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INTERVIEW

EYE

2023.10.24UPDATE

2023年11月号掲載

EYE

Interviewer:フジジュン

-今EYEさんが音楽やこの状況を思い切り楽しんでいるのが作品を通して伝わってきますし、これまでしてこなかった表現というところで、ヴォーカリストとしての幅の広さも見せることができる作品になっていて。EYEさんの得意とするハード・ロック調の「inJUSTICE」とかもEYEさんの魅力全開で、ものすごい完成度の高い曲になりました。

「inJUSTICE」は"ここまでやっていいの!?"っていうくらい思い切りやらせてもらって、びっくりしちゃいました(笑)。デモの段階から"こう歌うしかない"っていうのがハッキリ見えるくらい、曲が完成されていて。なおかつ、"自分の好きなようにやってよ"という感じだったので、すっごい音量の幅もあったと思うし、エンジニアさんはすごく大変だったと思うんですけど、どれだけやってもちゃんと作品に昇華してくれるという信頼がすごくあったので、思い切って歌い切ることができました。

-EYEさんはできあがってきた曲に驚いて、思い切って歌い切ることができたし、EYEさんの歌を聴いてKAZAMIさんとSinriさんはきっと"想像を超えてきた"と言うと思いますし。その相乗効果でものすごくクオリティの高い作品になったんだと思います。

ありがとうございます。バンドだと、どうしても他のパートとのバランスを考えながら歌わなければいけないんですけど、今回はヴォーカルを引き立てる音作りをしてくれているので、歌の響きを抑えることなく、好きに発声することができて。コーラスも遠慮なく思くそ入れてるし、声の抜き際の吐息感やちょっと掠れた声も入れることができて、王道のバラードでも全然感じ方が違って、すごく新鮮でした。

-EYEさんの歌詞もすごく良くて。表題曲の「ARCANA」もですが、今の状況や心境を反映した真正直な言葉がスルスルと耳に入ってくる感覚がありました。

そこも変わったところかもしれなくて。今までみたいに考えすぎず、自然と出てくる言葉で書けたと思います。曲の持つ性格に名前を付けてる感覚というか、まさに感じたままにそのままスルスルと書けたんです。

-「Babel Syndrome」の歌詞も面白いですよね。"バベルの塔"って"傲慢の象徴"みたいに例えられますけど、"登り詰めろよ"とそれを悪いことに捉えていなくて。

今作の歌詞には、タロット・カード22枚の名前がちょこちょこ入ってるんですけど、縦ノリと合唱から始まる民族感から、私は"塔"のカードを連想して。この曲はフェスでやりたいねって生まれた曲だったので、合唱して楽しい系の曲にするならば、ちょっと宗教団体くらいのワードとノリでこの曲の性格を表現したいなと思って、"神"とか"隠者"とか、普段は使わないワードも交えて書きました。

-楽曲からライヴの風景を想像するという発想は、長年培ってきたらライヴ感覚みたいなところも生きてるかもしれないですね。

それはあります。野外ライヴの経験もあるし、ファンとして観に行ったこともあるので、レコーディングするときから、目をつぶったら映像が見えるくらいのイメージができていました。"このまま行けるでしょう!"と思ってましたし、ぜひ叶えたいですね。

-そんな『アルカナ』を掲げてのツアー("大アルカナTour")も始まっています。

札幌公演を終えて、大阪、名古屋、東京とツアーが残っていまして。名古屋はアコースティック編成なんですが、全公演ドラムがKAZAMIさん、ベースがRIO(Mary's Blood)ちゃん、ギターが夢時さんという4人編成で回ります。夢時さんのギターは毎回違うことを弾いてくれて、毎回違う色を出してくるからすごく面白かったり。私だけでなく、プレイヤーの束縛もどんどんなくして、"みんなで好き勝手にやろう!"と計画しているので、どんなライヴになるのか想像もつかなくて、すごく楽しみです。"大アルカナTour"と名付けただけあって、これを見逃したら一生観れないくらいのライヴになると思います。

-最後にもうひとつ。今作以降のEYE、つまり自分自身に期待することは?

今回、新しい自分や引き出しをちりばめて作ったので、次は"EYEといったらこうでしょう!"という、最強の何かがあるヴォーカリストになれたらいいなと思っていて。"何を歌ってもEYEになるし、EYEの必殺技には誰も勝てないよね"と思わせられるように、もっと尖った方向に突き詰めていきたいというのが課題でもあります。今は"ここに照準を合わせていけばいいかな?"というのがぼんやりと見えてるので、ここからのライヴでいろんなアプローチに挑戦して、"これだ!"というのを早く見つけたいです。

-おそらく、KAZAMIさんとSinriさんも同じことを思っているはずで。"EYEの必殺技はこれだ!"と3人の焦点がバシッと合ったとき、代表曲が完成するかもしれないですね。

それはある、すごくありそうな気がします。今は妥協なしで挑んだ『アルカナ』の制作を終えたばかりでみんなボロボロですけど(笑)、この作品が世に出て、自分たちで客観的に聴いたとき、"次はこんなことしたい"ってアイディアもまた出てくると思うので。EYEがここからどうなるのか? 私もすごく楽しみです。