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INTERVIEW

OUTSIDE THE COMA

2015.07.17UPDATE

2015年07月号掲載

OUTSIDE THE COMA

Member:Yuuri B Joux (Vo) Mikee W Goodman (Vo)

Interviewer:山本 真由

-まずはデビュー・アルバムの完成、おめでとうございます! 彗星のごとくシーンに現れた、という印象のOUTSIDE THE COMAですが、そもそも日本人女性シンガーのYuuriとSIKTHのフロントマン Mikee Goodmanはどこで出会ったのでしょうか?ふたりが一緒に活動するに至ったきっかけは?

Mikee W Goodman(以下M):2012年に俺は日本に刺激を求めて旅行しに来たんだ。"SCREAM OUT FEST"も観に行ったよ。そのときに、打上げがあるけど日本人の集まる方か海外勢が行く方か、どっちに行きたいかと聞かれ、せっかくだから日本人の打上げに行ったんだ。そこでYuuriに出会ったんだ。

Yuuri B Joux(以下Y):最初に会ったのは渋谷のライヴハウスだったと思います。実はその前からも何回かMikeeの後ろ姿を見たことがありました。

M:それからライヴハウスで彼女がやっていたバンドのライヴも観た。そのとき、彼女はいろんな意味でとてもパワフルに見えたんだ。

Y:一緒に活動しようとなったのはもう少しあとの話ですが、まず共通の知り合いが私たちを繋げてくれてミーティングをして、デモを録ってみて、彼が判断して私が選ばれました。当時他にも候補のヴォーカリストはいたそうです。

-"謎の美女"という印象のYuuriですが、どのような音楽的キャリアを持つ女性なのでしょうか?

Y:幼少のころからピアノを習い、ゴスペルから歌にのめり込み、バンドが好きになり、音楽の短大(昭和音楽大学)に入って、いくつかバンドを経て今に至ります。

-ラウド、メタル、という激しいロックの要素と、EDMの中でもジャングル、ドラムンベースといった肉感的で混沌とした表現を融合させたOUTSIDE THE COMAの音楽性は、かなり個性的と言えますね。YuuriとMikeeの音楽性の共通点はどのあたりにあるのでしょうか?

Y:私が思うに、ふたりの音楽性の共通点は――Mikeeほどではないですが、私も音楽や音に合わせて声のキャラクターをコントロールすることが大好き、という点かなと。

M:俺は様々なスタイルの音楽を聴くんだけど、主にダークでメランコリックなものが多いよ。ダンス・ミュージックも好んで聴くけど、俺のバックグラウンドっていう意味では、へヴィなギター・サウンドのメタルということになるかな。俺たちはふたりともダークでグルーヴィな音楽が好きなんだ。

Y:あとは音楽性とは異なりますが、共にライヴや制作をしている時間はすごく満たされる気持ちになります。ときにディープな話にもなったりしますが、深いところの闇がリンクしている気がします。喜怒哀楽でいうとリンクしてるのはきっと怒と哀。

-OUTSIDE THE COMA のFacebookを見ると、固定のバンド・メンバーがいるようですが、バンド形式ではなくYuuriとMikeeのヴォーカル・ユニットという形をとっているのはなぜですか?

Y:男女、静動、光と闇、のような対比を作りたかったからです。

M:それに、このバンドはバック・トラックさえあればふたりでもライヴできるバンドなんだ。もちろんバンドを連れて世界中ライヴをしたいって気持ちはあるけど、そこに執着してチャンスを逃したくはないんだ。アーティスト写真を見てもらえたらわかると思うけど、バンドとして他のメンバーと一緒に写るより、ふたりだけの方がパンチがあるだろ? 俺たちは他のバンドとは違うアプローチをとるバンドなんだ。

-今のところ、ふたりの活動拠点はどこになるのでしょうか?

M:日本でもあり、イギリスでもあるよ。

Y:ライヴをしたことがあるのは、今はUKだけです。でも、もちろん自分の国である日本でもやりたいです。ホントに。

-ふたりの国籍が違うことや、レコーディング・メンバーを集めることなど、アルバムの制作にあたって、苦労したことはありましたか?

M:相当大変だし、難しいよ。メジャー・レーベルが何社も興味を持ってくれたけど、Yuuriが日本に住んでいると知った瞬間興味を失くされた。でも俺はこのバンドのコンセプトを貫くことを決意していた。俺たちの作る音楽に自信もあったし、Yuuri以上のヴォーカルが他にいるとも思えなかったからね。彼女はステージで本当に素晴らしいし、ミュージック・ビデオの撮影のときにも素晴らしい才能を発揮するんだ。

Y:私はやっぱり語学力で壁にぶつかりました。歌に込める感情やサウンド面の話をするときに、聞きとれても思ったことを思ったように話せなかったときは苦労というより悔しかったです。今も絶賛語学勉強中です。

-デビュー・アルバム『The Battle Of Being』ですが、このタイトルに込めた意味は? 何かコンセプトのようなものはあるのでしょうか?

M:このタイトルは"いかに人生を生きることが難しいか"という意味だよ。人生は戦いなんだ、という比喩さ。

Y:大人になるにつれて矛盾や葛藤、経験からくるトラウマなど、時間を重ねるごとにそういったものは増えていきます。逃げる、気づかないふりをする、開き直る......等無限にありますが"立ち向かう選択肢"という意味でこのタイトルになりました。