INTERVIEW
at Anytime
2016.03.09UPDATE
2016年03月号掲載
Member:宮崎 雄斗(Dr/Cho) 中村 直矢(Vo/Gt) 山本 優樹(Ba/Cho)
Interviewer:荒金 良介
-そして、Track.6「BELIEVE SONG -TASTE OF BEER-」はミドル・テンポで、ブルージーなギター・ソロもまたいいですね。この曲はSECRET 7 LINEのSHINJIさんのことを歌ってるんですか?
中村:そうです。歌詞もそのままですもんね。だけど、音はポップにしたくて。歌詞を見せたときは、メンバーもそういう曲なんやとすぐわかってくれて。とはいえしみったれた曲にしたくなかったので、こういう感じになりました。
-やはり曲として形に残したかった?
中村:ああいうことがあったから、作りたくて作りました。曲の雰囲気も最近あまりやらなかったシャッフル的なリズムで、ベース、ドラムに関しても細かく言いましたね。
-雰囲気が肝になる曲調ですもんね。
山本:僕はこの曲が1番難しかったですね。フレーズやノリに苦労しました。
宮崎:ライヴでプレイしても勝手に気持ちが入ってしまうので、かっこよく聴かせられたらいいなと。せっかくのいい曲ですからね。
-SECRET 7 LINEの「YOUR SONG」(2015年リリースのシングル表題曲)にちなんだ歌詞にもグッときました。
中村:そこは英語だからこそというか。NO USE FOR A NAMEのTony Slyが亡くなったときに、他のバンドが追悼で曲を作っていましたけど。僕は直接面識はなかったから、そこまでの気持ちにはならなかったんですよ。だけど、今回はスッと書けましたね。"TASTE OF BEER"というサブタイトルについても、言うたら前日の朝まで彼と一緒に飲んでましたから。一生忘れられないですね。大事な曲です。
-ラストの「SHE」(Track.8)は、アコースティックを用いたシンプルな楽曲です。
中村:僕がポロッと弾いてた曲がメンバーふたりに引っかかったので、採用したんですよ。こういうアコースティックな曲も初めて入れたので、それも新しい挑戦ですね。
宮崎:スタジオでいきなり歌い出したときに、僕の中で妙に懐かしさを感じて。"それ、アコギで良くない?"と言ったんですよ。アコースティックに向いてるメロディだと思うし、いい曲になったと思います。
-全曲、歌とメロディが映えた楽曲ばかりで、ジャンル問わずにスッと聴ける作品になりましたね。
中村:嬉しいですね。それがやりたいことですからね。ほんまに僕らができることにどんどん挑戦したいから。いわゆるメロディック・パンクの人たちにできないことをやりたいし、自分たちらしさが出ればOKかなと。
-まさにそんな作品だと思います。
中村:これは自分たちらしくないよなって、ボツにしていた曲もありましたけど。一度曲を作ってから、考えてみようと。柔軟になりましたね。
-以前は自分たちの中で制約を設けていた?
中村:そうですね。僕は作る側なので、自分で"これはダサイな"と思ってもメンバーふたりが引っかかる曲もあるから。俺がこだわりすぎるのもよくないなと。
-わかりました。それで「TAKING BACK EVERYTHING」の中に"今自分たちの場所を取り戻す"という歌詞があります。これはどういう意味なんですか?
中村:ぶっちゃけると、日本語で歌うバンドが増えているじゃないですか。僕らも日本語でやってよと言われることもあるけど......今の流れに乗るのは嫌なんですよ。僕が憧れていたシーンや泥臭いライヴハウスの雰囲気が好きで。今は三重でライヴハウスの店長もやっているんですけど、汚いままがいいんですよ(笑)。少々悪くて、近寄りがたい方がライヴハウスらしくていいなと。なので、あのころのシーンやライヴハウスの雰囲気を取り戻したいなと。もっとかっこいい世界やったのになって。シンちゃん(SHINJI)のことを含め、歌詞と一緒にこの作品を聴いてほしいですね。
-今作は音も歌詞もエモいですね。繰り返し聴くたびに胸に沁みます。
中村:最後の曲が終わって、また1曲目から聴くと、よりエモく聴こえると思います。
-では、今後の予定については?
中村:4月からレコ発ツアーが始まって、9月まで回る予定なんですよ。バンドの体力をもっとつけて、さらに上に行きたいですね。この作品の発売日に自分たちのレーベルから、DADA M REBORNっていう若いバンドの作品を出すんですよ。それと、4月にはもう1組、Down the Rabbit-Holeっていうバンドの作品も出すんです。自分たちが背中で見せなきゃいけないようになってきたので、必ずいいツアーにしたいですね。