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INTERVIEW

LUMiRiSE

2025.06.10UPDATE

2025年06月号掲載

LUMiRiSE

Member:琴海(Vo) 来未(Gt) おと(Ba) MIZukI(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

激動の1年を経て、LUMiRiSEは現ヴォーカル、琴海を迎えた新体制を盤石のものとしつつある。1stフル・アルバム『≠encore.』の完成度が何よりもその事実を物語っていると言えるが、現在進行中のリリース・ツアー"飛び出せLUMiRiSE"にも期待がかかることは当然、7月5日にはバンド史上最大キャパでの下北沢シャングリラ公演[飛び出せLUMiRiSE ~1st full album "≠ encore."リリースツアーファイナル ONE MAN LIVE]も開催!

-LUMiRiSEは5月に現体制での初アルバムとなる『≠encore.』を発表されましたが、現在は"飛び出せLUMiRiSE"で全国を回られているところとなるのですよね。

来未:6月22日でこのメンバーになってちょうど1年が経つんですけど、その日の私たちは愛知3STAR IMAIKEでライヴなんですよ。7月5日の下北沢シャングリラがツアー・ファイナルなので、6月22日に関しては1周年記念&セミファイナルっていう感じのライヴになると思います。

-この1年の間にLUMiRiSEはライヴも重ねつつ、フル・アルバムまで制作されていたわけですから、かなり多忙な日々だったのではありませんか。

来未:目まぐるしくはありましたね(笑)。大きなイベントに呼んでいただいたり、テレビ番組とのタイアップで曲がエンディングに使われることになったり(テレビ朝日"クロナダル"5月度エンディング・テーマ)、メジャーのアーティストの方とのツーマンがあったりと、いろいろな経験もたくさんさせていただいてきたなかでのアルバム制作だったので、とにかく常に目の前のことに必死な1年でした。

-2024年に新加入された琴海さんにとって、この1年はどのような日々でしたか。

琴海:1年前の今頃は、自分がLUMiRiSEに加入することでこのバンドはどんな雰囲気になっていくんだろう? とか、自分はこのバンドの中でどんなことをやっていけるんだろう? みたいなことをすごく考えてましたね。うちのメンバーはみんな名古屋なんですけど、私だけ大阪っていう物理的な距離があったので、まだみんなのことをあまり知らない段階だったせいもあるんですが、気持ち的には不安もすごく感じてた状態でした。

-良くも悪くも全てが未知な状況でいらしたわけですね。

琴海:未知どころじゃなかったです。この体制で始動したタイミングで、LUMiRiSEの代表曲「SHOOTER」を私の歌で新たに録って、"(Remasterd 2024)"として出したんですけど......ぶっちゃけ言うと、これが結構評判悪くて(苦笑)。

-今となっては的な逸話ではあるのでしょうけれど、なかなかの衝撃的事実です。

琴海:もちろん温かい気持ちで受け止めてくれた人たちもいたんですけどね。でも、最初はなんにしても前と比べられちゃうことが多かったんです。

-その大変な局面を琴海さんはどのように乗り越えられたのです?

琴海:もう"やるしかない!"っていう一心でした。私はどっちかというとライヴで見せるのが得意なほうだし、伝えたいことはライヴで伝えていこうっていうスタンスだったというか。"ライヴに実際に来て観てみろよ!"みたいな気持ちで、この1年ひたすらがむしゃらにやってきた感じなんです。そういう意味では、あの時期にいろんな意見を貰ったことが自分の糧になったとも言えますね。

-そのへこたれない姿勢、とても素敵です。

琴海:たぶん、周りのメンバーにとってもヴォーカルが変わるっていろんなことが違ってくるから、この1年間は本当に大変だったと思うんですよ。みんなの中に"LUMiRiSEをもう1回この4人でやっていこう!"っていう強い覚悟があって、その気持ちはここまでの一本一本のライヴや、今回のフル・アルバムの中にもたくさん込めてるんです。あれから1年が経って、ツアーで各地を回れるようになったり、MV(「SHOOTER」)の再生回数が10万を超えたりしている状況もあるので、私も本当に"この4人で頑張ってきて良かったな"って感じてます。だから、まだまだやりたいこともやらなきゃいけないこともたくさんあるんですけど、今はもう去年みたいな不安はありません!

