DISC REVIEW
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バンド名だけ見てイロモノか、などと侮ることなかれ。常に死を身近に置いた武士道と、ストイックなハードコアの精神性との出会いはまさに必然であったと言える、ハイブリッドなクロスオーバー・サウンドを鳴らす期待のバンドが渾身のデビュー作をリリース。ハードコアの聖地 ペンシルバニア産の名に恥じない、スラッシーなギターの殺傷力、過激なモッシュ・パート、腰に響くヘヴィネスが渦を巻くグルーヴに極悪なシャウトが一級のブルータリティを演出する様は、デビュー作にして堂々たる完成度を誇っている。中盤に哀愁のインストゥルメンタル曲を取り入れるなど、コンセプチュアルなアルバムとしてのクオリティの高さも特筆すべき点であろう。歌詞に込められた武士の物語も併せてチェックすべし。 井上 光一