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INTERVIEW

ナナ

2018.06.19UPDATE

2018年06月号掲載

ナナ

メンバー:山沖 怜 SARSHI Chiyu AKI 藤原 章人(ZeeF)

インタビュアー:杉江 由紀

-なお、今作『CALL US』はナナにとって初のフル・アルバムとなります。全17曲という大作になりますが、収録曲には過去のものも含まれるということでしょうか。

SARSHI:表題曲で1曲目の「CALL US」は新曲なんですが、それ以外は第1期、第2期を含めたこれまでのナナの持ち曲です。でも、全曲リアレンジをしていますし、録りも当然し直しているので、中には過去とは全然違うかたちになったものもありますね。もちろん、ほぼ当時のままのかたちで作り直したものもありますけど。いずれにしても、今回改めてアルバムを作ってみて思ったのは"いい曲ばっかりだな"っていうことでした。

-だからこそ、今になってまたナナを始めることにもなったのでしょうね。

SARSHI:ナナがちゃんと活動していたのは、もう12年くらい前のことになるんですけど、当時は"やってることが早すぎるんじゃないか"みたいなことを、周りからよく言われていたんですよね。だけど、それを今この時代にやってみたら"あれ? ようやく、時代がこの曲たちに追いついたのかな"って思えました(笑)。

-干支が1周するほどの相当な先取りをしていたとは。すごい!

AKI:僕は、過去に一度はナナを脱退した立場ではあるんですけどね。今回、最初にZeeFから"復活するからやらないか"っていう話を貰ったとき、どんなバンドでもいつかもう1回できる日がやってくる可能性やチャンスがある、ということをここで体現して示したかったという気持ちが自分の中では最も大きかったんですよ。そして、ナナをやめた当時は"なんか違うんじゃねーか"と思ったからやめたんですけど、そのあとにSadieで過ごした時間で得たことをまたナナに還元できるということが嬉しいし、今となっては"何も違わなかったな"とも思えるんですよね。そういう意味では、そこも時間をかけてひと回りしたのかもしれないです。時代も変わって、自分自身も成長したのかなと。

SARSHI:うん、それは絶対ある。

藤原:昔ナナがダメになったのって、仲が良すぎてどこか馴れ合いになりがちだったのがひとつの原因だったと思うんですよね。あれから12年が経って、仲はまだいいままですけど、それでもお互いに成長しているから、昔とは違うかたちでバンドをやれているというのが、きっと昔と今との大きな違いだと思います。それぞれが個性の塊だし、そこに実力もつけたうえで、仲もいい。今ならそのすべてをナナは武器にできる自信があります。

AKI:ナナを今またやる意味とか可能性を、今回のアルバム制作を通じて、僕も強く感じることができました。

Chiyu:僕なんかはこの中で一番年下なのもあって、当時はとにかくメンバーに言われるがまま目の前のことをこなすのだけで精一杯でしたけど(笑)、あのころからすればできることは増えたかなと思います。だから、最近は"これもできます"って言ったときに"おう、そんなんできるようになったんや!"ってメンバーから言われるのが嬉しい。そして、その言葉を待ちがち(笑)。

-その点、怜さんはここしばらく音楽活動を離れ飲食系の会社経営をされているとのことでしたよね。今回のレコーディングをもって第一線に復帰されたということは、ヴォーカリストとしての勘を取り戻すのに戸惑ったりされませんでしたか?

山沖:仕事が忙しいのもあって、バンドからも音楽からも結構遠ざかっていましたからね。そっちはそっちで楽しいし面白みもありますし、客観的に考えたら、自分の時間は今の事業を成功させるためにもっと使うべきだとも思っているところはあるんですよ。でも、ちょくちょくみんなと連絡を取ったり会ったりすると、"やっぱり音楽をやるって楽しそうやなぁ"とうらやましい感情が湧いてきていたのも事実で、今回みたいに"また一緒にやろうや"となったときには、"仕事あるから無理やし"とは断り切れないくらい、自分の中でもナナに対する気持ちが高まっていたんですよね。でも、ずっと歌っていなかったという点ではレコーディングでかなり試行錯誤しましたよ。

-ユーザーに向けて最善最高のものをお出しするという点では、会社経営のお仕事もナナでの活動も、ある意味では精神的に相通ずるものがありそうですが、声帯は筋肉ですので、使っていないとどうしても鈍ってきますものね。

