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極めて閉鎖的な閉塞感が、ここには音というかたちで凝縮され詰まっている印象だ。逆に言えば、この音はそれだけソロ・プロジェクトならではの純粋で高潔な方法論のもとで創り上げられたものだと言えるはず。Misanthropistの"中の人"である克哉は、ギタリストでありながら作詞作曲はもちろんのこと、エンジニアリングまでをも手掛ける総合クリエイターであり、今作では"最低・最重・最先端"を目指したという。全トラック4人のゲスト・ヴォーカリストが繰り広げている饗宴も実に乙だ。開放的で野放図なBBQ料理にはない、旨味をすべてぎゅっと閉じ込めたホイル焼的な味わいの作品である。 杉江 由紀