INTERVIEW
MNEMIC
2012.05.10UPDATE
2012年05月号掲載
Member:Mircea Gabriel Eftemie (Gt&Key)
Interviewer:ムラオカ Translator:Yuga
-『Mnemesis』というアルバム・タイトルは"Nemesis"の頭に"M"を付けた造語ですよね?このタイトルにはどういった意味があるのでしょうか?
これは言葉遊びかな。まず俺たちの誰も発音できないバンド名と関係していて、似たようなものを付けたら面白いかなと思ったんだ。もちろん深くに隠された意味もあるよ。"Mnemesis"は新しいメシアという意味で、世界を破壊する未来のメシアだ。俺たちがすでに経験していることだよ。すなわちそれは俺たちの日常を常に変え続けている万悪の根源のテクノロジーだと受け取れるんだ。Facebook、メール、俺たちをストレスに導く数々のコミュニケーション・ツールだね。依存して心臓発作で死ぬのも時間の問題だよ。
-前作までのアグレッションをすべて失った訳ではありませんが、アグレッシッヴなアプローチは残しながらもスペーシーだったりプログレッシヴだったりと今までとは異なる新生MNEMICサウンドが聴けますね?ここは意識した点でしょうか?
このバンドを表現する要素を組み合わせようとしたんだ。でも個人的にはよりナチュラルに書いたものだよ、心に従って俺たちの作品は作られるからね。こういう音にしなきゃとか、意識的にすることではないんだ。俺の中では当たり前のことなんだけど、フィーリングだよ。
-また今作でチャレンジしたことがありましたらすべて教えてください。
チャレンジといったら、もちろん新しいメンバーとの制作だよ。個人的な意見では 、失礼に聞こえたら嫌なんだけど、VictorとBrianは良い曲の書き方を知らないバンドから来たってことは明らかだった。楽器の演奏の仕方は重々知っていたけれどね。でも分析技術という面では、彼らがそこまで完成されているとは思わなかった。だから曲を書いている段階での、テクニカルな曲を書いて良いメロディと合わせ、それでいてやり過ぎないよう自制するというプロセスはとても良いピンポンだったと思う。今日では新しい発明をするのはとても難しいからね。バンドを始めた頃に自分たちが大好きなことをやっていて、その方法は今でも変わらないかな。
-今までのヘヴィなイメージとは大きく異なった幾何学的なジャケット・デザインですね。これは音楽性の変化に合わせたと考えて宜しいでしょうか?
いや、全然。ただ単にカッコいいアートワークが欲しかっただけだよ。 前回はいろいろ大変でジャケットがないまま終わりかけたんだ。マスター版をレーベルに渡さなきゃいけない期日の前日にレイアウトを考えなければいけなくてね。今回は、アーティストにやってもらいたくて。周りからのいろんな意見を聞きながらまとめたりすることはしたくなかったんだ。頑固にいきたかったんだよね。SimoneがMORBID ANGELやBLACK DAHLIA MURDERなどを手がけたフランス人のアーティストを提案してきて。彼の作品を見て、シンプルなところがすごく気に入ったんだ。だからコイツでいこうって思ったんだよ。
-話は変わりますがMNEMICというバンド名の由来を教えてください。
これはギリシャ神話からとったよ。意味は思い出やそれに関するすべてのことかな。俺たちの最初のシンガーが2000年代のはじめ4ピース・バンドだった時に思いついたんだ。
-同じ北欧のスウェーデンやノルウェーはメタル・ミュージックが盛んな国として知られていますが、デンマークはRAUNCHYやHATESPHEREなど一部有名なバンドもいますが、あまりメタル・バンドが多くないイメージがありますが実際のところいかがでしょうか?
その意見には激しく同意するよ。その理由は経済的、人口的、地理的理由など多岐に渡ると思う。例えば俺たちはスウェーデンなどと違って文化的サポートをもらうことができないから、音楽活動によりたくさんコストがかかるんだ。それにここはノルウェーよりも寒くないしお酒も安いから、ノルウェー人のようにブラック・メタルを始めたり火をつけたりするほど不機嫌になることもない。スウェーデンはアルコールについて厳しい政策があり、それによって多分彼らはよりたくさんの脳細胞が残っていて、すなわちより創造的な力があるということもあると思う。もちろん酔っぱらっている時にクリエイティヴになることは全然可能だけどね。結局のところ、デンマークにも比較的バンドはいる方なんだ。だけど国の外で成功するのは今の時代どんどん難しくなって来ていると思う。テクノロジーのせいで俺たちの人生はすごく変わった。この業界も変わってしまったんだ。有り余る程の情報が日々蔓延しているんだ。そのせいでバンドにとって注目を浴びたり有名になることが、飽和状態の音楽業界のマーケットではとても困難なんだよ。
-またおススメのデンマークのバンドを教えてください。
もちろんだよ、俺の新しいバンドとか!ハハ、まだ名前はないけれどね。でも色々なデンマークのバンドのメンバーから構成されているんだ、VOLBEAT、ILLDISPOSED、RAUNCHYとHATESPHEREとかね。自分勝手にならないように他の素晴らしいバンドも紹介するよ。DIAMOND DRIVE、THE KANDIDATE、RISING、HELLHORSEとか他にもたくさん良いバンドがいるよ。
-ありがとうございました。最後に日本のメタル・ファンにメッセージをお願いします。
インタビューをありがとう。とても感謝しているよ!このアルバムを通じて日本に戻ることができるといいなと思っているんだ。前回行ったときは2005年で、それからずっと行ってない。日本はマジカルな土地で、世界中の人は一度は行って体験しなきゃいけない場所だよ。素晴らしい食べ物と人々......出来る限り早く行けるようにしたいね!