CYPRESS HILL (サイプレス・ヒル)
米カリフォルニア州発、通算アルバム売上枚数1,800万枚のヒップホップ・グループ。LA出身チカーノ系のB-リアル、キューバ出身のセン・ドッグ、ニューヨーク出身イタリア系のDJマグズという様々な人種の3人で1991年に結成。そのミクスチャー的サウンドは、ロック・ファンからの人気も高い。1998年リリースのアルバム「IV」よりパーカッショニスト/ドラマーのエリック・ボボ(ウィリー・ボボの息子)が加入し4人編成に。ロラパルーザのヘッドライナー、パール・ジャムやソニック・ユースとのコラボレーション、全米アルバム1位(Billboard Top 200 Albums Chart)などの経歴も持つ。B-リアルとセン・ドッグは元ギャングであるが、サイプレス・ヒル結成の前に足を洗っている。グループ名の由来は、結成された地区にある道の名前「Cypress St.」より。
Tom Morello
(ex.RAGE AGAINST THE MACHINE)
後続のメタル・バンドに多大な影響を与え、彼らの出現がラップメタル、ミクスチャー・ムーヴメントを作り上げたといっても過言ではない唯一無二のオリジネイターであるRAGE AGAINST THE MACHINE。彼らは現在活動を停止してしまったが、ギタリストTom Morelloは現在GALACTICでマイクを取っているBoots Rileyと組んでSTREET SWEEPER SOCIAL CLUBを結成し活動中。Tom Morelloがファースト・シングルである「Rise Up」 にゲスト参加。一聴してTom Morelloと分かるギターリフが満載なロック・トラックだ。(ムラオカ)
Rage Against The Machine (1992)
Mike Shinoda
(from LINKIN PARK)
ロックを聴くものでLINKIN PARKの名前を知らないものはもはや存在しないだろう。そのLPの創始者でありヴォーカル、ラップを担当するMike ShinodaがTrack.9「Carry Me Away」にてゲスト出演、ラップではなくなんとLPでもほとんど見せることのない歌を披露している。それだけでなくこのトラックのプロデュースも手掛けている点も見逃せない。 LPは高校の友人だったBrad Delson(Gt)とMikeが、ANTHRAXとPUBLIC ENEMYのジョイント・コンサートに衝撃を受け、バンド結成を決意したという事実から見てもMikeがヒップホップ・シーンからも多大な影響を受けていることは分かっていただけるだろう。(ムラオカ)
Meteora(2003)
Daron Malakian
(ex.SYSTEM OF A DOWN)
メンバー全員がロサンゼルスのアルメニア・コミュニティ出身という特異な経歴同様、アルメニア系独特の東欧・中央アジア系メロディが過激なヘヴィネス・サウンドと融合しており、社会的・政治的メッセージの強い歌を歌うことで有名なSOAD。全く比較対象のバンドが見当らないほどにオリジナリティ溢れるサウンドであったが残念ながら現在は活動停止中。SOAD停止後、SCARS ON BROADWAYで活動しているDaron Malakian(Vo&Gt)がTrack.10「Trouble Seeker」にてゲスト参加。CYPRESS HILLのラップとDaronのギターの絡みは一聴くの価値ありだ。(ムラオカ)
Mezmerize(2005)
CYPRESS HILL / Rise Up ディスクレビュー
ヒップホップ・シーンのスーパー・レジェンド・グループCYPRESS HILL。名曲「Insane In The Brain」のベース・フレーズは、誰もが一度は聴いたことがあるはず。前作『Till Death Do Us Part』は、『Skull & Bones』『Stones Raiders』で打ち出したロック・サウンドから一転してレゲエに傾倒した作品であったが、この最新作では再びロック・サウンドを取り戻している。激ロック的には、RAGE AGAINST THE MACHINEのTom Morello、SYSTEM OF A DOWN のDarron Malakian、LINKIN PARKのMike Shinodaとのコラボレーションに注目が集まるだろう。特にDarron Malakianが参加したトラックは、まるまるSOADのような曲調に、ラップが絶妙に絡み合っていて、面白いし新しい。CYPRESS HILLが、再び殴り込みをかけてきた。逃げるな!聴け!! KAORU