INTERVIEW
SWITCHFOOT
2010.03.11UPDATE
2010年03月号掲載
Member:Jon Foreman(Vo&Gt) Tim Foreman(Ba)
Interviewer:MAY-E
-昨日はアコースティックライヴを行われておりましたね。いかがでしたか?
Jon Foreman(以下J):とても楽しかったよ。バンドの初期は、この3人(Jon Foreman、Tim Foreman、Chad Butler)で活動していたから、当時を思い出したよ。当時は友達の家で演奏することも多かったから、警察がやってきては“うるさい!”って注意されていたんだけど、昨日は警察が来ることもなくて良かったな(笑)
-(笑)本国でもアコースティック・ライヴを行うことはよくあるのですか?
Tim Foreman(以下T):いや、ほとんどないんだ。だから余計に昨日は楽しかったよ。もっとこういう機会があったら嬉しいなぁ。曲をシンプルな形で演奏することはとても楽しいし、良質な曲っていうのは大音量で楽器を鳴らさなくてもリスナーに伝わるものだしね。
-ニュー・アルバム『Hello Hurricane』のリリースおめでとうございます。全米アルバム・チャートの初登場13位にランクインしたそうですね。
J:どうもありがとう。12位には少し劣るけど、14位よりは良かったかな(笑)
T:これだけ多くの人々に聴いてもらうことが出来るなんて、とても光栄なことだよね。僕らも良いアルバムを作るために努力したし、このアルバムはとてもパーソナルな内容でもあるし。だから皆に聴いてもらえて本当に嬉しいよ。
-通算7作目となる今作『Hello Hurricane』は、アトランティックへの移籍第一弾でもありますが、それに伴う環境の変化などありましたか?
J:うん、あったよ。過去とは全く違う。言わば過去を切り捨てて、僕らは新しいスタートを切ったんだ。自分たちのスタジオを建てて、そこで80曲もの曲を書き上げて、その全てをレコーディングした。そのプロセスだけでもこれまでとは全く違うものだよ。そして、アルバムを完成させた後にアトランティックと手を組むことにしたのさ。
-過去を切り捨てて、というお話が出ましたが、『Hello Hurricane』はオーガニックなサウンドでありながら、「Mess of Me」「Sound」などFOO FIGHTERSを彷彿とさせるハードなテイストも加わっていますね。この辺りに、あなた方の新たな気持ちが表れているんでしょうか?
J:そうだね。さっきも言った通りだけど、僕らは全く新しいスタートを切ったんだ。僕らがどんなバンドであるのかを改めて見直して、僕らはこういうバンドなんだってことを見せるチャンスだと思ったからね。
-なるほど。80曲ともなると、『Hello Hurricane』は今まで以上に時間をかけて作られたアルバムだということなのでしょうか?
T:ああ、そうだよ。このアルバムには2年半もかけたんだ。その間、僕らには自由があった。だからこそ、色々なタイプの曲をこのアルバムに詰め込むことが出来たんだ。今までにないくらいハードにロックしている曲もあれば、逆にとても穏やかな曲もあるよね。だけど、これらの異なる楽曲の中にも通じているのは、僕たちのスタート地点である“日の出が見える地平線”が感じられる曲だってことだよ。
-そうですね。おっしゃる通り、ハードなロック・ナンバーからポップ、バラードなど様々なスタイルの楽曲が揃っていますが、アルバム全体に通じるテーマやコンセプトはありますか?
T:このアルバムのテーマは、アルバムのタイトルにもなっている通り“Hurricane(=嵐)”だ。人生には、様々な嵐が襲ってくる。だけど、その嵐がいつ来るのか、そしてそれが何を破壊するのかは、僕らには絶対に予測出来ないことだ。嵐が来ることを知り、嵐を認めて、そこから逃げてはいけない。それがアルバムに込められたメッセージなんだよ。このアルバムは、嵐がやってきて、嵐の中で戦い、そして嵐が過ぎ去る、というストーリーを汲んでいる。大切なのは、色んなものを積み込めすぎずに、地平線が見えるように一つ一つの音がきちんと聞こえるようにしたことだよ。
-確かに、グルーヴ感もありダイナミックでありながら、音の質感がとてもきれいですよね。プロデューサーのMike Elizondoはヒップ・ホップ界では有名なベーシストでもあるそうですが、彼との仕事はいかがでしたか?
T:Mikeがこのプロジェクトに関わってくれた時期がとても重要だったと思う。彼は、レコーディングがほぼ終了した段階で参加したんだ。彼は、僕らが持つユニークさや僕ららしさを引き出してくれたんだ。80曲もあったから、実に様々なタイプの楽曲があったんだけれど、その中で“君たちにしか出来ない曲はこれだろう”って彼が指摘してくれたんだよ。
-今作はバンド所有のスタジオで録られたそうですが、2003年に発表したメジャー・デビュー作『Beautiful Letdown』は200万枚を突破している他、過去に輝かしい功績をたくさん残していますが、それが『Hello Hurricane』制作へのプレッシャーになることはありましたか?
J:良い質問だね。僕らにとって“成功”というのは、売れた枚数じゃないんだ。大切なのは、良いアルバムだなって思ってくれる人がどのくらいいるのかってこと。それが『Hello Hurricane』の成功の基準になるのさ。