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INTERVIEW

Avril Lavigneリリース記念対談 あやぺた(Dizzy Sunfist) × わかざえもん

2022.03.08UPDATE

2022年03月号掲載

Avril Lavigneリリース記念対談 あやぺた(Dizzy Sunfist) × わかざえもん

-学生時代、バンドでコピーしたりもしていたんですか。

あやぺた:高校時代にそれこそ「Sk8er Boi」はコピバンでやって。大阪のなんばHatchでDizzy Sunfistの10周年ワンマン("Dizzy Sunfist 10th Anniversary One Man Live『One-Man,BARI,Ya-Man』")をやったときは、アコースティックで「Complicated」をやりました。

わかざえもん:アコースティックはエモい。それくらい大事な曲でもあるんですね。私もたしか高校のときに軽音部でやっていた気がします。軽音部で洋楽やってるやつかっこいいみたいな感じで、NIRVANAとかAvrilの曲もやっていたかなって。ただベーシスト的に思うのは、楽曲のミックスのバランスは歌とドラム、ギターが要な感じがあるので。ベースはわりと影に徹している感じなんですよね。だからコーラスをやるとか、そういう楽しみ方だったかなと思います。

-Avrilのライヴは観ているんですか。

あやぺた:中学2年のとき、2005年の大阪城ホールでの来日公演を初めて観に行って。当時チケットが7,000円とかで、当時の学生には高すぎたけど(笑)。アリーナ席だったんですけど、中2やとまだ身長も低いし、周りが大人ばっかりで全然見えなくて、めちゃくちゃ悔しかったですね。ずっと背伸びして観ている感じで。それでも、Avrilこんなんでしたもん(※指先くらい)。そのあとは"サマソニ(SUMMER SONIC)"とかでも観ているんですけど、"サマソニ"でもやっぱりこんなん(※指先くらい)でした。

わかざえもん:私はまだ1度もライヴを観たことないので、小さくてもいいから観たいです(笑)。

あやぺた:ライヴに行って、この女の子になりたい! って思って。ライヴではAvrilがギターも弾くしピアノを弾きながら歌うし、ドラムも叩くしで、それに圧倒されて。当時ピアノは習っていたから、そこからギターも始めて、ドラムも絶対習おうと思って。とりあえず、Avrilと同じフェンダーのテレキャスを買いに行って、同じストラップ──ピンクと黒の格子柄のを探してきてつけてました。

-本当に原点と言えるのがAvrilなんですね。

あやぺた:今でも、この歌詞めっちゃAvrilが書きそうっていう強気な女でいる歌詞を書いたりとか。そういう面でも影響を受けていると思いますね。日本のAvrilになりたいっていう、中学からの目標があるので。でもLiSAちゃんに越されちゃったから、堺のAvrilになります(笑)。

-初期のポップ・パンク的な作品から、作品を重ねながらいろんな変化をしていくわけですが、アーティスト Avril Lavigneをどう見ていたのでしょう。

あやぺた:3rdアルバム『The Best Damn Thing』(2007年リリース)以降くらいから、生のドラムの音じゃなくて打ち込みも増えていって、新しい音楽に挑戦していくのはかっこいいなと純粋に思ったんですけど、個人的にはちょっとさみしかったですね。

わかざえもん:私も同じことを感じてました。特にアルバム『Head Above Water』(2019年リリース)とかは、ベースもシンセっぽい感じで、今風というか。私はアーティストが変化していくのは好きで、特に海外のアーティストってアルバムごとにガラッとサウンドを変えてきたりするから。こういう楽曲の中で聴こえるAvrilの声もいいなって思っていて。でも同時に、やっぱりもう初期の頃とは違っちゃったのかなっていうのはあったんですけど。最新作『Love Sux』が、全曲イケイケで。いろいろやってきたけど、やっぱりAvril的にも、こういうのが自分の表現として揺るがないものだったのかなってのが感じられて、嬉しかったですね。

あやぺた:もう今回はガッツポーズですよね(笑)。

わかざえもん:今回、2曲だけ先に聴けたじゃないですか(「Bite Me」「Love It When You Hate Me Feat. BLACKBEAR」)。私ラーメン屋さんにいたときに「Bite Me」が流れてきて、ラーメンすすりながら"あれ、これAvrilだよね!?"って。アルバム出るんだ! ってすごく嬉しかった。

-最新作『Love Sux』は帰ってきたという感じがありますよね。

あやぺた:マジで最高でしたね。これ参考にして曲作ろうかなくらい(笑)。

わかざえもん:そういうの楽しいですよね。

あやぺた:このギター・サウンドとポップ・パンクの感じって、Avrilの声めっちゃ合うなと思って。

-しかも今作の制作陣は、あやぺたさんはストライクじゃないですか? プロデューサーにJohn Feldmann(GOLDFINGER/Vo/Gt)がいて──

あやぺた:Travis Barkerもいて、しかもMark Hoppus(BLINK-182/Vo/Ba)との曲「All I Wanted」は、もはやBLINK-182やんって思って。Markの声がきた瞬間、BLINK-182やんってなるじゃないですか。最高ですよね。しかも、MACHINE GUN KELLYをフィーチャリングした曲「Bois Lie」も入っていて、おいしいところ持ってくるな、ずるいなって思って。

-『Love Sux』ではどの曲が良かったですか?

