INTERVIEW
TWO-nothing
2017.04.19UPDATE
2017年04月号掲載
Member:satoshi(Vo) muuu(Gt/Cho) kazuma(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
-広い北海道の中でも、大きな音楽シーンがあるところとなると札幌になってしまいそうですが。小樽という地元を軸足にバンドをやっていこうという思いは強かったんですか。
muuu:小樽にいても、全然できると思っているんです。札幌や東京じゃなくても、全国にCDを発信することもできるというので、自分たちでレーベルを始めて。わりとフットワークも軽くて、街の小さいライヴハウスとかに、何度も何度も行ったりするバンドなんです。小樽にいながらできることを考えて、そこからやっていければなと思ってます。
-小樽自体の、バンドの熱量やシーンの状況はどういう感じですか。
satoshi:すごくいいですよ(笑)。
muuu:ジャンルはバラバラですけどね。でも、ひとつ熱い思いがあるというか。それが、どの世代のバンドも共通項としてある。それで、それぞれが切磋琢磨してやってると思うんです。その"小樽らしさ"が共有できていると思うので、他の土地に行っても、ジャンルが違っても"小樽バンドっぽいね"と言われるようになったのは、良くなったということなんだと思います。
-TWO-nothingも小樽バンドらしさを築き上げるのに、一役買っている実感はありますか。
muuu:そうですね、僕らが一番年上にもなるし。あとはバンドの数も少ないですしね。バンドが生まれても、どうしても進学や上京の関係で、下の世代がいない時代も長くあったんですけど。僕たちが続けて、自分たちでCDを出して、小樽でもバンドができるんだって気づいてくれた子たちが残ってくれたり、"CDを出したい"と言ってくれたりするようになってきたので、いい感じにはなってきたかなと思いますね。なので、これからもチェックしてください、小樽のことを(笑)。
-地元の子たちは、いろんな音楽を聴いて楽しんでいるんですね。そういういろんなジャンルのバンドを見て、聴いて育った子たちが、またバンドを始めるというサイクルになってる。
satoshi:本当にそうなんですよね。これからどんな新しいジャンルのバンドが出てくるんだろうっていうのは楽しみなんですよね。
muuu:楽しみだよね。進学や就職で上京する人もいれば、残った俺たちみたいな新しいバンドが出てきたりっていう(笑)。
-脈々と続く地盤ができているんですね。
satoshi:だといいんですよね。本当に1年1年、賭けなんです。またこの4月からライヴハウスのお客さんはガラッと変わったりするだろうし。結成して十何年ずっとそれを経験してきているので。それで、さっきの話に繋がっていて。たとえ出ていってしまっても、ちゃんと帰ってこれる場所に自分たちがしていければいいなと思って、小樽で活動しています。
-自分たちで企画をして、各地からバンドを呼び込むことも多いですか。
satoshi:企画もやっていますし。ツアーで本州からバンドが来てくれたりとか、小樽もリリース・ツアーで回りたいと言ってくれるバンドもいるので、そのときは自分たちが企画を打って、お祝いさせてもらってますね。
-また、こうして自分たちのアルバムを作って、全国にアピールしていくっていうこともすごく大事ですね。
satoshi:そうですね。
kazuma:発信しないと来てくれないので。
-今作もいろんなタイプの曲が収録されましたが、サウンド面でより磨いたことはありますか。
muuu:今回は今までよりも、ゆっくりな曲が多かったのかなと思いますね。今までは勢い重視の曲も多かったんですけど、今回はメロディ、歌がちゃんと聞こえるようにここは抑えようとかっていう調整も、時間をかけてやりましたね。みんな結構、好き勝手やるので。で、satoshiからダメ出し食らって、空気が悪くなってというのの繰り返しです(笑)。
-特徴的だなと思うのは、コーラスやハーモニーの豊かさで、それはバンドの面白さになっていますが。こだわりも強いですか。
satoshi:昔はコーラスというよりも、muuuと僕のツイン・ヴォーカルだったんですよ。昔は曲作り自体、muuuの家でふたりでやっていたんですけど。今は僕ひとりになっちゃったので。
muuu:なっちゃったわけじゃないよ(笑)。
satoshi:そういうのもあるのかなと。自分は、ここはコーラスを入れたくないとか、こだわりも結構出てきて。昔は、コーラスが全部入っている方がカッコいいやと思っていたんですけど。その抜き差しのバランスがとれるようになったんですかね。
muuu:大人になったんだね。
-異色だなと思ったのが、10曲目の「M.C.P」で。この曲は、スクリーモっぽい雰囲気ですよね?
satoshi:そうです。この曲は、現行の5人になって初めてできた曲だったんですよね。で、せっかくだから今回入れたいねっていうことで、再録音したんです。あのシャウトはベースのyu-taがやってます。最初の方は、こういった曲が多かったかもしれない。