-頼もしいですね。ドラマーであるMIZukIさんは、ここまでの1年についてどのように感じていらっしゃいますか。

MIZukI:やっとフル・アルバムを出して、ツアーをやるところまで来たのか! と思うとちょっと感慨深いものがあります。私は"このバンドが自分の人生で最後のバンド"と決めているんですが、この1年でお客さんも段々増えてきて、メンバーもどんどんバンドに対して前のめりになっていくこの状態に対して、"ずっとこういうのがしたかった。やっと理想のバンドをやれるようになった"と感じてますね。

-ベーシスト おとさんにとって、ここまでの1年はどのような日々でしたか。

おと:私は前のヴォーカルがやめた時点でドン底まで落ちちゃってたんですよ。そこからの今なので、個人的には"バンドやめないで良かったな"ってすごく思ってます。

-なんと! おとさんはその次元まで追い込まれていらっしゃったのですね。

MIZukI:そこは3人共そうでした。前のヴォーカルがやめて3人で話し合ってたときは解散ギリギリのところまで行ってたので。

来未:私たち楽器隊メンバーの3人は、LUMiRiSE以前から別のバンドでも6~7年くらいずっと一緒に活動してきてましたし、それより前にもそれぞれいくつかバンドを経てきていたんですけど、その時点では"LUMiRiSEの曲を全て表現できるヴォーカルなんかもういないじゃん!"みたいな感じになっちゃってたんです。だから、こっちゃん(琴海)との出会いはつくづくありがたかったですね。

おと:こっちゃんが加入してくれて、本当にLUMiRiSEはいい意味で全てが変わりました。この間、私もファンの人から"この1年でとてもいい方向に変わったね"って言われたんですよ。自分が意識していないところも含めて、いい影響を受けてるんだなと思いました。

-そのようなお話を伺うと、フル・アルバム『≠encore.』の内容がよりドラマチックに感じられてきます。今作にはこれまで公式チャンネルでMVを発表してきた楽曲や、シングルとして発表してきた楽曲、そして新曲が収録されておりますが、LUMiRiSEとしてはいかなるヴィジョンを持ちながら仕上げていった作品なのでしょうか。

来未:LUMiRiSEでは私やMIZukIも曲を書くんですけど、数人の作家さんも付いてくれているので、アルバムとしてはかなりいろんな要素が入っている内容になってますし、そういう作品をもともと目指していましたね。パンク・ロックっぽいって言われるような曲からラウドやメタル、あとはヴィジュアル系とかアニソンまであるので、聴いてくれた人たちからは、かなりいろいろな"〇〇っぽい"という意見を貰うことが多いです(笑)。

-たしかに、多彩な内容であることは間違いないですね。

来未:多様性がありすぎて下手したらごちゃごちゃになりかねない分、これを1枚のアルバムとしてどうまとめあげるか? という点が大事やなって意識が自分たちの中ではすごく大きかったです。感覚的には、いろんな漫画が1冊に載ってる"(週刊)少年ジャンプ"みたいなアルバムにできたらいいなと思っていたところがありました。

-ただ、それだけの多彩な要素を持った楽曲たちをレコーディングしていくとなると、各人の表現力や演奏スキルが問われていくことになりそうです。

琴海:いやー、めちゃめちゃ大変でした。LUMiRiSEの曲は、基本的にどれも速くて高くて言葉が詰まってるんですよ。そんななかでも、ただ歌うだけじゃなく歌詞の意味、曲の持っているカッコ良さをできるだけしっかり伝えようという気持ちで歌ってます。

-詞については琴海さんが書いていらっしゃるものも何曲かありますね。

来未:こっちゃんが入ってから作った新しい曲は、彼女が書いてます。

-詞を書かれる際、琴海さんが心掛けていらっしゃることは何かありますか?

琴海:順序としては先に曲ができているものに対して詞を付けていくので、なるべく曲の輪郭に沿った言葉選びをするようにしてます。その中に自分が伝えたい言葉や、自分がモットーとしている言葉を織り込んでいくこともありますね。