INTERVIEW
オトむしゃ
2022.11.19UPDATE
2022年12月号掲載
Member:Yu-ki(Vo) SEIYA(Gt) ITSUKI(Gt) SHINYA(Ba) K(Dr) ヘリオス たいき(DJ)
Interviewer:清家 咲乃
今も自分たちの音楽とは? っていうのを追求しながら、 かなり綿密に一個一個組み立てていってます
-なるほど。「鬼退治」(『娯』収録曲)の歌詞でも、鬼を倒すのが桃太郎やもっと強いものではなくて一寸法師というのが意外だったというか。
Yu-ki:あれは僕たちがバンドを始めたときにいろんな先輩を目の当たりにして、もうすごく巨大に感じたんすよね。"めっちゃ強そう、僕たちもああなれるのか?"みたいな。そういうときの曲だったんで、どっちかっていったら桃太郎よりも鬼を針で倒す一寸法師のほうが僕たちっぽいなと。もちろんかっこいいのも大好きですし、僕らも研ぎ澄ましていきたい部分ではあるんですけど、それだけじゃやっぱり人には伝わらないなっていうか。
SEIYA:どう見られてるかわからないですけど、僕らみんな真面目なんで。
-今日お会いして、そうなのかなとは思いました(笑)。
一同:(笑)
Yu-ki:結構真面目ですよ。普段も毎日メンバーと集まって、ランニングとか筋トレから始まり......。
K:今は縄跳びしてます。朝から。
Yu-ki:僕らもともと朝から夕方までは絶対バンドの時間に使うって決めてて、そこで作曲してたんですけど、やっぱ朝一は眠たいんでみんなボケッとしちゃうじゃないですか。それだったら朝一で、全員でランニングとかして、頭をスカッとさせてから作曲に入ろうみたいな。それがもうかれこれ1~2年ぐらい続いてますね。
-ミーティングというのは、普段はどういうことを話すんですか?
Yu-ki:(裏武者含めて)メンバーが9人もいると不満とかもたまってくることもあれば、バンド内のルールをしっかり設けておかないとうまく回らないこともあるし、環境とか状況によって都度変わっていくことも多くて、それを毎週アップデートして。曲の方向性もそうですし、あとは細かいことで言ったらライヴ中の動き方とかも。
-例えばたくさん聴いている音楽を"こういういいのがあったよ"みたいに提案したりも?
SHINYA:そうですね、共有しながら。
-いつもどのように楽曲を形にしていくんでしょうか。
Yu-ki:裏武者メンバーからトラックを貰って、それに対してアレンジしていくこともあれば、ギターからエレクトロなサウンドをつけていくこともありますね。そこから最終的にはJINさんとも相談しつつ。ほんまに全員で組み上げていってますね。
-今回はトラックとバンド・サウンド、どっちが先行で?
Yu-ki:「悪魔のび太」はトラックですね。そこからギターを入れて、歌入れて、アレンジしていき、今に至ったって感じですかね。
-トラックが上がってきてから歌詞を考えるんですか?
Yu-ki:そういうパターンもありますし、事前に歌詞をバーッて書いてて、それをトラックにはめ込むときもあります。
-トラックが先に上がってくると、楽器を入れる塩梅が難しかったりしませんか?
ITSUKI:そこも相談しながらっていう感じですかね。何回も作り直します。だから遅い(笑)。自分らも考えて入れて、"ここもうちょっとこうしようか"みたいな模索はするし、それにかける時間はやっぱ多くはなるんですけど。いいか悪いかっていうのも(バンドと裏武者の)両方で判断して決めていきますね。
Yu-ki:トラック・チームはEDMとかトラップとかエレクトロなビートの集団で、そこに対して僕らの"パンク好きなんで"みたいな感じのギターを交ぜ込むっていうのは、かなり苦労してます。僕たちのって"こういうジャンルです"ってのは決まってないような音楽じゃないですか。今も自分たちの音楽とは? っていうのを追求、研究しながらかなり綿密に一個一個組み立てていってますね。
-それはデモを送って、また返ってきてというやりとりなんですか。
Yu-ki:僕ら、裏武者も一緒に全員で住んでるんですよ。だから直接的にやりとりするほうが多いです。もともとは遠かったんでデータのやりとりだったんすけど、それじゃもう追いつかなくて。
-レコーディングは宅録みたいな形で?
