INTERVIEW
SHACHI
2016.10.06UPDATE
2016年10月号掲載
Member:HIDETA(Ba/Vo) JIYOUNG(Dr/Cho) TAKE(Gt/Vo)
Interviewer:荒金 良介
-そんなこともやっていたんですね。
TAKE:やってました(笑)。HIDETAはJIYOUNGと合わせたことがなかったから、ちゃんとやった方がいいなと。それでスタジオに入ったときの帰り際、HIDETAに"どの曲が合わせやすかった?"と聞いたら、"SHACHIの曲が合わせやすかった"と言ったんですよ。そもそもバンドをちゃんとやりたい気持ちが強かったから、それならやっぱりSHACHIをまたやろうと。それが2014年の末ですね。
-それから2015年初頭のSHACHI再始動に繋がるわけですね。
HIDETA:JIYOUNGがドラムを叩いてるけど、どの曲もこのふたり(TAKE、HIDETA)でやると、SHACHIになるんですよ。
-そうでしょうね(笑)。
TAKE:ZOMBIESTARZで新しいベースを入れようという話をJIYOUNGとしたときに、自分の第一候補がHIDETAだったんです。ずっと一緒にやっていたから、曲作りの流れもわかっていたし。価値観というか......自分のベーシスト像がHIDETAだったんですよ。それに気づいて、じゃあHIDETAに声を掛けようと。それで断られたら違う人を探そうと思ってました。
HIDETA:断りましたけどね。
TAKE:突き放さない程度の断られ方でした(笑)。
-解散後、SHACHIの見方が変わったところは?
HIDETA:それはいっぱいあります。SHACHIの曲を客観的に聴くようになって、人の曲みたいな感覚になって。後輩バンドに"昔、(SHACHIを)コピーしてました!"と言われても、"なぜ俺にそれを言うの?"みたいな。
-いやいやいや(笑)。
HIDETA:もう違う人みたいな感覚でしたね。
-再発見したSHACHIの魅力は?
HIDETA:こういうバンドはあまりいないなと思いました。ツイン・ヴォーカルだし日本語で歌っているけど、アクがあるバンドだなと。TAKEの歌声も含め、引っ掛かりがあるバンドだなって思いましたね。いつもTAKEとふたりで好きなように曲を作っていたので、音源ひとつとっても毎回ゴチャゴチャしていたなって。
-この間、SABOTENとSHACHIで1曲(あるいは2曲)ずつ交互に演奏する前代未聞のライヴ(※2016年8月19日に渋谷TSUTAYA O-Crestにて開催された[SABOTEN pre. "型破りスペシャルコラボ2マン?激レアライブ"])をやったじゃないですか。言ってしまうと、あれをひとつのバンドでやってるようなノリがSHACHIにはありますよね。
TAKE:はははは(笑)。僕とHIDETAはタイプの違うヴォーカルだけど、一貫してポジティヴなことを歌っているので。音楽のルーツも近いし、共通点はあるかなと。
-TAKEさんは一度SHACHIから離れて、何を感じました?
TAKE:ZOMBIESTARZでステージに立ったときに、ベースの立ち振る舞いが気になって。SHACHIのころと比べちゃう自分がいたんですよ。
-では、HIDETAさんがSHACHI再始動に心が動いた理由は?
HIDETA:FHOOTERSとZOMBIESTARZが磐田で一緒にライヴをやったときに、"1、2曲でもいいからSHACHIの曲をやろう"とTAKEに言われて。で、実際にプレイしたらお客さんがすごく嬉しそうだったんです。僕は、FHOOTERSをやってるときは"SHACHIを超えよう"という気持ちでやってたんですよ。でも、そこでSHACHIとしてプレイしたときの盛り上がりに全然敵わなくて。ほんとに悔しかったけど、こんなに人に必要とされてるバンドは他にいないなと。SHACHIをやることで喜んでくれる人がいるなら、それは価値のあることだなと思ったんです。こういう人たちが磐田だけじゃなく、全国にいることを考えたら、自分もその気持ちに応えたくなって。それで、あれよあれよという間にTAKEの誘いに引き込まれていきました。
TAKE:ははははは(笑)。
-HIDETAさんも心のどこかにSHACHIをやりたい気持ちがあったんじゃないですか?
HIDETA:"絶対やらない!"と言ってた時期もあるんですけど......そうかもしれないですね。やっぱり長い時間を費やしたバンドですから。
-改めて、TAKEさんとHIDETAさんはお互いを必要とする関係性だったんだなと。
HIDETA:そうですね。他のバンドをやっても、TAKEがベーシストに対して思うことがあるように、僕もバンドをどう転がすのか、どうツアーを組むのかとか、TAKEは僕ができないことをやってくれていたんだな、と気づきましたからね。
-JIYOUNGさんはそんなふたりに挟まれた立場になるわけですが。
JIYOUNG:ドラマーとしていい歌を歌う人の後ろで叩きたい気持ちがずっとあるんで。それでSHACHIに参加することになって、期待とプレッシャーをある程度は覚悟していたんですけど、それを遙かに超えてます。もっと頑張らなきゃいけないなと。バンド人生の中でも一番やりがいのある活動ができてますね。
TAKE:歴代のドラマーはパワー系が多かったけど、JIYOUNGはガツガツ叩くというより、フラットに気持ちを入れて叩く感じなんですよ。対バンの人からも"落ち着いて叩いてる"と言われることがあるくらい。それはこれからの課題かもしれないです。過去の楽曲だと、プレイ面で受け継がなきゃいけない部分も出てきますからね。
-なるほど。そして、今作『Viva La Youth』は『CURTAIN CALL』(2010年リリースの解散前ラスト・タイトル)から6年ぶりの音源になりますね。
TAKE:その前に去年、シングル(2015年4月16日に渋谷CLUB QUATTROにて開催した再始動後一発目のライヴ"Dr.Martens Returns"限定シングル『Sail Into The New World』)を出したんですけど、そのタイミングに3人でレコーディングする作業をやっておきたくて。それで今年に入ってから、年内に1枚音源を出そうという話をしました。
HIDETA:新しい音源を作らないと、周りに認めてもらえない気がして。SHACHIのコピー・バンドをやっているように思われてるかもしれないし、自分でもそう思いますからね。今回はお互いにどんな曲を持ってくるのか、ほんとにわからなかったです。
TAKE:干渉しないですからね。
-そこは以前のスタイルと変わりませんね。
HIDETA:でも、(再始動後)最初のシングルを作って、"こういう感じにした方がいいんじゃない?"という話はしました。もっと3人でやってる感じを曲に入れようと。昔は、"俺は俺の曲だけ"という感じでしたからね。
JIYOUNG:HIDETAさんの曲はコーラスが難しくて。ライヴでドラムを叩きながらコーラスをするのは大変そうだなと。
TAKE:今回は"Viva La Youth"とアルバム名にあるように、若いころの初期衝動を大事にしたくて。曲を作るときに自分たちの昔の曲や、高校生のころに聴いていたパンク・バンドを聴き返しました。
-どのへんの音楽ですか?
TAKE:初期パンクですよ。THE DAMNED、THE CLASH、SEX PISTOLS、RAMONESとか、あとはCOBRA、LAUGHIN'NOSEも聴きましたね。