジョンを持っていて、バンドにとって完璧に適任だったんだよ。彼らはバンドにたくさんのエネルギーを注いで貢献してくれているし、それも聞けば分かるはずだよ。
-3人も脱退するということで解散を考えることはなかったのでしょうか?
いや、なかったね。メンバー・チェンジというのは、急に起こるものではないからね。もちろん辛い出来事ではあったし、自分だけでなく関わった全ての人が同じ気持ちだったと思うよ。その期間、俺のその時の心情を踏まえた上で、俺の持っていたものはバンドだけだったんだ。意地でも続けて音楽を作り続けなければいけなかった。だってその出来事は俺の苦しみや痛みへ通じるバルブだったし、俺自身のシステムから抜け出さなければいけなかったんだ。
-新メンバー3人の過去の実績などありましたら教えてください。
VictorとBrianはテック・メタル・バンドのVIRAで演奏していたよ。Victorは俺たちのバンドで代役を務めたことが何回かあってね、たぶん彼はそこにルーツがあると思う。彼はBrianが加入した理由でもあると思うよ。Simoneについては、去年の4月にイタリアで小さなツアーをした時に彼のバンドのEMPYRIOUSが全日程でサポートしてくれたんだ。そこで友達になって、メンバー・チェンジの時に彼以外は考えられなかったんだ。
-さて話は変わりますが『Mnemesis』完成おめでとうございます。この作品の制作はメンバー・チェンジ後から始めたのでしょうか? いつ頃から制作を始めたのか教えてください。
ありがとう。新しいアルバムを出せることはすごく素晴らしい気分だよ。レーベルのおかげでね。VictorとBrianが加入して、9月頃に制作を始めたよ。 スタジオに入る前に4、5ヶ月は曲を書いていたんだ。
-Mirceaが"新しいバンドだ"という発言をしたようですが、今までのMNEMICを好きだったファンは少し不安に思うのではないでしょうか?
昔のファンはいつも不安がっているよ、特にシンガーが変わる時はね。人は新しいことや変化をいつも怖がるんだ。 誰も責めるつもりはないよ。このバンドのコアはいつも古いメンバーにあるからね。Michaelとかさ。でも時代も環境も変わって、人々もそれに合わせて変化するんだ。みんなそれらに適応する必要があるんだよ。だから外見が一緒でも、この船には新しいエンジンを搭載と言えるかな。ファンのみんなが......うーん、ファンなんてものが今の時代存在すればの話だけど、いや、ここでは俺たちの音楽が好きな男の子や女の子と呼ぼう。彼らが、俺たちの新しい作品を理解し古い作品と同じくらい好きになってくれるといいなと願っているよ。AC/DCくらいシンプルなものを演奏しない限り、すべての人を満足させるなんて不可能なんだ。
-また"『Mnemesis』は俺たちMNEMICが送る巨大な音の注射みたいなものだよ!"ということも述べていますが、これは『Mnemesis』がリスナーへの薬のような役割を果たすものになるということでしょうか?
もしかしたら酔っぱらってたのかもしれないけど、そんなこと言ったっけ?音楽は人の中のある感情を呼び起こすもので、そうであるべきなんだ。ラジオから聴こえてくる音楽と同じようにね。