昨年末に、MOTLEY CRUEやBUCKCHERRY、PAPA ROACHといった大物バンドが数多く所属する名門レーベルEleven Seven Musicとの契約を発表したESCAPE THE FATE。移籍第1弾となる本作は、THE USEDやD.R.U.G.S.を手掛けたJohn Feldmannをプロデューサーに迎え、強烈なヘヴィネスと心揺さぶるメロディが融合する彼らの持ち味を格段に進化させたアルバムとなった。ブチ切れまくって今にも壊れんばかりの、ある種の危うさと、安定感のあるテッパンのキャッチーさを兼ね備えたCraig Mabbittのヴォーカル、そしてハイ・レヴェルな楽器隊のぶちまける、研ぎ澄まされた怒りと苦悩が炸裂した楽曲群は、アルバムを通して1ミクロンの手抜きも感じさせない。 山本 真由
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ラス・ヴェガス出身の5人組ポスト・ハードコア・バンド。2004年、前バンドが解散して新しいバンドを結成しようとしていた創設メンバーのRonnie Radke (Vo)とMax Green (Ba)が、MySpaceにてバンド・メンバーを募集。そこに、かつて"LOVEHATEHERO"という名のスクリーモ・バンドに在籍していたBryan "Monte" Money (Gt)が加入。続いて、Robert Ortiz (Dr)と現在はバンドを去ったOmar Espinosa (Gt)が加わる形で結成された。
2005年、MY CHEMICAL ROMANCEが判定を下す地元のラジオ番組の音楽コンテストにて見事優勝を果たし、その褒美としてALKALINE TRIOらとのヘッドライナー・ツアー権を獲得した。その後、名門インディーズ・レーベルのEpitaph Recordsと契約を結ぶ。2006年5月には、デビュー作となる5曲入り1st EP『There's No Sympathy For The Dead』をリリース、9月に1stアルバム『Dying Is Your Latest Fashion』を発表した。バンドは瞬く間に人気を獲得していき、"USポスト・ハードコアを代表するバンドの1つ"と呼ばれるまでに成長したが、人気も絶頂を迎えていた2007年、当時ヴォーカルを務めていたRonnieが麻薬中毒、及び暴行罪の容疑で執行猶予付きの有罪判決を言い渡され、刑務所に2年間服役することになったため、バンドから追放された。
同年、続いてギタリストのOmarがバンドを脱退。一時はバンドの存続自体危ぶまれたが、2008年に人気スクリーモ・バンド、BLESSTHEFALLに在籍していたCraig Mabbittを新ヴォーカリストに迎え入れ、2ndアルバムのレコーディングを開始。『This War Is Ours』と名付けられたこのアルバムは、全米アルバム・チャートで初登場35位を記録した。
2010年7月、メジャー・レーベルのDGC/Interscopeへ移籍。11月にはセルフ・タイトルとなる3rdアルバム『Escape The Fate』をリリースし、全米アルバム・チャートで初登場25位を記録した。
2012年3月、ベーシストのMaxがバンドを脱退。それと入れ替わるようにツアー・メンバーだったThomas "TJ" Bell (Ba)とMichael Money (Gt)がバンドに正式に加入した。その後、レーベル側からの過度な要求に嫌気が差したとして、Interscopeからの離脱を決意。ハードロック系レーベルのEleven Seven Musicと新たに契約する。そして2013年6月、プロデューサーにJohn Feldmannを迎え、新体制での4thアルバム『Ungrateful』をリリースした。