あやぺた:「Kiss Me Like The World Is Ending」と、Markとの「All I Wanted」が最高ですね。

わかざえもん:私はラーメン食べながら聴いた、「Bite Me」がやっぱり、"THE Avril"な感じで良かったのと、あとは1曲目の「Cannonball」も好きでしたね。ずっと下でハモってるのかな、コーラスの感じがちょっと不思議じゃないですか。ヴォーカルのエフェクトとかも、尖っていて。

あやぺた:1曲目からテンションが上がるよな。

わかざえもん:あとはちょっと前からMACHINE GUN KELLYも聴いていたので、今回フィーチャリングが多い中でも、こことやってくれるんだっていういちファンとしての嬉しさもあったし。アルバム全体通しても、1曲しっとりした曲がありますけど、ずっと勢いがあって。今でも尖ってるんだなっていうのが聴いてて楽しくて、あっという間に聴き終えてしまう感じで。

あやぺた:このアルバムを聴くと、自分が作った音楽は、そんなつもりなかったけど哀愁漂ってたんやなって思う。こういうアルバムが作りたいって心底感じたっていうか。聴いていてテンション上がるし。こういう時代にも、明るく照らせる曲だなっていうのは思いました。

わかざえもん:やっぱりAvrilの曲ってサビで世界が広がるイメージがすごくあって、今回そういう曲が多かったですよね。サビきた! っていうのがあるから、より明るく感じられるかもしれない。

-歌詞を見ると相変わらずというか、Avril節なアルバムですよね。

あやぺた:相変わらずですよね。今回ほんま"Love Sux"じゃないですか。全部、恋愛に対しての曲で。そんなこと書けんねやっていう。全然、幸せじゃないやん、Avrilって思っちゃった。

わかざえもん:たしかに(笑)。ずっと、いつか終わるならみたいな感じですもんね。でも体感としてはちょっと、大人としての恋愛とか、ラヴ・ロマンス的なところも感じたりしました。

あやぺた:余計なお世話かもしれんけど(笑)、幸せになってほしいなって思いますよ。

-ニュー・アルバムがリリースとなって、次に期待したいのは日本でのライヴですね。

あやぺた:そうですね。もともと2020年に予定されていた来日ツアーも延期になってますしね。

わかざえもん:早く観たい。でも改めて、MVとかジャケットを見ても、全然変わらないですよね、Avril。

-たしかに、基本的には1stアルバムの頃から髪型などスタイルも変わらないですよね。これがAvril Lavigneというものになっていて。

わかざえもん:飽きちゃったりしないのかなとか。

あやぺた:髪型とかね。

わかざえもん:海外のアーティスト、女性シンガーというとアルバムごとにジャケ写とかも全然違って、誰? みたいなこともありますけど。ほんとずっとこのイメージですよね。だから、どのアルバムも刺さらなかったみたいなのがなさそうですよね。ずっとAvrilはAvrilな感じ。1stアルバム『Let Go』も今流れていても違和感がないし。もし名前は知ってるけど、ちゃんと聴いたことがない人がいるなら、ぜひ今回のアルバムから入って明るい気持ちになって、それをきっかけに1stアルバムとかも聴いてもらえたらいいんじゃないかな──って誰目線なんだろう(笑)。




Avril Lavigne

カナダ出身のSSW。2002年にアルバム『Let Go』でデビューし「Complicated」、「Sk8er Boi」などのヒットで人気を獲得。デビュー以来3枚連続ミリオンという日本の洋楽史上前人未到の記録も達成。デビュー20周年の2022年、2月にアルバム『Love Sux』を発表した。


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あやぺた(Dizzy Sunfist)

2009年に結成された大阪発の3ピース・メロディック・パンク・バンド、Dizzy SunfistのVo/Gt。2020年に出産を経て活動を再開し、2022年3月12日からは最新アルバム『DIZZYLAND -To Infinity & Beyond-』レコ発ツアーのファイナル・シリーズ開催を控えている。

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わかざえもん

レフティ・ベーシスト。17歳より活動を始め、河村隆一、ずっと真夜中でいいのに。など様々なアーティストのライヴやRECのサポートを行う。2019年にはコロナナモレモモ(マキシマム ザ ホルモン2号店)のベースに抜擢。その他アレンジ、作曲、ミックス、マスターまで幅広く活動中。

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