FEATURE
MOTÖRHEAD
2019.10.17UPDATE
2019年11月号掲載
Writer 井上 光一
究極の暴走R&Rが、40年の時を経て再び世界を爆音の渦へと叩き込む――帝王、MOTÖRHEADのラウドでダーティな究極のロックンロールの歴史を辿るべく、大規模なリイシュー・シリーズが始動することになった。その第1弾として選ばれたのが、今年でリリース40周年を迎える、彼らが1979年に発表した2ndアルバム『Overkill』と3rdアルバム『Bomber』である。2作品共に未発表ライヴ音源を加えた2枚組CD、そして3枚組アナログ盤のデラックス・エディションとしてリイシューされるだけでなく、ファン垂涎のコレクターズ・アイテムのボックス・セット『Ultimate '1979' Collectors Box Set』も併せてリリースされる運びとなった。すでに特設サイト"Motörhead 79"も公開されており、まさに爆音R&Rの祝祭のごとき様相を呈しているのだ。
作品自体が持つ歴史的価値については、今さら言葉を並べ立てる必要はないと思う。本稿では、今回のリイシュー盤およびボックス・セットの収録内容や仕様について紹介していこう。
Overkill
『Overkill』――1979年3月にリリースされ、彼らの名を世に知らしめた傑作2ndアルバム。まずは2枚組のCDについてだが、DISC 1にはオリジナル・テープからマスタリングされたオリジナル・アルバムが収録。目玉と言えるDISC 2には、当時に行われていた"OVERKILL TOUR"の中から選ばれた、1979年3月31日の英バッキンガムシャーのFriarsにて開催された公演が全17曲収録されている。こちらはサウンドボード音源、且つ未発表ライヴ音源である。MCも収録されており、最初の黄金期に突入しようとしていたバンドの勢いが、そのまま真空パックされたような雰囲気がたまらない。さらに、当時の貴重な写真およびメモラビリアなどが詰まったメディア・ブック・パッケージ仕様となっていることも、ファンには嬉しいポイントだろう。3枚組アナログ盤は、オリジナルのマスター・テープを使用したハーフ・スピード・カッティングによる180グラム重量盤アナログによるオリジナル・アルバムが収録されているのに加えて、残りの2枚は先述したライヴ音源が収録されている。パッケージも、同じくメディア・ブック・パッケージ仕様である。
Bomber
『Bomber』――前作『Overkill』リリース後、全英ツアーを経てレディング・フェスティバルの出演、と勢いに乗るバンドが、7ヶ月という短いスパンで1979年10月に発表した3rdアルバム。全英チャート12位を記録し、バンドの人気に拍車を掛けた作品である。本作のリイシュー盤も、2枚組CD盤ではオリジナル・テープからマスタリングされたオリジナル・アルバムと未発表ライヴ音源が収録されている。ライヴ音源は、1979年11月3日に仏ルマンにあるLa Rotondeにて行われた公演で、全18曲を収録。3枚組アナログ盤も、収録内容はCDと同じ仕様だ。
Ultimate '1979' Collectors Box Set
『Ultimate '1979' Collectors Box Set』――アナログ派であれば、迷わずこのボックス・セットを購入してほしい。『Overkill』と『Bomber』の内容は3枚組アナログ盤と同様のものとなるが、それらに加えてB面曲やアウトテイク、レア音源などを収録した"THE REST OF '79"、名曲「No Class」の7インチ・シングルが同梱された、7LP+7インチという計8枚組ボックスである。40ページに及ぶブックレット、ツアー・パンフレットの復刻版、「Overkill」の楽譜、バッジ・セットも付属しており、そのすべてはブラック・バイカー・ジャケット・ボックスに封入される。熱狂的なファンならずとも、全R&Rファン必携の強烈なコレクターズ・アイテムだ。
以上のタイトルは、すべて2019年10月25日にリリース。今年後半は、世界各地で爆音の宴が繰り広げられることだろう。
▼リリース情報
MOTÖRHEAD
40周年リイシュー・シリーズ第1弾
[BMG Rights Management(UK)Ltd.]
2019.10.25 ON SALE!!
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