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INTERVIEW

GARUDA

2023.07.19UPDATE

2023年07月号掲載

GARUDA

Member:崎村ゆふぃ(Vo)

Interviewer:杉江 由紀

-そういえば。この取材にあたり過去ツイートを辿っていくつか拝見したのですけれど、少し前に"令和になっても時代遅れの音楽やってて時期が来たら100億周して最先端かもしれないじゃん"との投稿をされていらっしゃったことがありましたよね。ご自身で時代遅れの音楽と認識しながらも、あえてそこを貫いていらっしゃるところにとても感銘を受けました。

そこはもう、自分が好きな音楽をやりたいっていうだけですね。TikTokでバズりそうな音楽とか、小中学生に受け入れてもらいやすい音楽ももちろんシーンには必要なんでしょうけど、自分がやるなら私はGARUDAでやってるこの音がいいんです。

-EP『#GARUDA』には、そんな"GARUDAでやってるこの音"が凝縮されて詰まっておりますね。また、音だけでなく歌詞からも強い意思が感じられる印象です。

私は常に心の中に"うるせぇ!!"っていう気持ちを抱いているので、今回の作品にもそこは出てますね。特に「#GARUDA」は反骨精神がすごい出てます(笑)。

-歌詞の面では"私は負けねぇ/魂は売らねぇ/絶対に屈しねぇ"というフレーズだけを見ても、もはやインダストリアル・メタルどころかパンクです。

私は自分が今感じていることや歩んできた人生が詞にもろに出ちゃうんですよ。学校生活が楽しかったタイプの人間ではなかったし、この詞に関しては初期とは少し変えたところもあって、例えば"正義?偉そうに言うな/真実?嘘ばっかだろ"っていう部分なんかは、今回のレコーディング前に書き直しました。

-より今の気持ちに詞を近づけられたのですね。

はい。アイドル生活を経てきた中でも、いっぱいろくでもない大変なものも見てきました。自分の経験、周りで起きたこと、それは決して美しいものだけじゃなかったから、今回の「#GARUDA」ではそういうところも加えて歌いたかったんです。かなりストレートな物言いになっちゃってます(笑)。

-エンタメ業界のみならず、会社や学校、SNS内での繋がりなど、いかなる場においても人間の営むコミュニティの中には何かしらの行き違いや揉め事が起こる可能性が常にあるわけで、この「#GARUDA」の中にこもった怒りや衝動は、多くの人から共感をもって受け入れられるような気がいたしますよ。あるいは、この曲の持つ強さから勇気を貰えると感じる人もいるはずです。

だったら良かったー! 作品を世に放ったとき、みなさんの感じる解釈はそれぞれ違うと思うので、そこは聴き手であるみなさんに委ねてるんですけど、もし私の歌っていることに共感していただけるんだとしたら、本当に作ってる甲斐があります。

-当然、歌詞の持つメッセージ性がこれだけ強く伝わってくるのは、ヴォーカリゼイションによるところも大きいと思います。ライヴで幾度も歌ってこられた「#GARUDA」を新たにレコーディングする際、何か意識したことやこだわられたことはありましたか。

自分の心の中にあったのは"絶対にこれを残したい!"っていう気持ちでした。やっぱり、初期から大事にしてきたGARUDAにとっての「#GARUDA」は正式に音源として残すべき曲だ、っていう強い想いがありましたね。そして、今の自分ならもっとこの曲を深く理解して歌えるぞ! っていう自信もありました。前の『The Battle Of Nightmares』のときよりももっと歌唱力も上がってると思います。

-歌唱力の向上は、バラード曲「NOEL_HEROINE」からも窺えるところかと思われます。

そうですね。「NOEL_HEROINE」みたいなバラード曲を歌うのはすごく難しいことなんだな、と今回のレコーディングでは気づかされました。この曲はヒーロー・ソングを作りたいというアイディアから産まれた曲で、きっとみんな心のどこかでは自分にとってのヒーローたちがいると思うんです。なので、すごく丁寧に歌いたい気持ちもあったし、以前よりも成長した歌をかたちにできたと思います。今回は「#GARUDA」と「拳」がかなりハードなので、この曲で"おっ! バラードも歌えるのか"って感じてもらえたら嬉しいです。

