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INTERVIEW

PENDULUM

2025.09.12UPDATE

PENDULUM

Member:Rob Swire(Vo/Syn/Producer)

Interviewer:山本 真由 Translator:安江 幸子

-それとは対照的に、ドラムンベース・デュオ HYBRID MINDSとのコラボ曲「Louder Than Words」は、疾走感のある爽やかでメロディアスなナンバーとなっています。こういったスタイルの違う楽曲を制作するのには、何か気持ちの切り替えや注視する部分に変化があるのでしょうか?

通常はそのときのムードによるね。その前にやっていた曲が怒りに満ちたエネルギッシュな曲だったら、そのムードを持っていく感じ。似たような曲ができてしまったら、一旦立ち戻って他のことを考えないといけないけど、通常はそのときのムードに直結するものを作っているんだ。僕にとっては"音声による日記"みたいな感じだね。

-さらに、ヒップホップ・デュオ Joey Valence & Braeをゲストに迎えた「Napalm」では、2000年代初頭のクロスオーバー・ロックのノリも感じられ、懐かしくも新しいような不思議な魅力を醸し出しています。ライヴ演奏でもDJでも盛り上がりそうなナンバーですが、そういったことは意識されていますか?

すごく意識しているよ。特にコロナ禍のときは、書くのがとても難しかった。多くの人はコロナ禍を休暇みたいに捉えて、曲をたくさん書くクリエイティヴな時期として使っていたけど、僕はどうしたらいいのか見当もつかなかった。観衆を前に、DJやライヴでやったときに何が起こるか、そういうことをいかに意識していたかに気付いたんだ。それがあってこそ、僕は音楽に対してワクワクすることができるんだなってね。

-なるほど。

だからコロナ禍のとき、僕には何もなかったんだ。ライヴやDJのことを考えるのは僕にとってとても重要なことだ。ライヴでみんなが曲をじっくり聴いてくれたり、リアクションしたりするのを見るのが大好きなんだ。それがないとなると、少なくとも僕にとってはクリエイティヴになるのが至難の業になってしまう。

-それでこの曲が発表されたのは(2024年)、コロナ禍が一段落してからなのですね。

「Napalm」を作ることができたのは、僕がその前からJoey Valence & Braeのファンだったからというのもあるけど、僕も彼等もLIMP BIZKITのガナーズベリー・パーク公演を観たからだと思う。昔から大ファンでね。"もし自分たちがLIMP BIZKITの曲を作ったらこんな感じの音にしたい"というのを念頭に置いて作った曲なんだ。

-分かる気がします。また、オルタナティヴ・ロック・バンド AWOLNATIONをゲストに迎えた楽曲「Guiding Lights」は、特にメロディと歌が前面に出た楽曲です。こういった歌に重きを置く楽曲の場合、作曲のスタイルは変わりますか?

あの曲の場合はBRING ME THE HORIZONやBAD OMENSといったバンドの曲をよく聴いていて、それのPENDULUMバージョンを作りたいと思ったんだ。どんな音がするのか、果たして上手くいくのか、試してみたかった。AWOLNATIONはここ15年くらい聴いていて、特に好きなバンドの1つなんだ。勇気ある人と言えば彼(Aaron Bruno/Vo/Gt)が一番だね。彼は誰にどう思われようと気にしない。いつも自分がやりたいことそのものをやっていて、いつも驚かされるんだ。彼との仕事も驚きの連続だったよ。

-なるほど。ヒップホップ・アーティストのSCARLXRDをゲストに迎えた「Mercy Killing」は、グルーヴィなラップ・パートとビートがアッパーになって盛り上がる部分のメリハリが印象的な楽曲ですが、ヒップホップを取り入れる際に気を付けているポイント等はありますか?

あれは大変だったね。僕たちのスタイルと彼のスタイルは全く違うから。かけ離れたものをどうやって1つにするか、そのチャレンジが僕は大好きだし、制作の醍醐味でもあった。お互い相手の音楽は大好きだけど、上手くいくように最も苦心した曲の1つだったね。各セクションのサウンドが全然違ったし、僕たちはこれまでヒップホップを取り入れたことがなかったし。でも結果には満足しているよ。

-ライヴとDJがいかにあなたの音楽に影響を与えているかという話がありましたが、この夏は各地で野外公演を行っているようですね。ミルトン・キーンズ・ボウル公演等で新曲をかなり演奏しているようですが、反応はいかがでしょう。新曲と旧曲のブレンド具合ですとか。

最高だよ! パフォーマーとしてはやっぱり新しい曲を多くやりたいし、古い曲はどこかの時点で飽きてしまうことがあるけど、活動休止期間があったから、古い曲も新しく感じるんだ。ミルトン・キーンズ(・ボウル)は今までやった中でも最高の部類に入るね。エネルギーに満ち溢れていて、とても良かったよ。

-新曲へのファンの反応も上々でしたか。

アルバムがまだ出ていなかったこともあって、ファンの半分はなんの曲なのか分かっていなかった気がする。だからちょっと困惑が感じられたね。でもリリース済みの曲に関してはいつもベストな反応を貰っているよ。みんな気に入ってくれていた。

-日本に関して言えば、PENDULUMは2018年までは数年ごとに来日してくれていたようですが、それ以降はあまりに間が空きすぎてしまいました。最後に、PENDULUMを待っている日本のファンへメッセージをお願いします。

日本にはぜひまた行きたいよ。僕たちのお気に入りのプレイ先だからね。というか、もし日本がなかったらPENDULUMは存在しなかったかもしれないとまで思っているんだ。君はこの男を知ってるかな? (※と言って棚を指し)この青いオブジェのことだよ。日本のゲームに出てくる"ロックマン"なんだ。......僕の日本語の発音が合っているかどうか分からないけど、ヤスアキ・フジタ(藤田靖明)という人がいてね。"BUN BUN"と名乗っていて、僕が子どもの頃やっていたゲームの音楽を作っていたんだ。

-へぇー!

僕はどんな曲よりも、そのゲームのサウンドトラックを一番聴いている。本当によく聴いているよ。今後コラボしたい相手は彼一択だね。実現したらクールだよ(笑)!

-ぜひアプローチすべきです。パーフェクトな組み合わせになるかもしれませんよ?

PENDULUMのシンセの使い方なんかは、全部彼の影響をダイレクトに受けているんだ。

-この記事がなんらかの形で彼に届いて、彼もコラボに興味を持ってくれるといいですね。

実はメールをしたことがあるんだ。そうしたら色よい返事をくれたよ。ただ、今は音楽から少し離れたことをやっているみたいで、音楽に戻るときに何か一緒にできれば、と言ってくれて、大感激したんだ。

-実現を願っていますね。

うん。それから、日本にはあまりに長い間行っていないから、ぜひまた行きたいと思っているよ。