INTERVIEW
PLACEBO
2009.10.14UPDATE
Member:Brian Molko(Vo&Gt) Stefan Olsdal(Ba&Gt&Key) Steve Forrest(Dr)
Interviewer:MAY-E
-6thアルバム『Battle For The Sun』の完成、おめでとうございます。アルバムを完成させた今のお気持ちを聞かせて下さい。
Brian Molko(以下B):曲っていうのはリリースしてしまうと、それからはもう自分たちのものではないという認識があるんだ。曲は聴く人のものになるんだよね。もちろんライヴでは演奏するけど、自分で改めて聴き直すことはないんだ。個人的にはすでに前に進んでいる意識はあるし、今振り返ると自分では最高のアルバムが完成したという意識はあるよ。
-絶望的だったり破壊的な歌詞の中にも美しいメロディが存在していたり、「Speak In Tongues」のような楽曲があったりと、光を照らすようなアルバムに仕上がっていますね。本作のテーマは?
B:最初に一番強調したいのはこのアルバムはコンセプト・アルバムではないんだ。とは言いつつも、もちろんテーマ的な統一性はあるんだ。それは変化というか楽曲ごとにキャラクターがあって、僕たちがその変化を経験して、その変化との戦いもあるし、その変化との葛藤もあるんだけど、そこから変わりたいっていう気持ちをドキュメントにしているようなアルバムなんだよ。それはそのキャラクターにとっての旅であったり、そういうことの記録であるんだよね。その葛藤というのが今作のタイトルの“Battle”という言葉にも象徴されているんだ。
-本作は、どのような精神状態で取り組めましたか?
B:精神状態はまったく関係ないよ。だって別に普段普通に生活しているだけで精神状態なんてものは凄く変化するものだろう?それは曲の制作にはまったく関係ないよ。僕にとって曲作りというのは感情に左右されるものというよりはもっと規律的なむしろ仕事みたいにキチンと整理されたもので、感情によって左右されることはまず無いんだ。例えばアーティストっていうと凄くロマンティックで感情に左右されがちなイメージがあるけど僕たちは全くそんなことは無いんだ。曲の制作はキチンと時間やまわりに制御されているものなんだ。
-アートワークの雰囲気がこれまでの作品と大きく異なりますね。アルバムのタイトル、またはテーマを忠実に表現したものだからでしょうか?
B:今作は自分たちがこれまで作り上げてきたものとは違うものにしたかったんだ。確固とした美学だったりアイデンティティーというものが確立されていたけれども、そこから離れたものを作りたかったんだ。というのも今回は自分たちにとって新しいスタートだったから、そこと敢えて離れて違うものを作りたかったんだ。そういう意識がアートワークにしろ楽曲にしろ、表れているんだろうね。
-David Bottrillをプロデューサーに迎えていますが、彼との仕事はいかがでしたか?彼とあなた方はとても相性が良いように感じるのですが。
B:僕たちは毎回違うプロデューサーを起用しているんだ。特にDavidとは相性が良かったね。今まで仕事をしたどんなプロデューサーよりも一緒になって一体になって曲を制作できたプロデューサーだったと思うよ。まず第一に彼との仕事はストレスが少なかったし、揉め事とかも無くとてもスムーズだったんだ。揉め事が無かったのは自分たちが大人になったということもあるんだろうけど、Davidは凄く人当たりが良くて人の扱いが上手いんだ。だから凄く良いケミストリーを生み出すことができたんだろうな。だから彼と仕事をすると凄く自分たちが野心的になれたんだ。何でも出来るぞ、もっと良いアルバムを作ることができるぞって思わせてくれたんだ。
Stefan Olsdal(以下Stefan):Davidは初めて僕たちの曲に近づいたプロデューサーだね。自分が作る曲っていうのは僕たちにとっては自分で産んだ赤ん坊みたいなものなんだ。その赤ん坊にはあまり他人を近づけたくないと思ってきたんだ。だけど彼には自分の赤ん坊に対して意見を言ってもらったりしたんだ。それは彼が今までにしてきた仕事を知っていたし、彼との信頼関係があってこそ出来た作業なんだよね。こういう作業ができたというのは凄く大きかったよ。
-前作以降、長年在籍していたSteve Hewittが脱退し、22歳の若いドラマーSteve Forrestが新たに加入しましたが、バンド内の現在の雰囲気はいかがですか。
B:まさに今の現状を告白すると、時差ボケがひどくてボロボロの状態だね(笑)。バンド内の関係でというと確かに凄く良くなっているんだ。まぁそれを求めて新しいメンバーを探していたんだけどね。バンドというのは家族みたいだけど、本当の家族と違うところは自分で選べるという点なんだ。今回家族を選んだ選択は・・・間違いじゃなかったね(笑)。
-Brianは間違いじゃなかったと仰ってますが、それに関してSteveからコメントはありますか?(笑)
Steve Forrest(以下Steve):まずはそう言ってもらって凄く嬉しいよ。BrianとStefanは長い歴史があるバンドの中に僕を引き入れてくれた。すごく感謝しているよ。それと同時に凄く誇りに思っている。これからもっと長い時間を過ごしていきたいと思っているよ。