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INTERVIEW

PLACEBO

2009.07.01UPDATE

PLACEBO

Member:Brian Molko(Vo&Gt)Stefan Olsdal(Ba)Steve Forrest(Dr)

-3年ぶりのアルバム『Battle for the Sun』を完成させた今の心境は?

Brian Molko(以下:B):ひとつの彫刻作品を仕上げたような、充実感があるよ。またこれを携えて、新しい旅に出られることにワクワクしているね!

-今回から、ドラマーにSteve Forrestが加入した訳ですが、彼が加入することになったエピソードを教えてもらえますか?

B:実は前作『Meds』を完成させてから、ボクらは迷走状態だったんだ。何をやってもうまくいかなくて、まるでブラックホールのなかで悪あがきをしているような感じだったんだ。このままじゃいけない!って感じたボクらは、ある時行った米・アリゾナでのライヴのオープニングで、ドラムを叩いているSteveに出会ったんだ。最初は子供がドラムを叩いてる!って思ったけど(笑)。でも気づいたら彼のパフォーマンスに釘付けになっていたよ。音楽センスがあるし、タトゥーもクールだし(笑)、彼が加入することでバンドはよくなる!って直感したんだ。また、その後Steveが送ってくれたビデオのなかで、彼は<バンドを通じてハッピーライフを過ごしたい>と語っていたんだ。その言葉に、ハンマーで頭を殴られたような衝撃を感じたよ。自分達がずっと忘れていた、音楽をスタートさせた時の心境そのものだったからね。このひと言のおかげで、ボクら二人は暗闇でもがいていた状態から、光を見いだすことができたんだ。

-また、自身でレコード会社を立ち上げましたね。

B:もう訳のわからない人に、自分達が精魂込めて作ったアルバムを手渡したくなかったんだよ。ボクらの音楽をきちんと理解してくれる、信頼のおける人に任せたかったのさ。

Stefan Olsdal(以下:Stefan):うん、以前はプロテクトされている感が皆無だったよね。一生懸命アルバムを作ったのにさ、あんまり見返りがなかった感じだったんだ。確かに、現在は制作以外の部分にも目を配らせなくてはいけないし、前作までと比べてボクらが関わる仕事は倍増したけど、アルバムがどういうプロセスを経てみんなの元に届くのかを知れたのが楽しくて、ポジティブな気分でレコーディングに臨めたね。

-最近はLINKIN PARK、MY CHEMICAL ROMANCEらと全米ツアーをまわっていましたが、その経験はどうでしたか?

B:元々、彼らがボクらの音楽を気に入ってくれていて、声をかけてくれたのがきっかけで参加したツアーだったんだ。とても楽しくて充実したものだったよ。彼らと共に、全米中を旅したことで、なぜか自然とオープンマインドになれたと同時に、バンドの原点を思い起こさせてくれたんだ。PLACEBOってさまざまなアーティストのオープニング・アクトに登場していったことで、知名度や実力を上げていったライヴ・バンドだったということを。

─Steveの加入、LINKIN PARKらとのツアーを経て完成した今作ですが、テーマとかストーリーがあったら教えてください。

B:これまでの作品は、ヨーロッパのマーケットにあう音楽を作ってきていた気がするんだ。メランコリーでグレイな雰囲気。特に前作の『Meds』なんてそうだよね。あの曲をやっていると、自分も暗い気持ちになっていく。よくあんな楽曲が書けたもんだと思うよ(笑)。でも今回は違うんだ。世界中の人々に受け入れられ、かつリスナーの感じ方によって見える風景が異なるものになったと思うよ。

─確かに、今回はダイナミックなスケールの楽曲が目立ちますよね。

Stefan:前作まではヨーロッパ出身のプロデューサーを起用していたんだけど、今回はDavid Bottrillというアメリカ人プロデューサーにお願いしたんだ。彼がグラミーをいくつも受賞している人物、Davidのおかげでこの音楽が導き出せたと思っているんだ。これまでの自分達の枠を飛び越えることのできる音楽を。

─アルバム制作にあたりこだわったことは?

Stefan:今回の収録曲は、『Meds』をリリースした頃から書きためていたものなんだ。当時は、この曲をPLACEBOで発表せずに、他のプロジェクトで発表してもいいかな?とか考えていたから、何も制約がない状態で曲を作っていた。おかげで音楽を作るという純粋な喜びを噛み締めることができたよ。結果、いろんなタイプの楽曲がアルバムに揃ったんだと思う。

Steve:自分がこのアルバム制作で課したことは、今回新しくバンドに加入したのだから、みんなの予想を裏切る新しいPLACEBOサウンドを構築することだった。だから、過去のセオリーどおりにドラムを叩くのではなく、自由な感覚を取り込んでみたよ。と同時に、オレはライヴを観て惚れ込んだバンドだからさ、そこで感じた衝撃をアルバムで再現してみようとも思ったね。