INTERVIEW
The Misery In August
2016.10.07UPDATE
2016年10月号掲載
Member:zaki(Vo) Yu_ta(Gt/Prog) HARUKI(Gt) Kaneko(Ba/Cho) Taro(Dr)
Interviewer:山本 真由
-"The Misery In August"というバンド名は、詩的な響きがあって、オーケストラ・サウンドやピアノを効果的に使っている音楽性に似合っていると思うのですが、このバンド名には何かストーリーはありますか?
zaki:僕はStephen Kingの小説が好きで、その中の"Misery"と"Apt Pupil"という小説に由来しています。
-ドラマチックなポスト・ハードコア・サウンドは、THE DEVIL WEARS PRADAやBLESSTHEFALLといった海外のバンドに近いような気がしますが、メンバーの音楽的なバックグラウンドや、目指しているサウンドについて教えていただけますか?
Yu_ta:EVANESCENCE、THE DEVIL WEARS PRADA、CHELSEA GRINなど、特に激しいサウンドにストリングスやピアノを織り交ぜた楽曲/アーティストを好んで聴いてました。
zaki:影響を受けたバンドはたくさんいますが、僕がこのシーンに入ったきっかけはTHE USEDです。後にSAOSIN、UNDEROATHなどからどっぷりハマッて、特にクリスチャン系のバンドが増え始めたころのこのシーンからは、かなり影響を受けています。なので目指しているサウンドも海外のバンドが多いのは確かです。
HARUKI:僕は高校生のころに友達の影響でBULLET FOR MY VALENTINEを聴き始め、そこから洋楽を聴くようになって、特にBRING ME THE HORIZONなどを好んで聴いています。
Taro:僕もHARUKIと同じで、友人の影響でARCH ENEMYなどを聴くようになり、そこからポスト・ハードコアまで開拓していきました。
Kaneko:僕はメロコアやミクスチャーを中心に幅広く聴いてたんですよ(笑)。ただ、このシーンにのめり込んだのはzakiとYu_taに出会ってからですね。STORY OF THE YEARを薦められて、そのサウンドに衝撃を受けました。メンバーと一緒に観に行った"SCREAM OUT FEST 2014"に出演していたTHE WORD ALIVEにも心を奪われ、僕のライヴ・パフォーマンスの原点となってます。
-2014年に結成とのことですが、すでにFOR THE FALLEN DREAMSや、SILENT PLANET、SIENNA SKIESといった海外バンドとの共演も果たしていますね。これまでのライヴでThe Misery In Augustの活動に影響を与えたものや、特に印象に残っていることを教えてください。
zaki:どのバンドもかっこよかったんですけど、SILENT PLANETのライヴは心に刺さるものがありました。ステージを降りたら気さくなナイスガイなんですけど、ライヴ中の集中力が半端なくて......。そこから自分たちにしか出せない世界観は、すごく意識するようになりました。
Yu_ta:ヴォーカルのGarrett Russellがツアーで着る服を1枚しか持ってきてなかったらしくて、僕らのバンドTシャツをあげたらその場ですぐ着てくれたのはとても嬉しかったですね。言葉の壁があると距離を置いてしまうこともあると思うんですが、そういうところでもとても貴重な経験になりました。
Kaneko:マクドナルドでの打ち上げは忘れられないですねー(笑)。
一同:(爆笑)
Kaneko:彼らとはもう一度共演したいですね!
-今回シングルではなく、初めてEPという形で音源を発表することとなったわけですが、作品に対しての感想や自己評価をお願いします。
Yu_ta:実は2014年にこのバンドを始めるまでに2年くらいはかかったんですよ(笑)。それまでやっていたバンドでは、自分のやりたい音楽をうまく表現できなかったので、イチからメンバーを探して曲も作って......っていうのをひたすらやってました。それでメンバーも徐々に集まって、今作のリリースまで漕ぎ着けました。だからとても思い入れのある曲たちですし、やっと自分が表現したい音楽を作ることができて嬉しいです。
zaki:活動を始めてから3年間の集大成です。やっと納得のいく作品を作れたかと思います。ぜひ聴いてください!
Kaneko:アングラで作り続けた曲たちがようやく形になりました。しかも最高の形でね。なんというか......感慨深いですよね。
HARUKI:このメンバーで作れて本当によかったです。
Taro:自分で言うのもなんですが......最高のクオリティです(笑)。
-ギターのHARUKIさんが加入する前に発表しているTrack.3「Samsara」や、無料配布のシングルとなったTrack.7「Light And Shadow」も今作には含まれていますが、レコーディングするにあたって、楽曲のアレンジや演奏表現の仕方に変化はありましたか?
Yu_ta:「Light And Shadow」に関しては、前回のレコーディングで納得いかない部分もあったので、今回それが修正できて納得いくものになりました。
-激しい雨の音に不穏なピアノや効果音が入ったTrack.1「Intro」から、優しいピアノと遠ざかっていく雨の音で終わるTrack.8「Outro」という構成も、きっちり作り込まれた感じがしますが、今作のテーマやコンセプトのようなものは始めから考えていたのでしょうか?
Yu_ta:今作の1曲目が完成したときから僕の中では、ホラー映画を観ているような、絶望の中にあるひと筋の希望のようなイメージを持っていたので、リリースする際はこのコンセプトを完結させる形で世に送り出したいと思っていました。