DISC REVIEW
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OMNIUM GATHERUMのキーボーディスト、Aapo Koivistoが在籍するフィンランド産6人組による2ndアルバムが到着。開幕早々、8分という長尺曲「Kairos」から始まる本作は、全8曲がミドル~スロー・テンポのナンバーで占められており、北欧特有の深く沈み込むような陰鬱な美が、じわりじわりと迫りくる音世界となった。絶望的な闇を叫び散らすが如きグロウル、冷たい叙情性を持ったドゥーミーなヘヴィネスを生み出す楽器隊が織り成すサウンドは、北欧産のバンドでないと成しえない味わいであり、一度ハマったら容易に抜け出せない中毒性を持っている。アルバム全体でひとつの物語のような構成となっており、数曲の冒頭に語りが導入されているのも効果的だ。 井上 光一