山沖:たしかに、美味しいものを作るか、いい曲を作るか、という点で受け手に向き合う気持ち自体はわりと近いところがあると思います。もっとも、仕事をしながら歌う時間を作るというのは思っていた以上に難しくて、仕事の付き合いでの飲みで普段なら自分からは言わへんのに"カラオケ行こうや"って人を誘ってみたり、移動中の車の中で歌ってみたり、ひとりでもスナックに寄ってみたりと、レコーディングに向けてできるだけ歌う時間を増やすようにしてはいましたよ。

-参考までに、スナックではどんな歌を?

山沖:入ったお店の中に50代くらいの人が多いなと思ったときは、例えば谷村新司さんの曲なんかを歌ってみたりしましたね。そうすると、一斉に初老のおじさんたちが"おっ! なんだ?"ってこっちを見てくるんですよ。全然知らない人たちを、自分が歌うことで振り向かせることができたっていうのはちょっとした快感でした。しかも、レコーディングに入っても思っていたよりは全然歌えたし、不思議なことに歌詞もちゃんと覚えていたので、そこは自分でも意外でしたねぇ。わりと古い「ホステスのピストル」なんて、なんだかんだ20年近く前の曲なのに。人間の脳みそって怖いなと思いました(笑)。

-かくして、各人の力を存分に発揮した『CALL US』は全17曲の大作へと仕上がりました。ここからは、みなさんの推し曲をひとつずつ挙げていただいてもよろしいでしょうか。

山沖:どれやろうな? 迷うけど、当時のライヴで散々やり慣れていた「ロックスターに憧れて」ですかね。周りからはバラード系の曲を求められることが多いですけど、個人的にはライヴで盛り上がるタイプの曲の方が、録りで歌っていても楽しいです。

-「ロックスターに憧れて」には、"17才"というフレーズが出てきます。今の怜さんは、この歌に対してどのようなことを感じられましたか。

山沖:いやね。俺、天才なんかなと思いましたよ(笑)。というか、この曲に限らずなんですけど、今回のレコーディングでは我ながら"やるなぁ"とたびたび思ってしまいましたね。

SARSHI:でも、それはほんまに俺も思う。どの曲も歌詞の世界観がすごい(笑)。

藤原:僕は、このアルバムの中だと「夢と・・・・」という曲が一番好きですね。これは第1期にAKI君が作ったもので、第2期になって僕がマニピュレーターとしてナナに入る前からもともと好きな曲だったんですよ。でも、第2期で活動しているときにはAKI君がいなかったから演奏したことはなかったので、今回この曲がやっとできて僕はとても嬉しいんです。なんなら、僕がナナ復活に向けてAKI君のことを説得して口説き落としたのは、この曲をやりたかったがためと言っても決して過言ではありません(笑)。おまけに、今回AKI君がアルバム用にしてくれたリアレンジが最高にカッコいいんですよ! つくづくAKI君を誘って良かったなと実感してます。

AKI:作った本人よりも曲を愛していただいてるみたいで嬉しいです。僕の推し曲は......どれにしよう。ひとつだけを選ぶのは難しいなぁ。

SARSHI:俺的には、「輪」のAKI君のピアノがすごくいいなと思った。

AKI:今回、全体的にピアノは自分としても頑張りましたよ。とにかくね、すべての曲にそれぞれ突出していいところがあるし、どの曲も時間をかけてアレンジをしましたし、もちろんベストなプレイも心掛けたので、絞るのは心苦しいところがありますけど......強いて言うなら「眼鏡フェチ1984年」かな。これ、ライヴでやるときにはメンバーみんなが眼鏡をかけるんですよ。今度のライヴでは、ファンのみなさん、そして関係者のみなさんにもぜひ眼鏡をかけたうえで楽しんでいただきたいです。

SARSHI:次のライヴでは物販として眼鏡を用意しますんで、わざわざ持ってこなくても現場にありますから大丈夫です(笑)。

AKI:今回のアルバムは、ライヴの流れや雰囲気を想定しながら意識して作ったところがあるので、これを聴いたうえでライヴに来ていただくとよりわかりやすいと思います。

Chiyu:アルバムの曲順も、ライヴのセットリストを想定したもんね。