DISC REVIEW
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アメリカ合衆国イリノイ州出身のデスコア・バンドVEIL OF MAYA。3年振りの5thフル・アルバム。クリーン・ヴォイスを駆使するヴォーカリストの新加入については賛否が分かれるところではあるが、攻撃的な咆哮やサウンドと対照的な伸びやかでメロディアスな歌声は楽曲に起伏を与え、サウンドの幅を拡げることに成功している。ネガティヴな意見を納得させるだけの技量は持ち得ている逸材である。隙あらば捻じ込む速弾きやブラスト・ビート、テクニカルなギター・ソロも健在。Djentスタイル、プログレッシヴ・メタルとしても評価が高い彼らならではの複雑な展開を見せる楽曲等、クオリティの高さは言うまでもない。独自の世界観を持っている点も面白く、エキゾチックなアートワークも魅力的だ。非常に日本人受けをするであろうバンドへと進化しているので、邦楽メタルコア、ピコリーモを好むリスナーが洋楽に初めて手を出すための1枚としても最適。 藤崎 実