－それはなぜですか？

Chloe：私もAnneと一緒で、男に負けたくないという気持ちがあって、男臭いライヴをやりたかったんですよ。それで、Anneを紹介されて、音源で声を聴いたときに、あれ？って。女性ヴォーカルに初めて惹かれて、ライヴを観たときに一緒にやってみたいなと。最初はすごいギターを弾くなという印象でした。

－Anneさんの歌声のどこに惹かれました？

Chloe：女性ヴォーカルだけど、低めの声なので、そこに惹かれました。歌詞も今まで自分が見てきた女性の歌詞とは違ったから、そこも良かったですね。

－Louieさんはこの3人に固まって心境に変化はありました？

Louie：フロントが女性2人、男性1人ということで、2人をあと押しする気持ちもありつつ、メンバー同士の闘いでもあるのかなと。僕も2人に負けないようなアピールをしなきゃいけないし、尊敬しつつライバルでもあります。それに、自分自身との闘いでもありますね。

－メンバー間でもピリッとした緊張感を大切にしたい？

Louie：そこが結構大事で、それがあってこそ、バンドはどんどんスキルアップするんじゃないかと思っています。

－それはもともと持っていた考えですか？

Louie：いや、この気持ちは3人でライヴを重ねてきて、自然と身についたものですね。

Anne：フロントが女性2人だから、ガールズ・バンドと見られることも多くて。ウチら的には......スタジオでもLouieによく"もっとやっちゃっていいよ！"って言うんですよ。Chloeに対しても"何も遠慮せずにやっていいから"って。メンバー内で遠慮や迷いがあったら負けてしまいますし、3人で闘って、その緊張感や熱を音と一緒にバーッと外に出したら、自分たちでも無敵だと思えますからね。ライバルであり、1番信頼し合える仲間ですね。

－考え方がしっかりしてますね。やはりナメられたくないという気持ちが強いですか？

Anne：そうですね。最初のころに茶番のような出来事があって。酒に酔ったおじさんにフロントが女2人だからって、ナメられたことがあるんですよ。そのころはこのバンドを始めたばかりだったから、音では闘えなくて。そのときのことを今でも思い出すから、音でやり返すしかないなと。

－なるほど。2015年3月からバンドは始動してますけど、それ以降に変わってきた部分はありますか？

Anne：ライヴを週2～3回やったりと、ガムシャラでしたね。例えば3月にやった同じライヴハウスで8月にやったときに、"すごくよくなったね"と言われて。場数を踏むことで、成長できているのかなと。

Chloe：思い出せないくらいライヴをたくさんやってきたけど、自分の成長が見えなくて悩んでいた時期もあったんですよ。でもライヴでお客さんが増えてきて、少しずつ状況が変わってきたんだなと。

Louie：始動したばかりのころと今を比べると、まとまり感は出てきたのかなと思います。間の取り方とか、当初はバラバラだったけど、今は固まってきたのでライヴも面白いですね。

－そして、今回は初のフル・アルバムになりますね。

Anne：このアルバムの楽曲は松隈ケンタさん（SCRAMBLES）にプロデュースしてもらっていて、歌詞は私が書いたんですけど......その行為自体は自分の"排泄行為"なんで。

－"排泄行為"ですか。

Anne："伝えたいことはありますか？"とよく訊かれるんですが、身近なことばかり書いてますからね。自問自答だったり、ある人に対する復讐ソングだったり、メンバーの背中を押すような曲だったり、ほんとに全曲剥き出しって感じです。最初にも言ったけど、私は歌詞、曲、ライヴでしか自分を出せないから。

－今作は様々なタイプの曲が入ってますよね？

Anne：そうですね。歌詞はエグイことを言ってるけど、ポップだし、聴きやすいかなと。だけど、もともとある自分たちらしさも出せたと思います。

－Chloeさんはどうですか？

Chloe：自分らしさはまだまだ出しきれてないんじゃないかな。今回は初のアルバムなので、シンプルな感じで仕上げてます。

Louie：僕も同じ気持ちで、まだ自分らしさは完全に出しきれてないところもあって。歌詞を前面に押し出すように、あまり派手にやらずにシンプルにやろうと。