INTERVIEW
Pulse Factory
2017.09.12UPDATE
2017年09月号掲載
Member:Nobu(Vo) Yussan(Gt) Masaki(Gt) Katsutoshi(Ba)
Interviewer:山口 智男
大阪の4人組 Pulse Factoryが、数々の困難を乗り越え、結成6年目にして、ついに初の全国流通盤となるミニ・アルバム『FLAGS』をリリースする。パンク/メタルに由来するガツンとくる音を芯に持ちながら、"どんな音楽が好きな人にもハマる"と言うだけあって、全8曲の振り幅はかなり広い。自ら"ド真ん中のロック"と掲げるのも大いに頷ける。結成以来、精力的に活動しながら培ってきたバンドのポテンシャルを存分にアピールする『FLAGS』の聴きどころと多彩な楽曲のバックグラウンドについて、メンバー全員に訊いた。
-これまで会場限定という形で精力的にリリースしてきたわけですが、全国流通盤のリリースが結成6年目というタイミングになったのは、どうしてだったんですか?
Masaki:4年目までは、いつ出したろうかなって思ってたんですけど、ちょうどその年の夏にNobuが喉を痛めて、いったん活動を止めたんです。そこから調子を取り戻すまでに時間はかかったんですけど、なんとか戻ってきたかなというところで5年目を迎えて、全国流通って話が出たときに――ほんま1年ぐらい前の話なんですけど、ドラムがライヴ当日に突然、いなくなってしまって。実は盤を出すことは決まっていたんですけど、話が流れたことで、まだ出すタイミングとちゃうんやなって思いました。そんなこんなで、この2年はバンドの立て直しに精一杯だったんです。4年目まではあえて出してなかったところもあったんですけど、4年目、5年目は正直、出せなかった。現状、まだドラムはいませんけど、出すなら今しかないという4人の中のタイミングがちょうど揃ったので、ようやく6年目で、TOWER RECORDS限定でリリースすることになりました。なぜこのタイミングかと言うと、3年目ぐらいから地方を回っていて、会場限定盤を出してツアーをやって、ファイナルをやって、また次の年、会場限定盤を出してツアーをやって、ファイナルをやってというあまり良くないローテーションっていうか、ずっと同じことの繰り返しだったんですよ。ライヴのキャパがでかくなるわけでもなく、毎回同じような内容でやっているっていう。でも、もうそろそろ新しい動きを提示できないと、俺らも飽きてきてたし、お客さんも飽きるだろうっていうのはずっとあって、そこでなんとかしたかったのが4年目、5年目だったんですけど、それができずに。正直、ドラムがいない状況でそれをやっていいのかって迷ったんですけど、ここでやらなかったら、ずっと出すタイミングがないまま終わっていくと思ったので、自分らの現状を変えるために出させてもらうことにしました。
-この2年は悔しい思いもあった、と。
Yussan:しんどかったですね。
Nobu:でも、この2年でバンド自身も強くなりました。メンバーの関係もしっかりできあがって、そういう2年があったことを考えると、2年前と今回では全然違ったと思うんですよ。2年遅れましたけど、こっちの方がいいものになったと俺は思ってます。
-まさに満を持してのリリースになるわけですね。ところで、Pulse Factoryはどんなふうに始まったんでしょうか?
Masaki:すげぇふわっと始まったんですよ。
Yussan:Nobuは1歳下なんですけど、いなくなってしまったドラムも含め、全員、学校が一緒だったんですよ。当時、やりたいバンドをやれていないから、とりあえずうるさいロックをやりたいと思って、MasakiとKatsutoshiに声を掛けたんですけど、ヴォーカルがずっと見つからず、どうしようどうしようってときにNobuのライヴを見て、"こいついいな。こいつでいいんちゃう?"って誘いました(笑)。組んだときは、ここまで続けるとは思ってませんでしたね。
-でも、音楽の趣味が合うメンバーに声を掛けたんですよね?
Yussan:そうでもないんですよ。ロックはロックでも好きなジャンルが全然違う(笑)。
Katsutoshi:僕は音速ラインを始め、ギター・ロックとか先生の影響でフュージョンとか聴いてました。とりあえずバンドをやりたかったんですよ。
Nobu:僕は高校時代に流行ってたONE OK ROCK、RADWIMPS、ELLEGARDENが好きで、Yussanが俺のことを誘ったときも学内ライヴで同級生とONE OK ROCK(のコピー)をやっていたんです。
Yussan:僕は完全ヒップホップ(笑)。
Masaki:言っていることがおかしいですよね。
Yussan:でも、やりたいことって巡り巡って変わるじゃないですか。
Nobu:一番雑食だよね。
Yussan:高校に入るころ、X JAPANに刺激を受けて、高校で軽音部に入ったんです。最初はベースだったんですけど、友達の方が上手かったからギターに持ち替えて、そこからロックが好きになって、SUM 41とかGREEN DAYとかめっちゃ聴いてました。
Masaki:僕は最初、ミスチル(Mr.Children)になりたかった。でも、諦めてメタルにいきました(笑)。ミスチルがほんまに好きだったんですよ。でも、Yngwie Malmsteenをツレに聴かせてもらったとき、どえらい衝撃を受けて、そこからメタルの方向に走っていきました。