－カオティックで手の込んだ構成の楽曲に、対照的な男女のヴォーカルが融合したサウンドには、アルバムを通して惹きつけられてしまいます。そして、どうやって生で表現するんだろうという期待感もあります。ライヴでの再現が最も難解な楽曲はどの曲ですか？

M：実際俺たちふたりはすごく練習をするから、難しいということは特にないけど、強いて言うならTrack.2「Flavour Of The Weak」かな。とても速いからね。

－リード・トラックのひとつ、Track.2「Flavour Of The Weak」のミュージック・ビデオは、クール・ジャパンの表現のようでもあり、昨今のアイドル文化を皮肉っているようでもあり、非常に興味深い内容ですが、どのようなメッセージが込められているのでしょうか？

Y：私は最初後者だと思っていたのですが、Mikeeの感じる日本と自分の感じる日本のギャップがこんなにあるんだと私が関心してしまいました。

M：俺が言いたかったのは、今の音楽シーンはクソだってことさ。ロックもメタルもすっかり実験的なアプローチをすることがなくなった。あまりにも多くのミュージシャンが何を求められているかばかりを気にして、売れているバンドの真似事ばかりしている。

Y：普遍的な音楽が少なくなった中、"これがいい"と選ぶのは大多数じゃなくて自分しかいない。でも発信する側はアウトプットが大きければ大きいほど影響力がある。そんなやきもきしたものをTV番組で出演者がトップを目指すオーディション番組のようなミュージック・ビデオにしました。

M：自分の音楽を創造するってことが一番大切なんだ。新しいサウンドの追求だよ。最近はみんなリスクを恐れて新しいことをしているバンドに誰も興味を持たなくなってしまった。現状、本当に最悪な音楽業界になってしまったと思うよ。

－作曲については、MikeeとTHE PRODIGYの元ドラマーKieron Pepperが担当しているようですが、Kieronはレコーディング・メンバーでもありますね？ 彼もこのユニットの結成に大きく関わっていたのでしょうか？

Y：アレンジ等で大きく関わっています。彼がいなかったらEDM要素が欠けてしまうくらい。

M：そうだね、Kieron Pepperは重要なメンバーだよ。Track.7「Nosebleed」とTrack.1「Outpatients」は全部彼が作った曲だよ。「Flavour Of The Weak」みたいな曲は俺が作って彼がドラムを考えてくれたんだ。

－また、ミックスを手掛けたのはSKINDREDのJames Loughreyとのことですが、彼はこのアルバムにどのような影響を与えましたか？

M：基本的には自分たちでRECして、ミックスだけJames Loughrey にお願いしたんだ。最高な仕事をしてくれたよ。

Y：曲の雑味をとってくれたというか美しくなったと思います。ふわっとした感想ですが。

－リリース後、ツアーなどは予定されているのでしょうか？

M：今はなんとも言えないけど、それは楽しみに待っていて欲しいな。

－今年の5月には、DIR EN GREYロンドン公演のオープニング・アクトとして出演していますが、彼らとの共演はいかがでしたか？ また、オーディエンスの反響は手応えのあるものでしたか？

M：最高は反応だったよ。あの夜は本当に最高だった。

Y：私は反響についてライヴをするまでずっと心配でした。でもちゃんとリアクションがあって、すごく楽しめたライヴでした。DIR EN GREYのライヴは世界観に観入ってあっという間でした。

－今後のふたりの目標について教えてください。

Y：今後さらにライヴをコンスタントに増やしたいです。まだまだロンドンでもやりたいですし、日本でも、他の国でもライヴをしていきたいです。

M：俺は自分たちの音楽をたくさんの人に広げるために、たくさんツアーをしたいんだ。また、OUTSIDE THE COMAで"FUJI ROCK FESTIVAL"や"SUMMER SONIC"のステージ立つのが夢なんだ。日本のフェスが大好きだからね。

－最後に、激ロックの読者へメッセージをお願いします。

Y：最後まで読んでくれてありがとうございます。バンドのメンバーひとりだけ日本人という不思議な組み合わせかもしれませんが、自分が日本人としてUKでライヴができることを誇りに思っています。日本でのライヴを楽しみにしています！

M：みんなの前で早くライヴがしたいと本当に願っている。日本が大好きだから。みんな俺たちのCDを買ってサポートしてくれ！