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INTERVIEW

椎名ひかり × ゆよゆっぺ

2018.11.20UPDATE

椎名ひかり × ゆよゆっぺ

椎名ひかり ゆよゆっぺ
インタビュアー:宮﨑 大樹 Photo by RIO NAKAMURA


"こんな世界を知らなければよかった"というほどの胸が熱くなる世界を知りました(椎名)


-音楽に対する自我が生まれたきっかけってあるんですか?

椎名:悔しいなと思ったからです。モデル界では全部できていたものが通用しないから、かわいいとか見た目がいいとかだけじゃ通用しない世界なんですよ。でも体型をキープしていないとか、"どうしてこの子が人気なんだろう?"っていう人が愛されていて。ファンの人も集まってはくれるんですけど、声援とかも全然違うんです。オタクのノリを、モデルのときからついてきてくれているファンは知らないこともあって、ひかりのときだけお葬式みたいな感じになって、ほかの人たちだとすごい盛り上がるんですよね。作りたい音楽もないまま音楽のフィールドに立たされたんですけど、そういう負けず嫌いな気持ちから入りました。"何がなんでももてはやされてやる"っていうところから入って、見映え的に問題がなくなってきたから、今やっと音楽性にフィーチャーできるかなって。そういう部分では普通のアーティストさんとは逆かもしれないですね。"噛み対応"みたいな釣りワードを使い続けてスポットライトを浴びてからの、これからが音楽に関する本気を出していけるところです。

-表現したいことが定まってきたという意味では、いいタイミングでの楽曲提供の依頼ですよね。作り手としてもやりがいがあるんじゃないですか?

ゆよゆっぺ:めちゃくちゃありますね。椎名さんは、"音楽は仕事だから"って割り切ることも簡単だったと思うんですよ。そんななかで"自分を出したい"って考えて、且つ、"こういう曲がいい"って言ってもらえることはとても嬉しいことですし、この世界でガチでやっていく決断ってなかなかできないことだから、カッコいいなと。

椎名:モデルからアーティストになる人は多くいるんですけど、そういう人たちはどんどんフェードアウトしたり、やめていったりする人が多いんです。そのなかで結果を出したいなとは思っていますね。モデルからアーティストになる人って、モデルと音楽とのギャップについていけないんですよ。でも、ひかりはすごい地下レベルも経験して、そこで"地下って言われる人にもこんなに熱い空間があるんだ"、"こんな世界を知らなければよかった"というほどの胸が熱くなる世界を知りました。そこでひかりは表現したいものがあって、それを今回より表現できたと思います。

ゆよゆっぺ:歌詞を読んだときにものすごく心にきたんですよ。薄っぺらくないというか、最初の"キミ ガ 望ムナラ自我スラ殺ソウ"は、椎名さんが心から言っている感覚がありました。メールで説明された表現したいものとしっかり筋が通っていたんです。その世界観を崩さないように、椎名さんが表現したいものを探す作業というか、そこをどうやったら汲み取れるのか、という作業に徹しました。僕が考えたイメージの曲とは変わったんですけど、最終的にできたものは本当に"椎名ひかりの曲"になっているんですよ。やらされている曲でもないし、作ってもらった曲でもないし、作り物ではない"椎名ひかりの曲"で、最終的にできたものを聴いてすごく嬉しくなりました。そういう意味ではちゃんと仕事ができたなと思いますね。

椎名:ボカロPとかアイドルとかロック・バンドの人とか、そういう業界人が歌詞を読んで、曲を聴いて"この歌詞思いつかなかった"、"この譜割は思いつかなかった"と思わせるようなものにしたかったんです。

ゆよゆっぺ:そういう強い意志は感じてましたね。あと、世界観がすごいんですよ。曲を提供されたアーティストさんって"ここはこうしたいんだけど、せっかく書いてきてもらったから言えないよな"みたいな気持ちがあると思うんですけど、椎名さんにはそういのがないんです(笑)。それってすごい武器だと思っていて。例を挙げると、イントロにもともとメロディをつけていたんですけど、"これはない方がいい"って言われたんです。それで"なんでだい?"って聞いたら、すごくいい説明をしていただけて"だったらたしかにメロディがない方がいいね"って思ったことがあったんですよ。そういう意味では勉強させていただきました、ありがとう。

椎名:アリガタキです。

ゆよゆっぺ:表現の仕方とか言葉の選び方が面白いんですよね。斜め上の表現というか、"どういう意味の表現なの?"って。ひもといてみると深いわけがあるんです。それだけ深い意味があるのなら、それはステージに表れてくるし、レコーディングにも表れてくるから、ただ文字に起こしただけ、音にしただけでは語れない、その先にあるものをたくさん持っているんですよね。

椎名:それは今回の制作チームの人にも言われましたね。魔界とかもそうなんですけど、意味がある行動をしているのに、そう見られないのがもったいないって言われていて。それをストレートに表現するにはどうしたらいいだろうって今回は考えました。自分から見た世界がすごく強いので、それを音楽で表現していけたら本望です。

-今後の椎名ひかり×ゆよゆっぺの作品にも期待したいところですが、予定はありますか?

ゆよゆっぺ:きっと何かあると思います。楽しみにしていてください(笑)。

椎名:ジャンルを超えた曲が1曲欲しいなと思っているんですよね。お楽しみにです。