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INTERVIEW

IN THIS MOMENT

2014.11.14UPDATE

2014年11月号掲載

IN THIS MOMENT

Member:Chris Howorth (Gt)

Interviewer:米沢 彰

-つまり"Black Widow"はMariaのことを指した比喩表現でもあるのでしょうか。

そうだね。彼女自身も自分のことだと考えている部分があると思う。彼女の変化もそうだし、彼女の音楽業界の中での存在感がパワフルに成長しているのもそうだし、恐怖を振り払って、ダークな自分を受け容れる強さとかもね。

-Mariaの歌唱力は以前からかなり幅がありますが、今作ではより妖艶になり、雰囲気というかオーラというか、エロティックな危うさをも持ち始めたように感じます。彼女のヴォーカルの変化や進化についてどのように感じていますか?

最高だよね。このバンドの1番いいところのひとつは、彼女が常に変化していて、新しいものを思いつくところなんだ。今回も今までになかったような声を出していると思う。みんな驚いたり、ショックを受けたり、ハッピーになったりするんじゃないかな。いろんな感情を表現できるようになっているよ。ソフトな声からスクリームまであらゆるタイプの声が出せる。個人的にも彼女の歌の大ファンなんだ。このバンドの特徴にもなっている声だよね。"ああ、Mariaだ"ってすぐ分かる。バンドとしてはすごい強みだと思う。

-シングルとして映像も公開されているTrack.7「Sick Like Me」も、彼女の多彩な声を見せ付けていますね。変拍子を自然に入れ込んでいることもまた全体の雰囲気や危うさを増しているように感じました。

あの曲はクールでグルーヴィなギターとドラムのパートからできて、そこにMariaが、ALICE IN CHAINSみたいな声を重ねていったんだ。あれは何か今までとは違うものを感じるね。初めから全体のヴィジョンが見えていたわけじゃなくて、自然にああいう音作りになったんだ。できあがってから"ウワォ!このビートいいじゃないか!"と初めて気づいたよ。

-Track.7「Sick Like Me」の映像は"Audio Visualizer"と名づけられていますが、この試みはどなたのアイディアだったのでしょうか? 経緯と共に、その考えかたや位置づけを少し詳しく教えていただけますでしょうか?

あれはレコード会社のアイディアで、早く曲を出したかったみたいなんだ。でもまだビデオができていなかったから、イメージ映像を組み合わせてああいうものにした。Mariaと俺がレコード会社と話し合って、ダークで不気味でひねりの効いたビデオを作ったんだ。実際のビデオが出るまでのつなぎとしてね。あれはみんなに気に入ってもらえたよ。あれがオフィシャルなミュージック・ビデオだと勘違いした人も多かったね。

-オフィシャルのミュージック・ビデオもようやく出ましたね。Mariaがゴージャスでした。

うん。俺たちもあのできにはハッピーだよ。Mariaの見えかたなんかも、これまでのビデオより大きく進化したと思う。Audio Visualizerもみんなに気に入ってもらえたから良かったけど、もうオフィシャル・ビデオが出たからみんなVisualizerのことは忘れちゃったんじゃないかな(笑)。今はオフィシャル・ビデオが注目を集めているよ。

-SEのTrack.12「Into The Darkness」を始め、作品全体が映画を意識しているように思えるのですが、実際のところはいかがですか?

確かにそういう面はあるね。特定の映画作品を意識してはいなかったけど、スケールの大きな、映画的な雰囲気を目指していたんだ。目を閉じたときも頭の中で音がビジュアル化できるようなものを作りたいと考えた。なかなかうまくいったと思うよ。実際、アルバムを聴いた人たちの中には、もう映像の想像図が見えるなんていう人もいるからね。すごくクールなことだと思うし、将来的には本当に映画もやってみたいと思う。壮大な雰囲気のあるアルバムが大好きなんだ。

-映画的な雰囲気を目指していたということは、実際のビデオ制作がいつもより簡単だったりしましたか。

まぁ、そうだね。等身大よりもスケールの大きなフィーリングが欲しいというのははっきりしていたし。みんなをびっくりさせたかったんだ。キラキラしたポップ・スター的な雰囲気と、ヘヴィなロックの雰囲気を融合させようと思ってね。その上で、誰も見たことのないようなビデオにしたいと考えたんだ。とにかくビッグで、壮大なものを作ろう、という気持ちは一貫してあったよ。

-前作のリリースから今作の制作までの間のバンドの活動を簡単に教えて頂けますでしょうか?

前作では大々的な全米ツアーとワールド・ツアーをやったんだ。死ぬほど働いたよ。ツアーが終わったのがこの前の2月。そこから3週間オフをとったらすぐにラスベガスに行って、レコーディングを始めたんだ。スタジオでは4ヵ月半過ごした。それから3ヶ月オフをとって、今度はプリプロに入った。ビデオもツアーも全部。壮大なプロセスだったよ。Mariaは曲に取り組む1ヶ月も前から、新しいダンサーたちと一緒に振り付けを考えたりして、ショウの構想を考えたんだ。プリプロは2ヶ月くらい、アルバムとステージとビデオを同時進行で。ビデオは2本、ひとつは今回出た新しいやつ。もうひとつも近いうちに出すよ。そんな感じで、ノンストップで走り続けてきたよ。今は新しいツアーも始まって、今日が3日目なんだ。