K:いろいろですね。ドラムを録ったり、打ち込んだりもありますし、僕が好きな音を入れ込んだり、そこはトラック・チームと相談しながら練っていって。
-この編成だとこだわりだしたらキリがないですよね。
Yu-ki:本当にそうですね。TAMA君は僕たちにはわからない分野でやってくれてて。僕らは僕らで自分たちのできるアレンジの範囲と、"ここはこういう感情が欲しい"とか。だから一般的なロック・バンドより、1曲作るのにすごく手間暇がかかるかもわかんないですね。それをまたさらにまとめて、お客さんに伝えやすくするにはどうしたらいいかなとか。楽しんでます。
-ライヴで演奏する側の感覚、気持ち良さとの兼ね合いも。
Yu-ki:"ここはみんなで感じるとこにしたいな"とか、常にライヴを想定しながらやってます。ライヴは全員感情でやってますね。もうそのときのすべてをそこに置いてくるみたいな感じで。毎回声もガラガラになっちゃいますし、腕もちぎれそうになりますし。そのぐらいみんなでひとつになっていこうぜみたいな気持ちが強いですね。
-シンセとかのフレーズはDJセットのほうで出すんですか?
ヘリオス:基本的には同期です。
-同期を聴きながらというのも大変ですよね。
K:最初は悩みましたけど、それ込みでのバンド・サウンドやし、楽器隊ひとり増えたぐらいの気持ちがしますね。
-「悪魔のび太」も「SAMURAI COMBAT」にも和風の響きがあって、"音武者"という名前も侍っぽさがありますが、11月19日にバンド名の表記が"オトむしゃ"に変更になる(※取材は改名前)んですよね。どういう意図があってそうなったんですか?
Yu-ki:いろんな要因があるんですけど、ひとつはそっちのほうが見やすいなと。"音武者"ってちょっと怖く思われちゃうみたいな、バンド名と見た目のインパクトで先入観が強すぎるとこがあって。自分たちのこれから向かう音楽性もそうですし、これからチャレンジしていきたい分野もそうなんですけど、もう少し自由にやりたいという。
K:バンド名で向こうも構えちゃうみたいな。
-ヘリオスさんの改名のほうは?
ヘリオス:僕は結構テンションが高くて、"太陽みたいな人だな"って言われたことをきっかけに変えようかなと。
-ミュージック・ビデオの雰囲気も毎回違いますが、今回はどうなりそうですか?
K:今回もヤバいな。
ヘリオス:監督さんがすごく面白い方で、一緒に相談しながらやったんですけど、あれはヤバかったね。
Yu-ki:僕らもダンスにチャレンジするとか、やったことないことを詰め込んだ部分はたくさんあるんで、観たらみんな絶対楽しんでもらえるかなと。
K: 2ヶ月ぐらいダンスを練習したんですよ。めちゃくちゃ頑張って。
Yu-ki:腕ちぎれるかと思いました。
ITSUKI:いっつも腕ちぎれてるやん。
ヘリオス:みんなダンスをするのは初めてだったんで、イチから覚えるってなってくるとなかなかやっぱ難しいというか。
SEIYA:そうです。
K:ハードやったっす。
-これまでバンドを観てきた人もびっくりするようなものに。
ITSUKI:たぶん今まで見てきた人が一番びっくりすると思います。すっごいことしてくるなぁっていう。
K:僕らもできあがったの観てびっくりしました(笑)。
-ぜひ音源と併せて観てほしいというところですね。現在、東京を拠点に活動されてるということで、今後、特に来年はどうなっていきそうですか?
Yu-ki:今年の12月3日に東京初の自主企画があるんですけど、そこから始まり、来年は東京で初のワンマンをやりたいなとは思ってます。
SEIYA:来年中かな。
Yu-ki:そう。来年からもいろんなことにチャレンジします。ライヴだけじゃなくてYouTubeも開始しますし。いろんな角度からオトむしゃを表現できたらなって。
ITSUKI:新しい曲をいっぱい出していったり、ワンマンだけじゃなくてまた違うイベントを組んでいったり、何かオトむしゃが新しいことにチャレンジする年になりそうです。
K:僕は来年......大食い企画やりたいっすね。
-えっ、大食いですか!?
K:新たなことに挑戦したいですね。身体を作ってムキムキになって、マッチョバンドになろうかなって思ってます。
ITSUKI:ドラム叩けよお前!
-SEIYAさんはいかがですか?
SEIYA:え~、そうですね、やっぱ大食いっすかね。
一同:(笑)
SEIYA:まぁワンマンは達成したいですね。大阪ではやったことあるんですけど、東京で挑戦したいなと思います。それとTikTok、YouTubeもそうですし、SNSにもどんどん反映していきたいですね。
SHINYA:自分たちで企画とかして、この界隈の仲間たちと一緒に上がっていきたいですね。
-もう東京で仲のいいバンドとかもできてきてるんですか?
SHINYA:そうですね、ちょいちょい。でもまだまだなんで(笑)、いっぱい仲間になりたいですね。東京で友人が欲しい。
ヘリオス: 12月3日の初企画もあるんですけど、それをもうちょっと来年は大きくして、大阪からの仲間も入れながら東京でオトむしゃ主催でやりたいなと。今後もイベントを増やしていく予定ではいるので、仲間のみんなとできたらなって思ってます。