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INTERVIEW

Fuki

2019.06.07UPDATE

2019年06月号掲載

Fuki

Interviewer:荒金 良介

メタル・クイーン、Fuki(Fuki Commune/Unlucky Morpheus/DOLL$BOXX)がソロ・アルバム『Million Scarlets』をリリース! 今作はMao(ex-LIGHT BRINGER)をメイン・コンポーザーに据えながら、たなかひろかず、Tom-H@ck、絵恋ちゃん、Li-sa-X、Unlucky MorpheusのJillなど錚々たるメンバーが参加している。Fukiのこれまでの出会いや音楽の軌跡を凝縮したバラエティに富む作風に仕上がった。壮絶なヘヴィ・メタル・チューンから超キャッチーな電波ソングまで網羅した渾身作について、Fukiにたっぷりと語ってもらった。


ここまで自分の出したいものを全部出せたアルバムは初めてかもしれない


-今作はFukiさんのこれまでのキャリアを総括した集大成的な1枚ですね。これは本当にすごい作品だなと。

ありがとうございます。Fuki Communeで2016年に(1stアルバム『Welcome!』を)出しているけど、そのときはすべて書き下ろしではなく、外部で歌わせてもらったものも収録した内容だったんです。寄せ集めではないけど、ゼロから作り上げた曲は少なかったから。でも今回はゼロからMao(ex-LIGHT BRINGER)君と一緒に"こういう曲を入れたいよね"と話し合いながら構築したんですよ。ほとんど書き下ろしなので、"Fukiがほんとに作りたいものを作るとこうなるぞ"というものを見せられた作品かなと。

-ええ、まさにそんな作品だと思います。

荒金さんに集大成と言われて、そこは意識してなかったけど、たしかにそうだなと思いました。自分はこういう歌も歌えるけど、こんな歌も出せるみたいな。自分の引き出しを全部開けましたからね。

-Fukiさんはあんきも(Unlucky Morpheus)、ドル箱(DOLL$BOXX)と、関わるバンドによって歌声のアプローチを変え、棲み分けも意識されていたと思うんですが、今回はそういう敷居を取っ払った風通しの良さがありますよね。

そうですね。"Fukiのバリエーションはこれです、いかがですか?"って(笑)。あんきも、ドル箱ではもともと分けていなかったけど、作曲者の色があるので自然と歌も曲調に寄せていきますね。今回は主体がFukiなのでなんでもありだなって。

-ここにきて、ついに"ネイキッドFuki"が出てきたなと。

はははは(笑)、そうですね。Fuki Communeのときは当時のディレクターの意向もあり、メタラーに対して訴求力があるものを作ろうと思い、Mao君が曲調をわりとそっちに寄せて作った部分もありますから。今回はメタルに限らず、いろんな歌い方や世界観に挑戦して好き放題にやらせてもらったんですよ。だから、自分の中でもすごく手応えがありますね。Fukiの名刺代わりになるものがやっとできたなと思います。ここまで自分の出したいものを全部出せたアルバムは初めてかもしれない。

-Fuki名義のソロ・アルバムを作ろうと思い立ったのはいつ頃になるんですか?

Fuki Communeでアニソン・デビューという形になりましたけど、実はもっと早く2枚目を出したかったんですよ。Mao君の曲のストックもあったけど、なかなかレーベルと折り合いがつかなくて。で、今年2月にFuki名義でアニメ・ソング(※"W'z《ウィズ》"のエンディング・テーマ)のシングル(『神様はきっと』)を出したんですけど、そのレーベルから今回"(アルバムを)出さないか?"と声を掛けてもらったんです。だから、今作の構想自体は去年秋か年末ぐらいから考え始めました。

-最初のアルバム像というのはどういうものだったんですか?

私が歌ううえで問題になるのは、メタルにするのか、メタルにしないのかだと思って、まずはその二択が浮かび上がって。

-なるほど(笑)。

昔からあんきもがあるから、メタルはソロではやらなくていいと思ってたんですよ。とはいえ、私が歌って得意な分野はメタルなので、そのバランスが難しいなと。Mao君と作品像を話したときにメタルメタルしすぎるのも......Mao君もメタルの作曲家というより、むしろ他のジャンルも得意ですからね。なので、"作品トータルでメタルに寄りすぎる必要はないよね"という話になりました。私もポップな声色で歌いたいし、Mao君がFukiに歌わせたい曲もあるだろうし、そういう形でいろんな曲を持ち寄ってみようと。他にShuhei(Imperial Circus Dead Decadence/Dr)さんが作った思いっきりシンフォニック・メタルみたいな曲(「Sacred Bones Riot」)もあります。今までの中では一番振り幅のある作品ができたと思いますね。聴いたファンの感想が楽しみです。

-やはりリスナーの反応は気になります?

どの曲が好きなのかなって。それもファンによってバラバラになるだろうし、その反応を聞いてみたいですね。

-では、アルバム像が固まってからは、制作はスムーズに進みました?

そうですね。というのも、私の意見をレーベルが取り入れてくれて、今回はいい意味で大人の意見がなかったので(笑)。いわゆる電波ソング、目まぐるしく変わるジェットコースターみたいな曲調に、かわいらしく作り込んだ声で歌う。それをやりたかったんですよ。それはソロでしかできないことだから。

-「Zinger♡Ringer♡Gang♡Love」のことですか?

そうです! 曲ができる前に歌詞は絵恋ちゃんに頼もうと思って。昔から絡みはあり、普通に友達なんですよ。絵恋ちゃんは才能があるし、リズム感は私よりもいいし、彼女が書く歌詞は私には真似できないものがあるから。かわいい電波ソングの作詞は私には荷が重いので、得意な絵恋ちゃんに歌詞を頼みました。この曲の歌詞がめちゃくちゃ良かったから、それでもう1曲(「Rのない月の恋はよくない」)お願いすることにしたんです。今回、絵恋ちゃんの歌詞で歌わせてもらうのは嬉しかったですね。絵恋ちゃんの仮歌もかわいくて、それになるべく寄せてみたけど、全然真似できなくて(笑)。それでも、こういう曲を歌うのは楽しいですね。

-Fukiさんの早口風のリミズックな歌い回しもすごく新鮮でした。

メタラーが聴いたらどう思うのかなって(笑)。あと、ポケモンの曲を書いてるたなかひろかずさんが書いてくれた「子供のように」は、ポケモンの映画エンディング曲(「風といっしょに」)を小林幸子さんが歌っているんですけど、私もああいうイメージで歌ってみました。ふんわりとポピュラリティのある優しい歌声でトライしたくて。それとチャゲアス(CHAGE and ASKA)もちょっと意識してます(笑)。

-チャゲアスですか?

チャゲアスの「On Your Mark」という曲は、最後に合唱がありつつ、上からCHAGEさんの高い声が入るんですよ。たなかさんから曲を貰ったときに、これはチャゲアスっぽいなと思って(笑)。チャゲアスは郷愁漂う歌詞も多いし、それを意識して歌詞も歌声も考えました。