FEATURE
SONIC SYNDICATE
2016.06.09UPDATE
2016年06月号掲載
Writer 井上 光一
2007年に通算2枚目となるアルバム『Only Inhuman』をリリース以降、北欧流儀のメロデスを基調として、米国産のメタルコア的な要素をうまく取り入れ、2000年代を象徴するようなモダンなメタル・サウンドで人気を獲得したSONIC SYNDICATE。実に6年ぶりとなる来日公演が決定した。たび重なるメンバーの脱退、活動休止などのトラブルを乗り越えて、今は4人組として活動を続ける彼らの経歴を、改めて振り返ってみたいと思う。
Sjunnesson兄弟と従弟の3人を中心として、2002年に母体となるバンドを結成。その後、バンド名をSONIC SYNDICATEに改めて、アメリカのレーベル"Pivotal Rockordings"からデビュー作『Eden Fire』を2005年にリリースしている。デス・ヴォイス中心で、北欧らしいキーボードを導入したメロデス~メタルコア・サウンドは、若く荒々しいながらもフレッシュな才気を感じさせ、彼らのキャリアの中では、今となっては貴重な音とも言えよう。名門"Nuclear Blast"と契約を交わしてからは、傑作の誉れ高い、上述した『Only Inhuman』で本格的に世界進出に乗り出し、ここ日本でもリリースされ、高い評価を受けたことを個人的にもよく覚えている。同郷の大先輩であるSOILWORKあたりにも通じるサウンドメイキングのセンス、ツイン・ヴォーカル体制を活かしたドラマチックなメロディ展開など、どれもレベルの高さが明白な内容であった。立て続けに3rdアルバム『Love And Other Disasters』を2008年にリリース。順調にキャリアを積み重ねていく彼らであったが、2009年にクリーン・パートを担当していたRoland Johanssonが脱退、バンドは新ヴォーカリストとしてNathan J Biggsを加入させた。2010年には"激ロックFES vol.2"にて念願の初来日を果たし、その後、通算4枚目のアルバム『We Rule The Night』を発表。ミディアム・テンポ中心でNathanのクリーン・ヴォーカルを全面に押し出した作風は、メロディの良さは際立っていたものの、従来のファンからは賛否両論の評価であった。同年、創設メンバーのRichard Sjunnesson(Vo)が脱退を表明。その翌年には同じく創設メンバーのRoger Sjunnesson(Gt/Key)がバンドの活動休止を宣言し、活動再開を待たずに脱退してしまう。なお、脱退した3人は現在、THE UNGUIDEDというバンドで活動しているので、ファンはチェックしてほしい。
閑話休題。バンドは2013年に活動を再開し、現時点での最新作であり、5枚目のアルバムにしてセルフ・タイトルの『Sonic Syndicate』を2014年にリリース。2作目や3作目の作風に回帰しつつ、クリーンもグロウルも操れるNathanの歌唱力を中心とした完成度の高いサウンドを携えて、新体制での新たなスタートを切ったが、2015年には紅一点のベーシストであり、ステージでも鮮烈な存在感を放っていたKarin Axelssonが脱退してしまう。後任としてMichel Bärzénが加入。唯一のオリジナル・メンバーであるRobin Sjunnesson(Gt)、2番目に古株となったJohn Bengtsson(Dr)、そしてNathanにMichelの4人で現在活動中である。
彼らのように人気の高いバンドだからこそ、本稿で述べてきたような脱退劇などに、拒否反応を示すファンが多くいることは想像に難くない。だからこそ多くの困難を経て、今もなお活動を続けるバンドとしての誠実さ、意志の強さを、ライヴという場において、ぜひ確かめてみてほしい。
"SONIC SYNDICATE JAPAN TOUR"
8月13日(土)東京 Holiday Shinjuku OPEN/START 17:00/18:00
8月14日(日)大阪 心斎橋SOMA OPEN/START 17:00/18:00
SUPPORT BAND:INHALE
ADV/DOOR:¥5,000/¥6,000(+1drink)
VIP:¥7,500(+1drink)※
Pコード:301-121
※VIPチケットは優先入場、先行物販購入、サイン付きポスター進呈、握手と写真撮影が出来るミート&グリート参加権が付属した枚数限定のチケットとなります。
【企画・お問い合わせ】Evoken de Valhall Production:050-5586-8199
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