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INTERVIEW

Vexent

2017.01.12UPDATE

2017年01月号掲載

Vexent

Member:真虎(Vo) 未来(Gt) ゆいと(Ba) レビ(Dr)

Interviewer:KAORU

-ジャケットもセンスがいいですね。

真虎:ありがとうございます。これもぜんぶ自分で作ったんですけど、センスがいいと言ってもらえると嬉しいです。

-今日は(※取材日は12月23日)1月25日にリリースされる5枚目のシングルのレコーディングとのことですが、どんな曲なのでしょうか?

未来:「紫苑」という曲で、バラードですね。最初は会場限定シングルにしようとしてたんですけど、それよりちゃんとした形で売りたいよねっていう話になって、そろそろバラードやなっていう。

真虎:自分の中で流れがあるんですよ。バラードって、バンドにとってすごく大事なものじゃないですか。『THE FATES』のあとに出すと暗いのが続いてテンションが下がりすぎちゃうんで、ひとつのシングルごとに違うイメージを提示したいなと思っていて。4thシングルをこういったノリノリの曲調にすることで、5thシングルを際立たせるというか。

-おっしゃるとおり、これまでのシングルすべて印象が違いますね。前作の「THE FATES」は"願いも未来も見放されていく運命 それが真実"という歌詞に象徴されているようにシリアスでダークなトーンの曲ですが、2曲目の「Stupid Pain」はノリが良くて、さらに歌の譜割りというか、オンビートとオフビートを交互に使い分けるヴォーカルの乗せ方もかっこいいなと思いました。

真虎:そこは完全にノリですね。本当に感覚的な感じです。オケを流して聴いた第一印象でメロディが湧いてくるんですけど、そこから発展させていくんです。

-「care」は、例えばLUNA SEAで言うと「WISH」(1992年リリースの2ndアルバム『IMAGE』収録曲)的な立ち位置というか、大団円感がありますよね。

真虎:そうですね。この曲はそもそもライヴのラスト用に作ろうというテーマがあったので。今もずっとラストにやってます。

-最初からそういう意味づけがあったんですね。レコーディングの話に戻りますが、今は音源ソフトやシミュレーターを使っているバンドも多くなっていて、Vexentもテクノロジーを駆使してるんですね。

レビ:そうですね。最終的なミックスとかマスタリングとかはちゃんとしたスタジオでやってるんですけど。

未来:ギターの場合はDAWでリアンプです。ちゃんとレコーディングするのはヴォーカルだけですね。スタジオとかでやると、逆に出したい音がちゃんと出なかったりするんですよ。僕の音作りは、もともと自分が好きな音ということもあるんですけど、ヴィジュアル系のギター・ヒーローであるMEJIBRAYのMiAさんに近づけられるようにしてます。使ってる機材もFractal Audio(アンプ・シミュレーター)とかが同じで。でもMEJIBRAYはチューニングが違うので、同じ音像を目指してるということではないんですけど。

-Vexentの基本チューニングはどうなってるんですか?

未来:僕らはドロップBですね。(B-F#-B-E-G#-C#)6弦だけ2音半下げでほかは1音半下げです。MiAさんはCなので同じ音にはならないんですけど、ドロップBなりのいい音を目指してます。これ以上下げちゃうと7弦ギターを使わないといけなくて。レギュラー・チューニングだと弦がだるんだるんになっちゃうし。

真虎:the GazettEの『DIM』(2009年リリースの4thアルバム)あたりと同じチューニングだからテンション上がるし(笑)。

-そこに合わせたんですね(笑)。ドロップBはダウン・チューニングの中でも極めて低いものですよね(※ラウド系の代表的なところではSLIPKNOTがドロップBを使用している)。ゆいとさんはドロップBのチューニングで困ったことはありますか? ここまで低いとベースはもれなく苦労されるというお話を聞きますが。

ゆいと:ありますね。弦が太くてベースは特にゆるむので、持ってるベースのネックを調整してあります。逆にB以外のチューニングができないんですよ。ロックは解除できるんですけど結構難しくて。

-やはりご苦労があるのですね......。未来さんはソロのフレーズひとつとっても華があって印象に残りますし、次世代のギター・ヒーローになるかも? と思いました。

未来:いえいえ、僕は全然上手くはないと思います。環境には恵まれてる方だと思うんですけど、周りに大先輩もいるし、上手くなりたいなーとは思いますけど。でもどちらかというと、ヴォーカルを際立たせたいというか、前に前に出るというよりは、ちゃんとバンドと融合しているようなギタリストでありたいと思いますね。

お客さんを飽きさせたくないし、とにかくワクワクさせたいんです

-Vexentのサウンドはハイブリッドでセンスが良くクオリティも高いですし、まだ結成して1年程度というのは驚きです。リリースのやり方ひとつにしても賢いなと思いました。

真虎:賢さ担当はレビなんで(笑)。

未来:バンドの進め方というか。

ゆいと:熱く語ってくれよ。

-ぜひお聞かせください。

レビ:お金をかけるべきところにはちゃんとかけて、不要な部分は徹底的に節約してます。CDのミックスやマスタリングの最終工程は一流のアーティストさんが使っているところでやらせてもらってますし。進め方については、バンドの勢いを絶対に失速させないようにはしてます。例えば3、4ヶ月に1回、ツアー・ファイナルとかのひと区切りで必ずシングルのリリースを発表するとか、リリースしたら必ず次のツアーが発表されているとか。そのサイクルは潰したくないんですよ。お客さんを飽きさせたくないし、とにかくワクワクさせたいんです。

-リリースのスパンが短いと、ファンの生活のなかでVexentが習慣になりそうですよね。MVもかなり凝っていますし、お金がかかってるなと思いました。

レビ:そうですね。MVとアーティスト写真だけは絶対にケチらないようにしてます。そこは譲れないですね。MVって一番見られるところだと思いますし。

-これまでのシングルのMVはYouTubeで公開されていますが、「THE FATES」は7万、「WELCOME TO THE DARKNESS」もすでに4万5,000以上の再生回数ですし、そこが一番見られてるという自覚があるのは若者ならではの感覚ですね。

レビ:そうそう、そうなんですよ。それで今回『WELCOME TO THE DARKNESS』で初めてAタイプBタイプの2パターン(※Aタイプに3曲、Bタイプに2曲収録のCD+MV収録のDVD)のリリース形態をやめたんですよ。2ヶ月連続のシングルだからっていうのもあるんですけど、MVをつけるとプレス代が2倍以上に膨れ上がるし、だからといって実際にDVDでMVを見るかって言うと、YouTubeで見る人がほとんどなので。