INTERVIEW
STUCK MOJO
2008.07.21UPDATE
Member:Rich Ward(Gu/Vo)
Interviewer:ムラオカ
-それでは新作についていくつか質問させていただきます。 まず最後まで聴いて感じたことは、ラップ+メタルという単純な音ではなく、さまざまな音楽、ロックの要素を混ぜ合わせた本当の意味でのクロスオーバーなアルバムに仕上がっているなと、かと言ってアルバムにまとまりがなくなり散漫になってしまっているようなことはなく、どの曲からもSTUCK MOJO独特の匂いを感じさせアルバム全体にまとまりがあるなと感じました。STUCK MOJO独特の個性的なサウンドはどうやってうまれるのでしょうか?
特に青写真があるわけではない。自分にインスピレーションが与えられるような何かができるまで曲を書くんだ。何か具体的に作ろうと思ってはじめることはほとんどない。これは有機的なプロセスで、曲がそれ自体の個性を展開しはじめるまで曲で作業をしてから、今度はこの個性が輝くようにすることに集中するんだよ。
-「For The Cause Of Allah」~「Open Season」~「Prelude To Anger」は、まるで1つの映画を見ているような錯覚におちいります。すごく完成度が高くプログレッシヴで計10分以上もある大作であると感じました。私としてはこのアルバムの最大のチャレンジはこの2曲にあると感じました。この2曲はつながっているものと考えてよろしいでしょうか?
そうだよ。俺は「Open Season」のための素晴らしいイントロとアウトロとなるような風景画を描きたかったんだ。これでいいと思えるようになるまでずいぶん時間をかけたんだ。この曲の場合にはディテールがすべてだったからね。
-不穏でオリエンタルな曲調がJUDGEMENT NIGHTのサントラに収録されていた Faith No More/ Boo-Yaa T.R.I.B.E.の「Another Body Murdered」に少し近い雰囲気も感じさせます。あの名曲からインスパイアされたことはありますか?
あの曲は大好きなんだ。いつもロック・ミュージックの文脈の中でのオリエンタルな曲調はずっと気に入っている。
-「Metal Is Dead」はこのアルバムの中でも最もアグレッシヴでファストなギタープレイ、アグレッシヴなラップが炸裂していますね?曲名も意味ありげですね?この曲ができた経緯を教えてください。
「Metal Is Dead」のメッセージは、ステイトメントというよりも警告なんだ。メタルが繁栄を続けるためには、より多くのパイオニアが必要であり、より多くのバンドがリスクを引き受けなければならない。「今週のベスト・アーティスト」みたいな流行に飛びつくことをやめることだよ。まず曲を書いたんだ。それからこのビッグでグルーヴィーなリフにぴったりと合う歌詞のコンセプトが生まれた。
-ゲストボーカルにFOREVER NEVERのRenny Carrollが参加していますが彼はイギリスに住んでいるのではないでしょうか?彼が参加することになったいきさつを教えてください。
Rennyは「That's When I Burn」のスクリーミング・ヴォーカルをゲストとして担当した。レニーはとても良い友人で、STUCK MOJOとFOREVER NEVERは、ステージで何度も一緒になり、英国ツアーも一緒にやったんだ。聞いたことがなかったら、ぜひ試してみてくれ。新しいバンドの中では最高のバンドのひとつなんだから。
-また「The Sky Is Falling」はSICK SPEEDのようなモダンロックの雰囲気も漂っていますが、
SICK SPEEDの経験もこのアルバムに生きてきていると思いますか?
複数の異なった音楽表現の場を持っているので、作曲する時には、自分の曲にどこが相応しいのかを見つけようとするんだ。でも、想像は付くだろうが、時々誰かがSTUCK MOJOの曲を聴いて、「なあ、これはFOZZYの曲やSICK SPEEDの曲やTHE DUKEの曲でもおかしくないよ」と言うんだ。自分のバンドすべてに対して曲を書くのはごく自然なことだし、すべてのソングライターは、独自の雰囲気を持っているもので、俺も例外ではないんだ。
-作曲はすべてあなたが行っているようですね?ほかのメンバーからのアイデアは取り入れることはあるのでしょうか?
ああ。バンドのインプットはディテールにあるんだ。それぞれが自分のパートにユニークなスタイルを持ち込むんだが、それでSTUCK MOJOの曲になるんだよ。
-あなたはほとんど作詞にも携わっていますね?STUCK MOJOの歌詞は非常にメッセージ性が強いと思いますが、アルバム収録曲の歌詞を1曲ずつ解説してもらえますか?
STUCK MOJOの素晴らしいところは、どんなトピックについても曲が書け、それが不自然にも強制されたものにもならないことだ。成長過程も音楽的影響も、人生経験も違う、人種の異なるメンバーを持つバンドであることによって、俺たちはいろいろな異なった考えを、異なった視野から表現できるバンドになっているんだ。
-日本盤には「This Is How We Thing」、「Go」、「The Fear Is All Around Me」の3曲のボーナストラックが入っていますがこれらはすべてオリジナルの新曲ですか?
ああ、「The Fear Is All Around Me」は、最初のSBKセッションの時に録音したんだが、その時には完成しなかったんだ。「Go」と「This Is How We Swing」という2曲の完全な新曲の作曲と録音に併せて完成したんだよ。
-今あなた方はツアーの真っ最中だと思いますが、これからの予定を教えてください。
ツアーの間、俺は7月中旬に録音を開始する新しいSTUCK MOJOのアルバムの作曲や作業をしている。これは本当にぶっとぶような作品で、いつもと変わらず、スタジオ入りするのを本当に楽しみにしているんだ。8月下旬には録音を追え、それから9月後半に始まる5週間の欧州ツアーに出る。
-日本ツアーの計画はないのでしょうか?また日本と聞いてイメージすることを教えてください。
俺たちは長年に渡って日本ツアーをすることを夢見てきたんだが、過去のレーベルは時間や費用を負担しようとしなかったので、実現することはなかった。でも今は、俺が死ぬ前にすることのリストの中に「日本で演奏する」というのが入っているから、何があってもぜひやりたいと思っているよ!
-それでは最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
俺たちは長年に渡って熱心にサポートしてきてくれたことに本当に感謝しているんだ。俺たちの目標は、いつの日か日本に行って、直接みんなに御礼を言うことだよ。何があってもね。愛しているよ!