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FEATURE

METALLICA

2013.09.18UPDATE

2013年09月号掲載

METALLICA初の3D映画“METALLICA THROUGH THE NEVER”のサントラとしてライヴ・アルバムがリリース!

Writer 沖 さやこ

METALLICAのライヴ・アルバム『Through The Never』が9月25日にリリースされる。これはアメリカで9月下旬から、日本では11月22日から公開されるMETALLICA初の3D映画“METALLICA THROUGH THE NEVER”のサウンドトラックでもある。これまでライヴ映像作品とセットになったライヴCDや、音源のボーナス・トラック的な扱いでのライヴ音源収録はあったものの、METALLICAのライヴ・アルバムとしてのリリースはなんとこれが初めて。ちなみにこの音源は、この映画のためにカナダで行われたライヴを収録したものである。

映画“METALLICA THROUGH THE NEVER”は、24台のカメラを用いてライヴを撮影した素材と、彼らの音楽からインスパイアされたドラマ映像を融合させた作品とのこと。監督は映画『プレデターズ』などを手掛けたNimród Antal。ドラマ『トゥルーブラッド』や映画『クロニクル』への出演、『アメイジング・スパイダーマン2』の主演を務めたことでも知られているDane DeHaanがドラマ映像で主演を担当している。ドラマ・パートは極限の興奮状態にあるメタリカのライヴ会場で、ツアー・クルーであるDane扮するTripがメンバーにとって貴重なカバンをライヴ終了までに取ってくるよう依頼され、驚天動地のアクシデントに見舞われるというノンストップ・アクションというあらすじだそうだ。『Through The Never』には2012年8月にカナダのバンクーバーとエドモントンで行ったライヴから15曲(+1曲)を収録。映画の撮影ゆえに入場料が5ドルという破格の値段で、勿論即ソールド・アウトした。ざっと映画についての説明を書き出したが、とどのつまりはベスト・ヒットとも言える往年の名曲尽くしの2枚組のライヴ・アルバムだ。

先月SUMMER SONICのヘッドライナーとして来日し、熱いパフォーマンスを繰り広げたMETALLICA。筆者も東京公演に参加したが、阿吽の呼吸という次元ではないほどに強固なアンサンブルは見事としか言い様がなく、何があっても揺るがない鋼の音像に心酔。ひとつひとつが直球なのに異常という、改めてMETALLICAの凄みを感じるステージだった。このアルバムを聴きながらSUMMER SONICの光景を思い出して浸る……こういう楽しみ方が出来るのもライヴ盤のいいところである。まずはMETALLICAのライヴでおなじみである映画『続・夕日の ガンマン』の「The Ecstasy Of Gold」で幕を開けると、ドラム・カウントから「Creeping Death」へ。フロアのシンガロング、Kirk Hammett(Gt)のギター・ソロとJames Hetfield(Vo/Gt)のソリッドなバック・ギターの交錯、中盤の“Die!”コール、腹を抉られるようなパンチの効いたRobert Trujillo(Ba)とLars Ulrich(Dr)のリズム――長尺の楽曲でも緊張感を切らさず次々と曲を投下する。DISC 2の「Master of Puppets」で巻き起こるフロアの大合唱と大歓声、そこから高速ナンバー「Battery」に繋がる流れは特に前のめりになって音の中に入り込んでしまった。Jamesが雄々しく煽ると、観客もそれに食らいつくように声を上げる。そしてミディアム・テンポで最初はしっとりと始まる「Nothing Else Matters」のラストの高揚感――スマートに繰り広げられるキラー・チューンの応酬。「Enter Sandman」と「Hit The Lights」の間にMCが挟まれるのだが、実際にはどんな映像が広がっているのか……と、映画への期待も煽られる。(収録は1年前ではあるが)現在のMETALLICAによって新たな命を吹き込まれ蘇る楽曲たちは、ライヴでしか耳にすることが出来ない。ライヴ盤ではあるが、再録盤としても楽しめるアルバムだ。

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