DISC REVIEW
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バンドの存在感や楽曲の世界観はふざけまくってるのに......なんだろう、このクールな楽曲の数々は! コテコテでスラッシーなメタル・フレーズと、メロディアスなパートのコントラストは、不覚にも感動的ですらあるし、重厚感のあるブレイクダウン、そして聴いた次の瞬間には一緒にシャウトしてしまいそうなシンガロング・パートにもワクワクさせられる。シンセの使い方などのアレンジや、細かいテクニックを見せる楽曲構成にもセンスを感じるが......ただし、その内容はちょっとコミカルに描かれた日本史や古典なのだ! とはいえ、"皿屋敷"や"耳なし芳一"といった怪談は夏にはちょうどいい題材なのかもしれない。ということでこの夏は、怪談話でヒヤッとするのではなく、この極楽浄土流の怪談でどっぷり汗流そうぜ!