-では、ここからはかなりハードな「拳」についてもお話をうかがって参りましょう。なんでも、この楽曲はGARUDAとして"プロパガンダを掲げる"ものになるのだとか。

ライヴだと、この曲のとき私は釘バットを振り回してますからね。武器を持って歌いたかったんですよ、どうしても。

-いやはや、ステージで釘バットはあまりに物騒すぎませんか(笑)。

あははは、そうかも(笑)。この「拳」はみんなを奮い立たせたい曲なんです。姿勢としてプロパガンダなんですよ。聴いて楽しんでほしいというよりは、みんなでやってやろうぜ! っていう曲になってます。

-要するに、GARUDAはエンタメ素材として消費される存在には甘んじることなく、ユーザーの人生にも関わっていくような存在でありたいということになりますか。

その気持ちも強いですね。自分自身がバンドにもアイドルにも何度も救われてきたところがあって、音楽を拠り所にすることで生きてこられた人間だから、今こうして自分がステージに立つことになった以上、今度は私がみなさんに対して力を与えられるような存在になりたいんです。生活の中の彩りでもいいですしね。

-なんとも頼もしいお言葉です。

ときどき"GARUDAをやってるから、あなたは自信満々な人でしょ"みたいに言われることがありますけど、最初から今みたいにやれてたわけじゃなくて。でも、自分のことを見てくれてる人がいる、自分が活動をすることで"明日も頑張れる"って思ってくれる人がいる、私がリプをするだけで幸せって感じてくれる人がいる、そう考えたらこんなに素敵なことってないよなって思うんです。だからGARUDAとして堂々と前を向いて君臨し続けたいです。

-なるほど。ということは、「拳」の中で歌われている"お前をぶっ壊す 私はぶっ壊す"、そして"自分を誇れ"という呼び掛けは、聴き手に対してのものであると同時に、過去も含めたご自身に向けたものでもあったりして?

あぁ、そうですね。今そう言われてみると納得しかしないです(笑)。もし、今の私が過去の自分に声を掛けられる機会があるなら"お前、もっと自信持てよ!"って肩をパーン! って叩くと思います。

-そうした経験をされてきたからこそ、醸し出せる説得力がGARUDAの音楽の中にはたくさん含まれているのではないでしょうか。

そうだといいなと思います。とりあえず、怒りがわいているときに歌うと「拳」はよりパワーを持った曲になりますね(笑)。今回の『#GARUDA』はほんとにどれも自分の素直な気持ちで歌ってます。

-さて。そんな『#GARUDA』がリリースされる7月26日には、フル・バンド・セット形態での初ワンマン・ライヴ"GARUDA 1st ONEMAN LIVE「PERFECT BLACK」"が新宿club SCIENCEにて開催されるそうですね。

今度のワンマンは、これも今だからこそできることだと思っています。今までは内側にこもった活動ばかりだったけど、もっと外に向けても発信していかなきゃと思ったんです。ここまでやって来て、『#GARUDA』を完成させることができた今、次はライヴでみんなの前で示すべきものを示さなきゃいけないなって思ったんですよ。GARUDAはカッコいいんだ! っていうところを、ここではしっかりと見せたいです。今だからこそ表現できるものと、見てもらいたいGARUDAをここでみんなに伝えたいと思って開催を決意しました。

-そのライヴに"PERFECT BLACK"と冠した理由についても教えてください。

私って不完全なんですよ。歌ってるときは自信満々なんだけど、MCになると"フニャフニャだね"ってよく言われるし(苦笑)、ステージ降りると"思ったよりちっちゃいんだね"とか言われますからね。でも、GARUDAとしてステージに上がって、羽根の衣装を着けて、ペストマスクして、釘バット持ってるときだけは完璧なんだぞ! っていうのと、インダストリアル・メタルのイメージを色にするなら黒だろうなと思うから"PERFECT BLACK"って付けました。

-なんでも、当日のバンド・メンバーにはMANAMIX(Gt)さん、渡部かをり(Ba)さん、森 はるか(Dr/FATE GEAR)さん、MAI(Key)さんが決定しているそうですね。

実は、はるかさんとMANAMIXさんとは、私がまだGARUDAの始動準備をしていた時期に"MANSONのカバーをするのにヴォーカリストを探している"っていうことで、当時お世話になっていたイベンターさんを通じて知り合ったんですよ。その頃からのご縁なので長いお付き合いなんですが、今回はいよいよワンマンにも参加していただくことになりました。7弦ギターと5弦ベースのこのバンド・セットはほんとに強力ですごいので、私はみなさんの力も借りながら、そしてみなさんに負けないようにしながら、完全に"ナメんなよ!"っていう態勢で闘います!!

※マガジン掲載時、発言者部分に誤りがございました。訂正してお詫びいたします。