－デビュー曲「赤いメモリーズをあなたに」は、テーマ・パークっぽい要素や、いろんなテイストが入ってますよね。

一見バラードだけど、ロックぽい要素があって、アニメの世界観が宇宙なので、闘いや生き死にも歌ってますからね。

－「花香鮮夢」は和テイストが前面に押し出された曲調に仕上がってます。

沖縄の桜が舞台になってるゲーム・アプリ（"琉球異聞 朱桜の繋"）のオープニング主題歌なので、世界観がまた違うんですよ。「胎動」（『Lush＊energy』収録曲）という曲にも私は和を感じるんですけど、今回は入ってないんですよね（※初回流通分のみダウンロードにて入手可能楽曲）。

－「fragment」は、どこかノスタルジックな雰囲気が漂ってますね。

この曲は自分の解釈だと、"大人になった自分が子供の頃の自分を見守ってる"みたいな。パラレルワールドっぽいものも感じつつ、物語を読むような気持ちで当時は歌ってました。過去の自分の思い出の欠片を集めて歌うようなイメージでした。

－そして、「魂WAVE」ではラップを披露してますけど、今作の中でも異色のナンバーですね。

最初は、"えっ、ラップですか！？"と思いました。すごくびっくりしましたね。歌詞もめっちゃありますから。仮歌を聴いて、こういうふうにやればいいのかなって考えました。韻もどうやって踏めばいいのかわからなかったですからね。だけど、レコーディングのときは楽しんでやれました。恥ずかしさもあったけど、"やっちゃおう！"って。ライヴでこの曲をやると、お客さんも一緒に歌ってくれることもあるし。たしかにまた全然世界観の違う1曲ですね。

－今作の中でもかなり飛び道具的な楽曲で面白かったです。かなでさんが個人的に印象に残っている楽曲はありますか？

いつもならディレクションがあるんですけど、「I's」という曲に関しては特になくて、好きに歌わせてもらえたんですよ。レコーディング当日に最後の1行の歌詞を変更させていただいたりして、曲作りに参加したなぁという思い出がありますね。作品ともリンクしたドラマチックな表現を、歌唱でもやれたと思います。レコーディングでも感情優先でいけたという意味では、この曲は挑戦でした。周りは何も言ってくれなかったので、"大丈夫なのかな？"って心配でしたけど（笑）。

－あと、今作には新曲「Sun of your life」が入ってますが、それについても聞かせてもらえますか？

年明けにサプライズで"新曲を準備してます"と言われて、私自身もびっくりしたんですよ。他の曲は5年半の間の私という形ですけど、この新曲についてはデビューから5年半を経た私という部分で作詞をしました。

－5年半を経た現在の自分を歌おうと？ それとも未来に向けて歌ったんですか？

未来ですね。常に作詞は現在のことを歌っていたんですよ。「流れ月」、「DAYBREAKER」、「革命のヴァンガード」もそうですね。でもこの新曲は、未来に向けて歌おうと思いました。ライヴだと、アンコールで歌っているようなイメージですね。

私自身がみんなの光になりたいと思ったんです

－「Sun of your life」は、応援歌的なニュアンスも強い曲ですよね。

そんなことを言える人間ではなかったけど、これまでいろんな人がついてきてくれて、助けてくれましたからね。"ということは、これからは私が照らす側に回るんだ"という自分自身に対する決意表明でもあります。かなり踏み込んだ歌詞になってますね。

－"私がみんなにとっての太陽になるんだ！"ぐらいの勢いですよね。

そうですね。いろんな活動を経て、みんながいろんな場面で、サイリウムで照らしてくれたりしたからこそ、今度は私自身がみんなの光になりたいと思ったんです。"君を照らすのは／僕じゃなきゃダメだ"という歌詞もそういう気持ちで書いたんですよ。

－素晴らしいじゃないですか。まさに曲名通りの歌詞ですね。

「Ocean of Lights」は"海の光に照らされて、自分も照らす"という意味があったので、この曲はそれに対するアンサー・ソングでもあるんですよね。

－なるほど。"超えてゆこう もっと 生きる希望、愛を／ah届けたいんだ"の歌詞も胸に響きました。

5年半も活動していると、"歌う理由ってなんだろう"と考えるんですよね。みんなの心を救ったり、癒したりとかを超えて、"明日への希望になりたい"という気持ちが大きくなってきたんですよ。みんなに寄り添ったあとは、その向こうにあるものを提示しなきゃいけないなと。"この場所で吐き出して、明日に向かって突き進もう！"という曲が欲しかったんですよ。これから愛してもらえる曲になればいいなと思ってます。

－わかりました。かなでさんは、これからの音楽活動についてはどんなふうに考えてます？

みんなで肩を組んで、「Sun of your life」でも示したような自分になれたらいいなと。

－どんどん強い光を放てる存在になろうと？

そうですね。深い闇を知っているからこそ放てる光があると思うんですよ。かわいらしかったり、上品だったりする光というよりも、泥まみれだけど、それをペッペッと払って堂々としてる光みたいな。そういうものを届けたいですね。今回はどの曲を聴いても、自分という存在が入っているものばかりですから、これからもあまりかっこつけずに、今は楽しい、今はしんどいとか（笑）、素直に伝えられたらいいなと思います。

－ちなみに今作のレコ発ライヴは用意されているんですか？

今回のアルバム購入特典として、ワンマン・ライヴを6月23日にやるんですよ。アルバムを買えばワンマン・ライヴに来れちゃうチケットが貰えるという。2時間近くガッツリとワンマン・ライヴをやります。お誕生日の近くにアルバムも発売して、歌も届けることができるので、とってもお得なんです（笑）。私自身もテンション高くライヴを迎えられるし、このアルバムをきっかけに知ってくださった方には絶好のチャンスじゃないかなって。レコーディングも楽しいですけど、ライヴの経験が自分を成長させてくれたと思っているし、私はライヴ・アーティストだとも思ってますからね。ライヴを観てくれるのが一番嬉しいので、ぜひ足を運んでほしいです。まだ細かい部分はまだ決まってないんですけど、今作に入ってる全曲を歌えたらいいなと考えています。