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INTERVIEW

Fuki

2019.06.07UPDATE

2019年06月号掲載

Fuki

インタビュアー:荒金 良介

-「Rのない月の恋はよくない」から「Habitable Planet」、「子供のように」から「Zinger♡Ringer♡Gang♡Love」という曲順の流れにも驚かされて、同一人物が歌っているとは思えない凄まじいギャップです。その意味でカメレオン・アルバム的な雰囲気も感じました。

あぁ、そうですね。あんきも、ドル箱でもできないことだから。同じ作品の中に入れる声の出し方ってせいぜい2、3種類ぐらいなんですよ。でも今回は5、6種類の声を入れてます。だから、レコーディングも毎回新鮮だったんですよ。全部かっこ良く歌うアプローチだと、自分でも飽きてしまうから。

-Fukiさんは演じるのも好きなんですかね。声のバリエーションはもちろん、曲の世界観に寄り添うように人格を何種類も作り上げるのも得意なのかなと。

舞台の前とあとにレコーディングしたので、その影響もあるのかもしれない。いろんな俳優さんのお芝居を観る機会も多かったので。

-冠(THE冠)さんも音楽に限らず、舞台にも出演してますもんね。

あぁ、そうですね。私、冠さんは大好きなんですよ。私もああいうふうになれたらいいなと思ってます。"千紫万紅"という色とりどりって意味の言葉があるんですけど、そこから今作に"Million Scarlets"という題名を付けたんです。色とりどりの自分の声を全部出し切った感覚があるから。

-今作でまた新しい自分に出会えた感覚もあります?

絵恋ちゃんが書いた歌詞によって引き出された声もありますからね。Mao君が書いた曲だけだったら、ここまで色とりどりのバリエーションを出せなかったと思うので、いろんな人のおかげです。

-楽曲に関しては、"こういう作風で作ってほしい"とか、何か注文をしたんですか?

そこまで具体的にはしてないですね。この人に頼んだらこういう曲がくるよねって感じで、その人の特性が出てますから。基本はMao君ですけど、たなかさん、アニソンの作曲で有名なTom-H@ckさん、Shuheiさんとか、人によっていろんなテイストを用意してくださったので、歌ってても楽しかったんですよ。シンガーとしては幸せな制作でした。

-けれど、1枚通して散漫な印象もないんですよね。揺るぎないFuki節をどの曲にも感じます。

そう言ってもらえると嬉しいですね。1stアルバムを出したときに少し心残りというか、もっと自分で歌詞を書きたいと思ったんですよ。外部の人が書くと、ボキャブラリーが被る曲も出てきますけど、自分で書くと、同じ言葉や同じテーマを1枚の作品には入れないので。ほんとは過去に自分が書いた曲とも被らないようにしたいんですけどね。私が作詞した曲は150ぐらいあるんですけど、100を超えたときから、それも限界だなと。その縛りは自己満だし、あまり意味がないかもと思って、今では過去に書いたテーマと被ったものでもあまり気にしないようにしてます。今は曲が求めるものをスラスラと書くように心掛けてるんですよ。自分の体験を歌詞にすることはまずないんですけど、今回は1曲だけ珍しく自分のことを歌詞にしたんです。「DAYS」という曲なんですけど。

-今作を締めくくる「DAYS」も好きな1曲です。

最後に書いた歌詞なんですけど、これは4月の頭に"W'z《ウィズ》"というアニメの舞台("SPECTACLE STAGE「W'z《ウィズ》」")があり、キャラクターに扮してお芝居したんですよ。そこではみんなで作品を作り上げて、それが終わると、またみんなそれぞれの場所に帰るわけです。仲間との出会いと別れという歌詞がこの曲にはぴったりだなと思い、自分の中から出てきたストーリーですね。部活でもいいけど、仲間と過ごした経験がある人にはグッとくる歌詞かなと思います。当初は「子供のように」で作品を締めようと思ったけど、この曲がラストの方がいいなって。明るく、それぞれの道に旅立つような「DAYS」で終わった方がしんみりせずに済むから。陰陽座のアルバムも明るい曲で終わるじゃないですか。その方が好きなんですよ。

-「神様はきっと」はウェディング・ソングとも受け取れる内容ですね。"ねえ 二人の間に ほら 希望しかないよ/そう 病めるときも どんなときも"の歌詞も印象に残りました。

そうですね。アニメのキャラの心情を歌っているんですけど、内容は恋愛寄りですよね。舞台でこの曲を歌ったときに、みんなが袖で聴いてくれたので、それも嬉しかったです。

-「Habitable Planet」は、大人っぽい曲調も良かったです。

歌詞の内容は「君の居ない世界」と共有してて、その曲はFuki Communeの「僕が生きる世界」(『Welcome!』収録曲)とも地続きで、人間とアンドロイド......ふたつの違う生き物の友情を描いているんですよ。「Habitable Planet」は「君の居ない世界」の何百年、何千年後の宇宙船の中の話なんです。"Habitable Planet"という言葉は居住可能な星という意味で、曲調は明るいんだけど、少し不穏な空気もあるので、優しくてふわっとした歌い方で、でも、そこに諦めのニュアンスも入っているという。

-そういうSFチックなストーリーも好きなんですね?

好きですね。"火の鳥"も好きだし、"ドラえもん"の作者が書いてる"ドラえもん"以外のSFの短編も好きですから。ただの人間同士の恋愛というより、障壁があるほうがグッとくる部分がありますね。異種間の関係性だけを描いたという意味ではLIGHT BRINGERの『Scenes of Infinity』(2013年リリースの4thアルバム)もそうですから。こういうテーマはずっと好きなんですよ。

-わかりました。ちなみに今作のレコ発ライヴは現時点で考えているんですか?

今はあんきもがツアー中なので、やれるとしても半年以上先ですね。ハコと自分の予定を考えなきゃいけないから。メンバーは引き続き、Fuki Communeのバンドの人たちにお願いしたいけど......それを含めて考えなきゃいけないので。今作を作ったことでソロ曲がたくさん増えたので、セットリストも面白く組み直せると思います。

-今作を曲順通りにやってもライヴは成立しそうですけどね。

たしかに! できれば今年中にはレコ発ライヴをやりたいですね。リリース・イベントで、インストアで歌う予定はあるんですけど、Fukiとしてのソロ・ライヴは絶対にやりたいです。