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INTERVIEW

OLDCODEX

2016.08.17UPDATE

OLDCODEX

Member:Ta_2(Vo) YORKE.(Painter)

Interviewer:荒金 良介

-Ta_2さんは自分で歌詞を書きたいという欲求はないんですか?

Ta_2:それがあまりないんですよね。

YORKE.:ペインターが歌詞を書くって、まぁ珍しいですよね。

-かなり異例のケースだと思います!

Ta_2:YORKE.を信頼しているから、そこに対して疑問を持ったこともなくて(笑)。自分が吐き出したいものはメロディに乗ってるから。

-なるほど。バンドの成り立ちについて長々と聞いてしまいました。そして今作『Deal with』の取っ掛かりは、アニメのタイアップ(TVアニメ"SERVAMP-サーヴァンプ-"オープニング主題歌)の話ありきだったんですか?

Ta_2:いや、以前から制作陣と話す機会があり、自分が打ち出したいテーマとタイアップに通じるものがありそうだから、ちょっと待ってほしいと先手を打ったんですよ。そのうえで自分の中にあるテーマ性と向き合いました。

-そのテーマ性というのは?

Ta_2:シングル・コレクション(2016年6月にリリースした4thアルバム『Fixed Engine』)で、元メンバーや自分の曲作りについて考えたときに一度禊は済んだかなと。じゃあ、自分たちは何者だろうと考えたときに、"飢え"や"渇き"が自分の中の割合を占めているなと。それはアニメのタイアップにも通じるだろうと思ったので、今回の主題にしました。

-アニメの内容自体もちょっと変わったストーリーですもんね。

Ta_2:吸血鬼を扱ってるから、それは飢えや渇きに通じるじゃないですか。自分たちは吸血鬼とは違うけど、使ってる言葉は同じですからね。

YORKE.:アニメの主題歌は90秒だけど、OLDCODEXとしては13枚目のシングルになるわけで。アニメの世界観と俺らが訴えたいことを混ぜ合わせながら、あまり迎合せずに、こっち寄りにさせてもらった感じかな。激しい曲調なので、歌詞もそれに負けないようにしようと。

-ラウドでありながら、EDM風の踊れる感じもあり、ヴォーカルにいたっては飢えや渇きに通じる野獣声オンリーで攻めてますよね。

YORKE.:エンジニアの方に"これ主題歌なの?"って聞かれましたからね(笑)。

Ta_2:でもきっと受け入れてくれる土壌はあるだろうなと。

-TVアニメでこの曲を聴いたリスナーが、ラウドやメタルに入るきっかけになればいいですよね。

Ta_2:そうなれば面白いと思います。

YORKE.:逆もあるといいですよね。"アニメの主題歌でこんなことやるんだ!"と思って、アニメにも興味を持ってもらえたらベストだなと。ちゃんとパイプの役割を果たせたらいいなと思います。アニメの世界でも、これぐらい自由にやらせてもらえるケースもあるから。それを伝えられたら、もっとクロスオーバーできるのかなと。

-Track.2「Lead Me Not」はストレートなヘヴィ・ロックですね。

Ta_2:メロディは自分たちが持ってる毒を出せたらいいなと。バンド・メンバーのアクみたいなものを交通整理しないで、出すのも面白いんじゃないかと思ったんです。自分がライヴハウスで遊んでるときに、どんな曲がかかったらテンションが上がるかなって考えて。それで最速の230BPMになりました(笑)。あえてせわしない曲を作ろうと。

-そんな思惑があったんですね。Track.3「bund」はタイプが違うきれいな曲調ですね。

Ta_2:この曲は自分の中から何も出てこなかったから、その空っぽ感と向き合ってみようと。その中でメロディが出てきたので、ほんとにメロ/ハモり優先で作りました。

-SIGUR RÓSとか、あのへんの音楽に通じる壮大さを感じました。

Ta_2:まさにそうです。SIGUR RÓSやThom Yorkeの『The Eraser』(2006年リリースのソロ・デビュー・アルバム)を初めて聴いたときの感覚もどこかに残ってますからね。音に包まるような感じというか。

-この曲だけは全編日本語詞で、歌詞はいろんな解釈ができる内容ですね。

YORKE.:曲自体に余白があるから。「Lead Me Not」は具体的なんですよ。社会の中で羽交い締めにされた男が、ある程度子供のころに思っていたものは手に入れたけど、焦燥感があって、その見えない鎖を引きちぎろうという曲で。でも「bund」はそれを越えて、美しい場所に行こうと。歌詞を書くときは、片思いしているような気持ちなんですよ。お前(「bund」)はこういう女だよねって。

-曲を女性に喩えて!

YORKE.:そう。最初は英語で歌詞を書いていたら、その女性が"私は違うよ"って教えてくれたんですよ。それで日本語の美しい言葉で書きたいなと。

-最後の歌詞で"辿り着くから"と、ポジティヴに締め括ってるところが印象的でした。

YORKE.:そこも聴く人によって、余白ができるような感じで書きたくて。あと、"辿り着くはず"じゃなくて、"辿り着くから"って言いきるように書きました。それはFOO FIGHTERSの歌詞の書き方に影響を受けてますね。NICKELBACK、FOO FIGHTERSとかみたいな男臭い歌詞やサウンドも好きなんです。