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INTERVIEW

MELEE

2010.08.09UPDATE

2010年08月号掲載

MELEE

Member:Chris Cron(Vo&P) Ricky Sans(Gt) Ryan Malloy(Ba) Derek Lee(Dr)

Interviewer:ムラオカ

-QUEENの「Teo Toriatte」をカバーしていますがこの曲を選んだ理由を教えてください。
曲中には日本語詩が出てきますが、歌詞の意味はご存知ですか?

C: 歌詞はちゃんと調べたんだけど、日本語の歌詞は、英語の歌詞と同じ意味だったね。前からQUEENは大好きだったし、Freddie Mercuryのダイアンだった。「Queen Live In Montreal」のDVDを持っているんだけど、毎回見ると・・・元気になると同時に、とても悲しくなるんだ。彼のような偉大なシンガーがいなくなったことが悲しいよね。彼は本当に光り輝いている人だった。QUEENのカバーを前からやってみたかったんだけど、QUEENが大好きだということと、日本が大好きだということを表現できるこの曲を選んだのはぴったりだった。

-この曲は世界で最初にQUEENを認めた日本のファンに捧げられた曲だということをご存知でしたか?

C: そうだね、日本のファンに捧げられた曲だということは知ってたよ。

-またTrack.10「What Good Is Love?」にもQUEENの影響を感じましたが、今作を作る上でQUEENというバンドはなにかしらのキーワードだったのでしょうか?

C: QUEENは昔から影響されてるよ。僕はとにかく、大胆なシンガーが好きなんだ。声のレンジが広くて、大きな声で歌うことを恐れずに、時には歌いすぎるシンガーが好きなんだ。Freddie Mercuryは歌いすぎていたわけじゃないけどね(笑)。僕らは前から大胆な曲をやっているから、「What Good Is Love?」は、自然だよ。この曲は、南西部風のラブストーリーなんだ。曲の歌詞は、実は身近にあったものを、遠くに行って探そうとして、見つからない心情を歌っているんだ。だから、大胆で壮大な表現が必要だった。そういう意味では、QUEENの影響は入ってるかもね。リズムの面では、George Gershwin(※アメリカの作曲家。ポピュラー音楽・クラシック音楽の両面で活躍し、"アメリカ音楽"を作り上げた作曲家として知られる。)の影響も入ってる。シンセをオーケストラのようにたくさん重ねたのもポイントだね。

-このアルバムの中でもっとも拘った点を教えてください。

R: 一番意識したのは、クリエイティブな面と、ソングライティングの面で、とにかく進歩することだった。前作よりも、実験精神を取り入れたね。だから、いくつかのガイドラインと規則を決めたんだ。

C: 今回は、アコースティック・ギターを使わないことにした。

R: そう、前作はアコースティック・ギターを多用したからね。

C: 今回は多少はアコースティック・ギターを使っているけど、音を加工しているんだ。

R: 僕らは、とにかく高いレベルのソングライティングを実現させたかった。このアルバムは、クリエイティビティが大事だった。"この音はやりすぎかな?"ということは心配しなかった。クレイジーはアイデアは何でも取り入れたよ。クリエイティビティを意識したことで、無意識になった・・・。

C: 無意識になったらマズイだろ(笑)。制作中にずっと寝てたみたいじゃん(笑)。

RM: 睡眠中はヘンな夢を見るようにした。

R: 無意識じゃなくて・・・。

C: 潜在意識のこと?

R: そう、潜在意識の中で、意識していたんだ。インタビューで流ちょうに話す方法を教えてくれるiPhoneのアプリってないかな(笑)?

-プロデューサーにJosh Abrahamを起用した理由を教えてください。

C: 25曲くらい作ったところで、僕とリックは他のソングライターと共同作業してみたくなったんだ。Josh Abrahamは、僕らが一緒に仕事してみたい人のリストに入っていたから、彼らといくつか曲を書いてみたんだ。彼らはトラックを作ってあって、そこにアイデアを足していった。彼らは、パンチの効いたエレクトロニックな要素を取り入れてくれた。当時は、まだそういう要素をどうやって取り入れればいいか分からなかったんだけど、一緒に作業することで、新しい方向性を掴むことができたんだ。僕らのメロディのセンスとエレクトロニクスをブレンドさせる方法を見せてくれた。それは前からやりたかったんだけど、まだ自分たちでどうやって実現させればいいか分からなかった。彼らと仕事をすることで、そのやり方を掴むことができた。ソングライティングを彼らと一緒にやったから、彼らがその曲をプロデュースするべきだと思ったんだ。

-Chris Cronは歌いながらピアノを弾きますが、同じようなスタイルですとSOMETHING CORPORATE、Jack's MannequinのAndrewがいますが、同じようなスタイルのバンドでシンパシーを感じるアーティストはいますか?

C: ガムを噛みながら話すこともできるよ。

R: 携帯でメールを書きながら、歩くこともできるよね。

C: 僕はある時期、Billy Joel、Elton John、Joe Jackson、ピアノ奏者兼シンガーばかり聴いていた。ピアノが僕のメインの楽器なんだ。でも新作では、あまりそれを全面に出さなかった。エレクトロニクスを取り入れることにもっと集中したんだ。でもエレクトロニクスを使ってオーケストレーションを実現させるために、ピアノの知識を利用したんだ。
Jack's Mannequinは好きだし、SOMETHING CORPORATE好きだし、Andrew McMahonとは地元が一緒なんだ。でも、今特に気に入っているピアノ奏者兼シンガーはいないよ。Ben Folds好きだよ。でも、そういうところは新作では焦点を当てなかった。

-MELEEというバンド名は"混乱"、"乱闘"などといったどちらかというと荒々しい意味を持っている単語ですが、あなたがたの音楽性のイメージとはかけ離れている気がします。このバンド名に決めた理由を教えてください。

C: なるべく矛盾のあるバンドになりたかったんだ。

R: だからMELEEという名前を選んだんだ。

RM: 僕らはビデオ・ゲームが好きで、"Melee Combat"というゲームが一番好きなんだ。

C: "melee"という言葉は、僕らが曲作りをするときの関係性を反映しているんだ。

RM: いつも喧嘩してるから(笑)。

C: いや、喧嘩してるわけじゃないけど、一緒に作業してるときに、真っ直ぐに進まないことが多いんだ。それぞれがたくさんのアイデアや方向性を持っているから、音楽を作るときに、混乱状態になることがある。そこから無駄を削ぎ落としていって、曲を作るんだ。

R: その通りだね。他のソングライターやプロデューサーと仕事をするときは、僕らの"melee"(混乱状態)をコントロールしてもらう必要があった(笑)。

C: 僕らは攻撃的じゃないし、人の歯を蹴るような人達じゃなくて、僕ら自身が混乱してるんだ(笑)。

-最後に日本のファンにメッセージをお願いいたします。

R: 日本のみなさん、元気?僕らはMELEEだよ。ちょううど有田さんと遊んでたところだよ(笑)。新作を出すのがとても楽しみだし、日本のみんながまだ僕らのファンでいてくれることが、すごく嬉しいよ。

C: 8月に会おう!